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【僕ヤバ感想】karte.95 僕らは反省した

※多分今回で、更新直後に書くことは最後になると思う。純粋に仕事も忙しくなってきたし。と言いつつ次回も書いているかもしれませんが。
 そんな気分で書いている。 

 今回中学生が中学生らしい姿を見せてくれて良かったなと思う。でも一人山田は稚すぎるのかなと思ったのも事実。実はばやしこのほうが、山田を変に持ち上げも持ち下げもしない、本当の友人として山田に接している。ばやしこは今までひやひやする言動を見せてきたけれど(今回もか)ここぞというときに外さないのだろう。
 あれ、山田のほうがそういう友達の良いところわかる描写が多かった気もするのだけど。山田はよく人を見ていたと思うのだけど、最近あまりそういう描写がないかな。

 実はまだお泊りがあったことに引っかかっていて、これを書かないと気がすまない。

「あるはずのない青春がよみがえる」


 僕ヤバを表す言葉で本当にそうだな!と思った言葉の一つがこれ。私が考えた言葉ではない。私はこんな的確な表現はできない。でもこれを見たとき本当にそうだな!と思った。
 確かに自分の中学生の頃、こんな素敵な恋愛してなかった。だけどこの漫画を読むと、自分が中学生だった時の、あの未熟で、でも全力で、もう子どもじゃない、だけど気持ちだけが空回りして、ともがいていた自分を思い出して、あの頃の自分に懐かしく出会えた気分がしていたのだ。
 だから持久走の話や給食の話、卒業式の送辞の話、自分では経験していないことでも、その空気を思い出して感じることができた。やりたくないなと思いながら走ってた持久走や、体育館寒いなと思いながら座っていた卒業式の、自分が経験していた空気を。
 たしかに芸能人をしている同級生はいなかったけれど、でもこれまでの話は、設定の緻密さと相まって、非常にザラリと実際の重みのある空気を感じながら読んでいたのだ。

 しかしお泊まりに付いての話を読んでいた時は「いや、これは中学生ではなしでしょ」ってすごく冷めた目で読んでいた。
 付き合っていない異性の同級生の家に泊まる、って、中学生では本当にありえないと思うし、いくら親同士で話を通していたとしても、親も完全に許せるわけではなく、「今回は仕方ないけれど…」、と諸手を挙げて歓迎するものではない行動だろうな。いや、異性のうちに泊まるって、いくら親がいても、そんな状況「災害で交通機関が完全にストップしてしまって帰宅手段がなくて、歩いたら5時間かかるからやむなく泊めてもらう」とか、そんな非常時ならあるかも、というくらい、ない。

 前にも書いたけれど、中学生でお泊りがある現実はあるかもしれないし、そういう世界線がある創作物があっても全然構わない。
 しかし、僕ヤバの今までの「良識が守られている世界」で、お泊りがあるのをいきなり唐突に感じてしまったのだ。

 親に怒られたであろう(市川が見た場面は怒られたうちに入るのだろうか)山田がむくれるの、まだまだ山田は子どもなんだろうなと思う。
 

 ママは多分、山田が市川関係で隠していることがまだほかにあることを勘でわかっているのかもしれない(雪の日に市川が来訪していたことを知ってたかどうかはともかく)。だからああいう釘の刺し方をしたのか。あるいは山田がお泊りをやらかしたから、広島にもママが急についていくことにしたのか。ベッド一つだし。さり気なくママがお泊りはだめ、と言っているから、超えてはいけない一線をきちんと引いたのだろう。保護者として。

 今回読んで、子どもに理解を示すのと、子どもにビシッと線引するのは両立するのかどうなのかちょっと考え込んでしまった。

 市川は今回友だちと会って話したことで、世界も広がったし、山田との関係も客観的に見ることができて、大きく成長したなと思う。


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