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週刊!リハマガ! ~整形リハビリの考え方~

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2024年3月の記事一覧

股関節屈曲制限の原因はどこにある? ~基礎編~(軸・運動学的な視点)

股関節の屈曲可動域は立ち座り、足を組んだ座位、靴ひもを結ぶなどの日常動作で大きな可動範囲が要求されます。また、スポーツ活動ではジャンプ動作、蹴る、投げる、踏み込むなどの動作でかなり重要となります。 股関節はMobility関節であるため、本来は大きく動いてほしい関節ですが、動きが悪くなるとStabiility関節である腰椎や膝関節が動きを代償します。つまり、関節本来の役割が発揮できないので(作用が逆転)、腰椎・膝関節の障害発生の原因になると考えられます。 例えば、股関節屈

第一肋骨疲労骨折を見落とさないポイント! ~なぜ?そんな場所に痛みが出るのか?~

第一肋骨疲労骨折は発生頻度が全肋骨骨折の中でも0.05~5%%と発生率が少ないです。私は今までに3例の症例を経験していますが、1年に1人携わることができるかできないかの頻度になります。 ですが、第一肋骨疲労骨折を見逃してしまうと、骨折の痛みを肩関節や肩甲骨や胸椎の問題による痛みと考えてしまい、症状を悪化させてしまう可能性があります。そのため、第一肋骨疲労骨折を見逃さないために、発生原因と症状を頭の中に入れておく必要があります。 1.第一肋骨疲労骨折が生じる原因第一肋骨疲労

シンスプリント「最新知見から介入を考える!休めば治るからの脱却!」

シンスプリント(以下:MTSS)はランナー(長距離・短距離)に多く生じる疾患です。MTSSの特徴としては、脛骨内側部近位1/2~遠位1/3にかけて疼痛を訴えることが多いです。また、走ったり、ジャンプしたりすると同部位に疼痛が出現し、悪化すると疲労骨折に繋がることもあります。 シンスプリントのその他の特徴として ・女性に多い(中高生で多く発症) ・初期では運動開始時のみに痛みがある ・脛骨近位1/2~遠位1/3に疼痛、圧痛がある ・重度化すると安静にしていても疼痛がある(歩け

肩関節挙上制限 ~上腕骨と肩甲骨の運動学から考える評価と介入~

肩関節の運動は肩甲上腕関節や肩甲胸郭関節だけでなく、肩鎖関節・胸鎖関節、解剖学的な関節とは言えませんが第二肩関節など多くの関節の複合運動で達成される運動になります。 多くの関節運動が肩関節の運動に関与するのですが、挙上運動に限って言えば、上腕骨と肩甲骨の複合運動が重要になります。上腕骨の運動は肩甲上腕関節、肩甲骨の運動は肩甲胸郭関節の運動になります。 この上腕骨と肩甲骨の運動は古くから述べられており、Scapulohumeral Rhythm(肩甲上腕リズム)と名付けられ