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【僕ヤバ感想】Karte.9 僕は匿った

キーワードは「気遣い」(と、私は勝手に思っている)。

今回は山田の親友、小林ちひろ(ばやしこ)に焦点があたった回。山田の友達事情も分かるし、市川くんはばやしこから山田の見えにくい長所を教えてもらえる。

市川は、ばやしこのことを「まるで山田の彼氏のような気遣い」とみて、ばやしこのことを心のなかで「彼氏さん」と呼ぶほどだけど、ばやしこの気遣いも実はわかりにくいのではないか。「重い」なんて言わない、なんてこと、山田とばやしこの普段のやり取りをよく見ていないと気づかないと思う。さらにばやしこと市川の図書室にやり取りを見ていると、(盗み聞きしている)山田が負担に思わないように会話の流れを作って、さらに山田の長所を並べてみせる。本当に彼氏。めちゃくちゃ行動がイケメン彼氏。

しかし山田の気遣いはさらにわかりにくい(比較級)のだ。よく知らない人が山田の行動を見ると何やってんだ、好き勝手にやってるなあと思うであろう行為も、ちゃんと理由があってのこと。自由奔放に見える山田の行動を、ばやしこはさすが市川に彼氏さんと呼ばれるだけあって、真意を見抜いている。

でも、市川の気遣いは最高にわかりにくい(最上級)。友達がいないからさらに。人に伝わることもない。しかも市川のすごいところは、気遣いをわかってほしい、という下心がないことなのだ。なんて人がいいんだろう。


やっぱり市川と山田、この二人は似ている。
しかし、気遣いのあり方って人にわからないようにやるものだから、ばやしこ、山田、市川の行動はすべてあるべき気遣い、でもある。

山田とばやしこは気心がしれている中なので、お互いわかっている気遣いをツンで返せる余裕まである。

市川もばやしこを通じて、何故、山田が図書室でお菓子を食べるようになったのかを知る。ただ単にお菓子を独り占めしたいわけではなかった。これにより、市川にとって山田を見る目がまた少し変わったのだと思う。モデルとしての山田を見たときにも、知らない人に出会ったかのような衝撃を受けた市川だけど、今回は知らなかった内面、そして山田の行動原理をちらりと見た感じ。
そう考えると、ばやしこがキューピッドなのかもしれないね。

このあとどこかで「山田は褒めたら隠れ場所から出てくる」というのが再現されるかもしれない。あるいは褒めたら出てくるはずなのに、市川が褒めてると恥ずかしくなって出てこられなっちゃうとか。どっちもあったらいいな。

それにしても市川くん、敏感に反応しすぎじゃないでしょうか。いろいろと。午後の授業頑張れ。


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