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交通系ICの昔と今と思い出

交通系ICの元祖として2001年に誕生したJR東日本の『Suica(デビュー当時はイオカードSuica)』。カードケースから出さずにタッチして改札を通れ、現金をチャージ(モバイルはクレジットカードで)できる手軽さがウケ、今や交通系ICが使えるところでは持ってて当たり前のレベル。

ICOCA誕生と近所に“イコカ”

Suicaから2年後にはJR西日本が関西で『ICOCA』を導入。仲間由紀恵さんとマスコットの『カモノハシのイコちゃん』のコミカルな掛け合いのCMが在阪テレビ局で放映された。幼かった当時の僕にとっては印象深く残っていて、鉄道にまつわることもあって煌びやかでカッコ良さもあったことを覚えている。それから2006年には家の近所である北陸線にICOCAが進出。新快速乗り入れとともに近代化が進んだ格好だ。

とは言っても導入始めはまだまだ、きっぷで乗ることがほとんどだったし、母方のおばあちゃんに会いに大阪行ったら『スルッとKANSAI』という磁気カードで乗ってたから、縁遠かった印象だ。

唐突なICOCA

それから中学生のある誕生日。父から唐突にICOCAをプレゼントされた。夢が現実になった感じで、タッチするという感覚は今までにない物だった。それに触発された母と妹もICOCAを使い始めたのだ。

高校時代と現在

高校時代になると、定期として毎日使うようになり、長らくお世話になった。現在は『PiTaPa』と「モバイルSuica」を主に使い、現金しか使えない近江鉄道始めとする一部の中小私鉄以外はバスを含めだいたいこれで事足りる。ほぼ「キャッシュレス」を実現しているというところだ。

未だ壁あり

今では、地域ごとにあったICカードが「連合軍」を組んだことで壁が取り払われ、北は北海道から南は沖縄までいろんなところで普及している。それでも、僕がこないだ訪れた富山地方鉄道では路面電車が多くのICに対応している反面で、鉄道線が未だに「ecomycaえこまいか」というご当地ものしか使えなかったり、香川以外の四国の大部分などそもそも本来の役割である鉄道やバスで使えないなどあったりする。さらについ最近まではICOCAと東海のTOICAトイカでエリア跨ぎで使えなかった。僕の高校時代の後輩でも、TOICAエリアである米原市内の東海道線で通学してる人は磁気定期しか使えなかったりした。2021年からは定期に限ってエリア跨ぎは可能となり、新大阪を跨ぐ新幹線定期もICで作れるようになった。

20年で驚く成長

今や都市部では当たり前で、1枚で鉄道やバスからコンビニ、スーパー、ホテル、ガソリンスタンドに至るまで、これさえあればなんでもできるまで成長した。その一方で地方では浸透しきれてない場所もある。初期投資などの課題はありつつも、「鉄道の新たな当たり前」を作り、クレジットカードやEdy、WAON、nanacoなどにも引けを取らないキャッシュレスの代表格に進化した「交通系IC達」。20年での成長には当たり前でも驚くほど。

QRコードやタッチ式クレジットカード、顔認証など「新たな当たり前」を作るかもしれない新技術が出現してる中、果たしてこれらを超えるものは現れるかどうかは分からないが、ここまで定着したことには凄いものを感じる。末永く愛されることを願ってこの記事を〆ることとしよう。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。