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四国から家路へ

『バースデイきっぷ』は徳島駅でフィナーレ。付属のアンケートを改札で手渡して後にする。非常に良いきっぷで旅ができた。そんなここからは関西へ戻っていくのだが、行きとは異なりフェリーで和歌山に向かい、そこから京都へ帰る。

徳島市営バス

徳島駅前から市営バスに乗り込み徳島港「南海フェリー前」まで向かう。意外にもフェリーに乗る人はたくさんいて、春休みということもあって年齢層が若かった。もちろん、普段使いの地元のマダムの姿も。

そんなこのバスでは交通系ICが使えない代わりに「PayPay」「LINE Pay」などのQR決済が可能。JRで交通系ICが使えない土地ながらも市バスは一段飛ばしぐらいの技術を取り入れている。

南海フェリー

徳島港に着き、きっぷを買う。

今回は「好きっぷ(スキップ)」という割引きっぷ。フェリーと親会社である南海電車の乗車券とセットで実質的にフェリー代だけでなんば、関西空港、高野山といった主要駅から高師浜たかしのはま汐見橋しおみばしといったローカル線の端までも買えるという破格の安さだ。

待合室で待ってると、乗船の案内がなされて桟橋で船に入っていく。

今回乗るのは徳島名産藍染めをモチーフにした「フェリー あい」。椅子席やリクライニング、雑魚寝できるじゅうたん席、さらには女性専用、シニア優先、ドライバー専用区画や追加料金が要る「グリーン席」まで多彩な席が用意されている。

甲板に出て出航の時。いよいよ3日間を過ごした四国を後にする。ちなみにフェリーに乗るのは四国から九州まで乗った「宇和島運輸フェリー」以来4年ぶり2度目。やっぱりこういう瞬間がワクワクだったりする。

室内に戻って少し腹ごしらえ。珍しい縦カップのどん兵衛を専用自販機で買って、お湯を注ぐ。ちなみに僕の隣のテーブルにいた男女数人組は事前に持ち込んだりもしていて、丼型でもスポッといけるようだ。そんな風景を見てると3分経った。割と食べ慣れた味だが、外で食べるなんて無いから新鮮。「1番うまい食べ方は外だ!!」ってこういうことも言ったりして笑

このフェリーではWi-Fiやコンセントが付いていて、暇つぶしやパソコン作業も充分。そして、テレビもNHK徳島、JRT四国放送(日テレ系)、テレビ和歌山が映るようになっているが、動いているからか電波は非常に不安定だ。

寝転んだり、淡路島、紀伊水道、和歌山のコンビナート群を撮ったりいろいろしてると和歌山港に到着。

和歌山港の桟橋は南海電車和歌山港駅に直結。雨に濡れずに乗り換えができる。ここからは和歌山港線の普通列車、特急を乗り継いで大阪なんばを目指す。

ついに乗れた「めでたい&プレミアム」

ホームにいた和歌山市行きの電車は驚きの「めでたいでんしゃ」の“母”である「さち」!!加太線にフィーチャーした電車ではあるが、運用の合間を縫って、和歌山港線折り返しの普通電車も担当することがある。

以前和歌山市加太を訪れた際に「かい」「なな」の2つに乗ったがこのとき「さち」には乗れずじまい。まさかこんなところで初乗車が叶うとは… あとは去年加わった「かしら」のみ…

車内にはタイや装飾、さらには「かい」との「婚姻届」まである。この「父母」の欄をよく見ると“電車とタイのミックスルーツ”らしい。

4分乗車で和歌山市駅に到着。ここで乗り換える特急「サザン」にも驚いた。

今まで乗ったことがない「サザンプレミアム」が止まっていた!!過去2回「サザン」の座席指定を買って旧型にしか当たったことがなく、これは乗り逃すわけにはいきまいと大慌てで指定券を取りに券売機へ向かい無事買えた。

リクライニングにフットレスト、自販機を備える「ザ・特急」スタイル。2010年代デビュー故にコンセントも設置されていて、非常にありがたい。

そして極め付けがこの「プラズマクラスター」。鉄道では初めて搭載した画期的なもの。このご時世、一番ありがたい設備だろう。

ちなみに「サザン」は「プレミアム」含めて片側4ドアの通勤電車が自由席車となって相方を務める。1つの列車でこれだけグレード格差があるのはなかなか珍しいもんだ。

京阪「ライナー」

晩ご飯のお惣菜として、なんばの高島屋で「551」の餃子を買って、御堂筋線で淀屋橋、そこから京阪電車で帰路に着く。

旅のフィナーレは座席指定の「ライナー」。個人的には平日ライブ帰りに時々お世話になっていて、最近では2階建て2階をよく指定している。仮に通常の特急だった場合、付いていたら「プレミアムカー」、それが無い“緑の特急”だったらそのまま乗るなど様々なパターンを想定していたが、長旅の疲れを癒すプチ贅沢で帰れるのは非常に嬉しい。そんな今回は2階建て1階席を指定。

「プレミアムカー」より100円ちょい安い値段で乗れる気軽さと夕ラッシュは始発でちょっと待たないと大抵座れない、ラッシュの「プレミアムカー」は基本大盛況というのが相まって贔屓にしている。旅という非日常の〆の優等列車が「いつもの」っていうのはいいもんだ。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。