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見放題スタッフ体験記

7月2日に「見放題」というフェスに参加した。去年以来3度目だが、今年はいつもと違う。実はボランティアとして裏方で支える側になった。楽しさの裏でけっこう苦労は多かった。一方で学びがたくさんあったし、楽しいこともあった。

見放題とは?

2008年に大阪キタ(梅田などの市内北側)から始まったライブハウス周遊型(サーキット)のフェス。1枚のチケットをリストバンドに交換することでいろんなライブハウス、アーティストを楽しめる。後に「ライブハウス地帯」である心斎橋やアメリカ村界隈に移って今に至る。大型フェス「京都大作戦」と必ず日程が被るが15年にわたって愛される夏フェスになっている。「民やん」さんという“音楽を愛する陽気なおっちゃん”が主催者でインディーズバンドから全幅の信頼を置かれる。過去には「あいみょん」「KANA-BOON」「クリープハイプ」など今をときめくアーティストも出演していた。このフェスの兄弟イベントとして毎年3月に新宿界隈で「見放題東京」毎年9月に新宿、下北沢、渋谷という3エリアを1日ずつ分けて集中開催する「TOKYO CALLINGトーキョーコーリング」もあって、いずれも「民やん」さんが主催する。

やること

当日の僕のスタッフ名札

当日は

  • ライブハウスの出入り人数のカウント

  • 入り口に溜まりやすいお客さんをステージ側へ誘導して、キャパちょうどまで入れるようにする。

これらを中心にライブハウスごとに配置される「チーフ(リーダー)」の指示に従いあれこれやる。

しんどかったこと

しんどかったこととして2つある。1つが、長時間の立ちっぱなし。休憩もあることにはあるが、座れる椅子が限られる。メンバー全員口を揃えて腰がバキバキで脚がキツかった。さらにもう1つは誘導だ。チーフからのグループLINEを通じて指示されたりするが、大音量だからすぐに呼びかけても反応してくれないし、雰囲気ぶち壊しになる。だいたい演者が水を飲んだりチューニングするMC直前あたりを狙うもののやっぱり思うように行かないことも多々あった。こういうところの現実ははっきり思い知ったし、楽しんでるから気づきようがない。

好きなバンドを見れて

こんなしんどいことでも、とびきりに良いことが1つがあった。休憩のタイミングを決める参考に見たいバンドをリクエストした。その内第1希望が叶って見に行った。

MOSHIMOボーカル岩淵紗貴さん(通称ポチちゃん)
ギタリスト一瀬さん(いっちー)の粋な計らいでラスト2曲は撮影OKになって撮った2枚

担当場所がたまたま「MOSHIMO」の出るステージの目と鼻の先、徒歩1分で着き、入ったときには『電光石火ジェラシー』の始まりでギリセーフ。さらに『化かし愛のうた』『寝グセ』と来て、MC挟んで『JUN BRIDE』『命短し恋せよ乙女』で上記の写真撮影を解禁するサービスがプラスで盛り上がった。ちなみに担当場所にも「ポチちゃん」と「いっちー」さん2人で見に来てるのを目撃し密かにテンション上がった。「MOSHIMOのTシャツ来てくりゃよかったぁ」と軽い後悔も。それはいいとして、フルで見れただけ良かったし、なんかまた奇跡起こしてる。

イキイキしてるスタッフさん、演者さん

見てて思ったことはたくさんあるが、特に客としては見えなかった良い部分がこういうところだ。リハ中、本番、ご挨拶、お酒を飲んでプチ打ち上げまでこんなイキイキしてる風景は初めて見た。こういう人たちが支えてるんやなぁって思うと誇らしい。おまけに「民やん」さんもミーティングで我々に楽しむことを大事に伝えていたからこういうところなんやとも思う。「ザッツ、ライブハウススピリッツ」ってやつかな。

楽しいを支える

これら以外にも、俯瞰してみる楽しそうなお客さんたちや軽音部のときを彷彿とさせるリハを見て懐かしくなったりして、

楽しむことを支える意義や楽しさ

を学べたような気がした。いろいろありすぎた昨日の今日で綴ってるから半分以上は忘れているし、僕と1日をともにした「チーフ」を含めた女子3名とは連絡先やSNS交換しないまま終わったりした。それでも、傷つく思い出にならなかった。この日は「KDDI」の通信障害で電子チケットや一部スタッフのスマホで影響を受けたが、ライブハウス備え付けの「Wi-Fi」でほぼカバーできたのも幸いだろう。

あるフェスでのトラウマ

そんな僕だが、実は滋賀県の野外フェスでボランティアをしていたことがあった。ただ、このときの担当が「セキュリティ」と言って、観客頭上に登って寝転がりながらステージにやってくる「ダイバー」をキャッチすることを任されたが、殺気立った観客に青ざめて、ボロ泣き、早々に「ゴミステーション」に異動することになった。おまけにコミュニケーションが取れなくて先輩を怒らせるなど良い思い出がなかった。しかし、コロナ禍である今回は前者のようなことは無かったっていうだけ救われたように感じるし、これ故にトラウマなんてもんは無く1日を終えられたようだった。

長くはなってしまったが、1日を共にしたメンバー、お世話になったライブハウスのスタッフさん、演者さん、ミーティングで仲良くしてくれた人、全ボランティアスタッフのまとめ役のAさんなど感謝したい人は多い。そして、何より「民やん」さんから裏方の楽しさを教えてもらったようで早朝から深夜まで大変ながら楽しくフィニッシュできたと思う。なかなか良い巡り合いだった。来年も是非参加したい。

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