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甲陽学院中受験者の併願校候補一覧【3日目】

関西統一入試日から連続で2日間、甲陽学院中の入試が続きます。その翌日夕方が合格発表となりますが、この日の午前中、または午後に受験できる併願校について、今回はまとめてみたいと思います。日程は2020年度入試に基づいて挙げますので、2021年度以降入試については、最新情報をご確認ください。

0.はじめに

この日は夕方(例年通りであれば16時)に甲陽学院中の合格発表となります。合否結果をふまえ、さらに翌日の4日目以降の受験パターンが決まってくるだけに、この3日目までにできる限り受験機会は増やしておきたいところです。

この日を甲陽学院中と同等の難度の学校をチャレンジで受験していくか、それともおさえ校の受験機会とするかというのは、ご家庭の受験方針による部分が大きいです。甲陽ではないにしても、公立ではなく私学に進学させたい、ということであれば、合格の可能性ができるだけ高い学校を受験していく、という方針を立てていくとよいと思います。また「甲陽でなければ公立中」と考えているご家庭であっても、できる限り受験機会は多く作ってあげてほしいと思います。甲陽学院中がもし残念な結果だった場合に、「他に合格した私立中に本当に行かずに公立中に進学すべきなのか」を考える機会は持ってほしいと考えています。これから先、我が子にどういう人生を歩んでほしいかを親が考える機会にもなりますし、また子どもにとっても、あらためて甲陽学院中以外の学校で本当にダメなのか、ということを考える機会にもなると思います。併願校の考え方については下の別記事にもまとめていますので、よろしければご一読ください。

こうした考え方をもとに、甲陽学院中を受験する受験生が「3日目の」併願校に選んでいる学校を挙げてみたいと思います。

1.清風中学校

最寄り駅は谷町九丁目駅です。甲陽学院中受験生にとって、いわゆる「おさえ校」として併願に組み込む受験生が多いです。男子校で真言宗の仏教校で厳しい学校というイメージはあるのですが、理Ⅲコースについては非常に教育内容が充実していて、説明会で話を聞いた保護者の満足度が非常に高いです。各塾の偏差値表でいうとさほど上位には出てこないのですが、こうした表に騙されず、ぜひ教育内容と大学進学実績をしっかり見て学校を選ぶべき典型的な学校です。

2.洛南高附属中学校

最寄りは京都駅です。駅から徒歩10分ほど、フラットな道を歩きます。第一志望で受験する場合は「専願」、第二志望以下として受験する場合は「併願」での出願となります。同じ入試問題を解き、合格最低点が専願と併願とでは40点ほど異なるとみられています。(男子の場合)甲陽学院中受験生は、洛南高附属中に「併願」で出願し、併願受験生として受験します。この学校は「併願」ではなかなか合格が難しいですが、「専願」であれば甲陽よりもやや入りやすいか、という立ち位置になるため、平均的な甲陽学院中受験生にとっては併願校に組み込む可能性の高い学校です。

甲陽を受験するのであれば、合格が難しい「併願」での合格判定となるのでは、と思われると思います。しかし、甲陽学院中の合否を確認してから、洛南高附属中を「併願」ではなく「専願」に「切り替える」ということができます。これにより、甲陽学院中受験生にとっても合格の可能性を持って受験することが可能になる、というわけです。

この切り替え作業は、「小学校」または「通っている塾」を通じて行いますが、小学校ルートは非現実的であるため、実際には各塾担当者を通じて切り替えがなされる、ということになります。ただしこれは「専願に切り替えた結果、合格した場合は必ず洛南高附属中に入学する」という確約のもとに成り立っているシステムです。塾の信用にも関わりますので、この約束を反故にしないでくださいね、ということを、通っている塾の先生からは釘を刺されると思います。

学校としては、清風中と同じく真言宗の仏教校です。共学校ではありますが、女子は非常に少なく1クラス1けた人数にとどまりますので、「ほぼ男子校」といったところでしょうか。ただ洛南高附属中の女子の難度は関西最難関レベルであるため、中学入学当初の男女の学力差は一定程度ある、ということになります。

3.帝塚山中学校

最寄り駅は近鉄奈良線の学園前駅です。「学園前」とは、帝塚山学園のことですね。文字通り駅を出てすぐ学校という立地です。ここは男女「併学」という形態をとる学校です。「併学」とは、授業は男女で別学、課外活動は男女共学(男女で別開催のものも多くあります)、という形態です。中高の多感な6年間、男子と女子とでは異なるアプローチが必要、という男子校、女子校のいいとこ取りをしながら、男子と女子とで共同で行事を実施する、共学校のいいところも取り入れているところから、甲陽受験生の中にも併願校として組み込むことが多い学校の1つです。

