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2023年10月の記事一覧

~これを知れば肩関節の介入が変わる!~ 棘下筋を見るPoint!可動域制限を改善するために重要なこと…

肩関節にもアウターマッスルとインナーマッスルが存在します。インナーマッスルはアウターマッスルよりも早期に活動し、関節運動が生じる前に、関節を安定化させる役割があります。 肩関節でいうインナーマッスルは棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋(腱板筋群)の4つになります。もし、これら腱板筋群の機能低下が生じると、関節が不安定な状態で運動が生じたり、腱板筋群の機能を補うためにアウターマッスルの過活動を引き起こす可能性があります。 腱板筋群の機能低下による、肩関節の不安定性や三角筋や大

小円筋と関節可動域制限

肩関節は人体の中で最大の可動域を有する関節になります。可動域が最大である一方、骨構造による関節の安定性はほとんどありません。そのため、肩の機能的安定性は関節包や靱帯、関節唇などの静的安定化組織と、周囲の筋肉(特に回旋腱板)の動的安定化組織によって達成されます。 中でも、回旋筋腱板は上肢の運動中に上腕骨頭を関節窩に圧縮することで安定性を維持しています。したがって、回旋筋腱板は正常な肩関節の運動と機能を維持するうえで重要な役割を果たしています。 逆に考えると、回旋筋腱板の機能

小殿筋の多彩な役割

小殿筋は大殿筋や中殿筋の深層に存在し、関節包に隣接しているため、股関節の安定性に重要と考えられています。また、股関節の外転運動だけでなく、関節包の動きを引き出す役割もあると考えられており、小殿筋には多彩な役割が存在する可能性があります。 今回の記事では、”小殿筋”にスポットライトを当てて、機能解剖や歩行時の役割、関節可動域制限との関係性などを考えていきたいと思います! 1.小殿筋の解剖と機能小殿筋の起始は腸骨外側面の前殿筋線の前方で、停止は大転子の前面(Anterior

1st外旋制限のみ? ~CHLは多方向のROM制限に関与する!~

凍結肩は人口の2%~5%が罹患していると報告されており、女性に多い疾患です。凍結肩は50~60歳代に最も多く、ピークは50代半ばです。 凍結肩の最大17%では、5年以内にもう一方の肩にも発症する可能性があります。 凍結肩は自然回復すると考えられていますが、関節包の線維化や変性の程度によって、症状が何年も続くこともあります。Manske RCらの報告では、「痛みと可動域制限からの回復には通常1~3年かかり、最大でも20~50%の患者が持続的な痛みとROM制限に悩まされている」