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両雄並び立たずー検察・黒川問題の背景

従来の、検事総長になる検事は、法務省で刑事局刑事課長、刑事局総務課長、官房人事課長、官房長、刑事局長、事務次官を歴任し、東京高検検事長を経ることが多い。その意味では、黒川氏より林氏のほうが、刑事局の要職に人事課長も経験していて、検事総長を見込まれてきた人材と言えるだろう。
ただ、政治から見た場合、黒川氏のほうが、機転が効き打てば響くような人材に見え、使い勝手が良かったのだろう。検察からの見方と政治からの見方が異なり、かつ、黒川氏も官房長や事務次官を、従来の例より長く務めて、政治との関係が密になり検事総長になり得る位置につけてしまった、そこに不幸な背景があったように思う。
法務・検察としても、面倒な政治との付き合いを黒川氏任せにしてきたツケが回ってきた面があり、単に黒川氏を悪者にして終わりにはできないものがある。組織として、政治に付け入る余地を与えない、強固な対応をしてこれなかったことは、深刻に反省すべきだろう。その意味では、黒川氏や政権を批判している法務・検察幹部OBにも一定の責任があると思う。

                              以上

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