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【詩】偽善と空色

学校のチャイムがいつも違うように聞こえることを知った
オーストラリアとオーストリアは違う国だと知った
プールのあの臭いは塩素故だと知った

忘れたくないのに忘れてしまうことがあると知った
夢は醒めるのに見てしまうことを知った
人を信じているようで実は信じていなかったことを知った

偽善者に居場所など無いと知った

屋上に続く階段がこんなにもおぞましいのだと知った
高さとは怖さであると知った
一歩踏み降ろすだけなのに脚が震えてしまうことを知った


空はこんなにも青いのに、雨が降ることを知った空はこんなにも蒼いのに、独りなのだと知った