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出産当日 1 ~出産事故と向き合った10年間の記録~

病院に着いてからの詳細な記憶は定かではないので、公益財団法人日本医療機能評価機構産科医療補償制度 原因分析委員会において認定された原因分析報告書に記載のある事項に沿って書いていこうと思う。
午前3時●分 入院
午前3時●分~午後4時●分 分娩監視装置を装着
午後4時●分 分娩監視装置を外す
午前7時●分 分娩進行が停滞

いざ出産になるのかと思ったら陣痛が強くなったり、弱くなったりを繰り返していた。
すぐにポンと生まれるものではないのは分かっていたが、苦しんでいる妻を目にして何も出来ないもどかしさがあった。
明け方になり看護師から停滞している旨を伝えられた。
朝食と飲み物を買いに行くついでに、タバコを吸いに外にでたことはよく覚えていて、朝の人の流れを見ながら、会社に連絡しなきゃとか、生まれたら妻の実家へはどうやって送って行こうかとか、自分のシャンプーが切れていたから買いに行くのはどうしようか、とか考えていた。

午前7時●分~午前8時●分 分娩監視装置を装着 異常なし
午前9時●分  異常なし 陣痛微弱
午前11時●分 分娩進行が停滞
午後0時●分  経過観察
午後14時●分 経過観察
午後16時●分 分娩進行、分娩室へ移動する

当初午前中には生まれると言われていたのだが、まだ時間がかかると説明があったので、午前中に一度家に帰り仮眠をとった。そして昼過ぎに再び病院に行ったと思う。
夕日の入る病室で横になった妻と2人きりで話をしながら過ごしていたことはよく覚えている。
この時の会話や妊娠中の会話は娘に聞こえていたのだろうか。


ふとそう思う。


#医療事故 #医療訴訟 #医療過誤 #脳死

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