【僕ヤバ感想】Karte.83 僕は準備万端
準備万端なのは卒業式の送辞だけのことなのか。3年になること、クラス替えがあっても揺るがない気持ちの準備も含めてなのか。
おねえとお母さんにとっては、まだまだ「小さくてかわいい京ちゃん」なのかなと思える家庭のシーン。とくにおねえが過保護。京ちゃんは喉が弱いのか?幼児期過ぎてもヴィックスヴェポラップを家庭に常備しているなんて。
送辞を述べることをお母さんやおねえに喋っちゃう京ちゃんは、やっぱり学校を楽しめるようになって話せるようになったのかな。お母さんは嬉しいだろう。このお母さんなら卒業生でもないのに制服を直前にクリーニングに出してくれそうだ。散髪代も快く出してくれる……けれど値段にびっくりするお母さん。私もびっくり。学割がきいてあの値段はなかなかのもの。
今はいいよね。あのネットで予約できるシステム。知り合いの美容師さんも、ネットで予約を受け付けることで「施術中のお客様のそばを離れることなくサービスを提供できるし、スケジュール管理もしやすいんですよ」って語ってた。
おねえはいつ頃オサレ美容院デビューしたんだろうか。高校生くらいかな?
美容師さんとの会話に緊張する気持ち、わかる。きちんと会話しようと努力する市川、えらい。コミュニケーションを拒否してない。
また知り合いの美容師さんから聞いた話だけど、初対面のお客さんは美容師さんも緊張するとか。好みや生活習慣、仕事とか行動範囲がわかると検討がつけやすいので色々話しかけてお客さんが望むものを引き出そうとしているとか。「短くしてください」と言ってもさっぱりした感じ、ふんわりした感じ色々あるし。
あと、美容院に行くときは一番好きな格好(ただし首元を隠さない服)をしていくと、美容師さんはファッション嗜好をそこから判断して作り上げていく参考にする、らしい。
ということで、市川が綿密に望む髪型を考えているのは偉い。「おまかせします」だけだと、お互い多分満足のいかない結果に終わっただろう。
そしてシミュレーションを書き付けた紙は役に立たなかったらしいけど、この美容師さん相当仕事できそう。すごく没頭して市川の髪をカットしているみたい。そして出来上がりに美容師さんもにっこり。
確かに、市川の好みを残しつつすっきりと、おしゃれになってる!
そして美容院の髪型が再現できない気持ちもよく分かる……。やっぱり女子はめざといね。山田はともかく、いつものみんなに髪型に突っ込まれる市川。すごく和気あいあいとしてる。
「美容院」ではなく「サロンに行った」と女子グループに語っちゃう京ちゃん。芹にゃは、なぜ再現できないかを一発で見抜く。足立がワックス持ち歩いているのも密かにチェック入れているのは、多分いろんな髪型に注目しているからだと思う。そして目的のためにはガッツリ足立から取り上げる芹にゃ。女子ズも持ってるだろうけど、香りが可愛かったり、ハードさが違うから足立から借りることにこだわったのかな。
髪質褒めながら市川の髪をいじる芹にゃは完全に市川の髪型と髪質にしか興味がなさそうなんだけど、山田が切ない表情。これ将来市川の美容師は男性じゃなきゃだめとか、私がセットするとか言い出しそうな。でもなんとなく、山田が市川の髪を切るのはやめたほうがいい気がする。
リーゼント!久しぶりに見た。昭和ならともかく、あんまりリーゼントって見ないような。私が個人的にリーゼントが似合うと思うのは、宝塚のお姉さまたち(なんであんなにかっこいいんだろう)。でも芹にゃがリーゼントにするのは、市川を守ろうとしている気持ちがほんのり見えて、優しいなと思う。
いやでも、送辞でリーゼントは先生たちもびっくりしちゃうから。山田が直す?くしゃくしゃにする?のは、私も触りたい!っていう下心が強めな気がする。芹にゃはやれやれという感じ。
そうやってじゃれてる(というしかない)中、いつも元気なばやしこがしんみり。卒業式を迎えるということは自分たちの学年も上がる、そしてクラス替えがある。
ばやしこも、この市川を混ぜたやり取りが楽しくて、その日々を惜しんでいるのだろうか。
みんなもしんみりしているけれど、市川は山田に「大丈夫」と伝える。それはもちろん「先生に話をつけてあるからクラス一緒になるよ」というわけではなく、「たとえクラスが離れても、僕と山田の繋がりは切れない」ということだろう。これは「クラスを離れたらどうしよう」なんて迷いもみせない、最高に強い気持ちと信じてる気持ちだと思う。
今までの山田とのやり取り、そしてナンパイという目に見える「敵」と自分の中の弱い気持ちという目に見えない「敵」両方に、送辞を引き受けるという形で立ち向かって、市川は自分に打ち克とうとしている。
でもそれは、市川も頑張ったけれど、山田が押してくれたものでもあり、更には先生やおねえ、山田の友達がいたからこそで。
学年の終盤になって「髪型に気づかれる」「髪型を話題にされる」「髪に触れられる」形で、目に見えるみんなの優しさに触れたのは市川にとって本当に良かっただろう。「吉田も」という言葉に、友達ができた幸せがにじみ出てる気がする。
そうやって友達がいるから送辞にもはずみが付きそうだった、のに!
美容師さんに緊張する気持ち、髪型再現できない気持ち、そしてここぞという時に大きな忘れ物をする気持ち。
全部分かるわ……がんばれ。
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