この中学校の受験段階でのメリットは、スーパー理系選抜クラスの合格基準点に達しなかった場合でも、英数クラスの合格基準点を満たしていれば合格が得られる、という点です。3日目のスーパー理系選抜クラスの合格ラインは正直高いのですが、英数クラスであれば、平均的な甲陽学院中受験生なら合格はしっかり得られる立ち位置です。この「回し合格」はメリットの1つということになります。

4.夙川中学校

2019年3月にポートアイランドから会下山に移転、学校法人須磨学園の傘下に入って再スタートした共学校です。最寄り駅は神戸電鉄の湊川駅(神戸市営地下鉄の湊川公園駅)でそこから徒歩12分ですが、阪急、阪神、山陽の新開地駅からでも徒歩18分であり、友達としゃべりながら歩いたらすぐ、という程度の距離です。

阪神間からのアクセスはとてもよく、かつ須磨学園傘下であることから、目下注目度No.1の学校です。神戸から西エリアにおいては、今後受験校選び、併願パターンを組む上で台風の目になってくる可能性があります。甲陽学院中受験生も、一度は見ておくべき学校かもしれません。

現在は4回入試をしており、そのうちこの「3日目午前」と翌日「4日目午後」の受験ができます。特に「4日目午後」の入試は、午前は別の学校を受験してその後で受験できるため、非常に魅力的です。ただ現在の注目度を考えると、早晩入試回数は4回から3回に減らしてくることが強く予想されます。入試日程については最新情報をしっかり確認するようにしてください。

ここからは「午後入試」実施校を挙げます。

5.淳心学院中学校

姫路駅から徒歩15分ほどですが、フラットな道を歩いていくだけなので非常に歩きやすいです。姫路城がすぐ見える立地にある落ち着いた雰囲気の男子校です。かつては医者志望の生徒が多く集う学校でした。キリスト教の学校で非常に穏やかな印象を受ける学校で、神戸から西エリアにありながら、学校改革で生徒の学力向上に非常に力を入れる方針に舵をきって勢いのある学校です。

帝塚山中学校同様、上位クラスの「ヴェリタスコース」から、合格基準点の低い「カリタスコース」への「回し合格」がある学校ですので、特に神戸から西エリアに在住の甲陽学院中受験生にとっては、おさえ校として非常に好適な学校ということになります。おさえ校とは言っても、面倒見ややらせてくれる勉強量は十分なものがありますので、満足度の非常に高い学校です。

6.大阪桐蔭中学校

昨日の「2日目午後」の記事では「その他」の項目に挙げた大阪桐蔭中です。この3日目の「S特別入試」、そして翌日4日目の「L特別入試」にそれぞれ入試日程が設けられています。甲陽学院中受験生の多くは、受験する場合はこの3日目か4日目を併願校に組み込むケースが多いのではないかと思います。

3日目と4日目とで異なるのは「試験科目」です。3日目は「算数・理科」、4日目は「国語・算数」のそれぞれ2科目入試であるため、試験科目に不安を持たずに受験できるというメリットがあります。特に甲陽学院中受験生の中には「国語が苦手」という子も多いのですが、この3日目についてはその国語を気にせず受験できる分、気持ちも少し楽、ということになるかと思います。

「大阪桐蔭」というと高校野球で有名なイメージがあるかと思いますが、中学校から入学する生徒に対しては、勉強面での面倒見に定評のある学校です。予備校要らずと言われるほどに学習内容は充実しており、勉強のことは学校任せにしておいても大丈夫で、親としては助かる、ありがたい、という声も聞かれます。ただ夏休みや冬休みもその分普通の学校と比べると短くなるため、いわゆる「学校生活をエンジョイする」ような中高6年間をイメージすると、現実はやや異なったものとなりますので、まず学校説明会で話を聞いてみられることをおすすめします。

帝塚山中、淳心学院中同様、こちらも上位クラスの「英数選抜コース」から「英数コース」への「回し合格」があるため、平均的な甲陽学院中受験生としては、おさえ校の1つとして受験校に組み込みやすいと言えます。

7.滝川中学校

大阪桐蔭同様、2日目午後の選択肢としては「その他」に入る滝川中ですが、3日目午後となると、選択肢に入れる可能性がより高まります。翌日の六甲学院中のB日程入試の結果(11時発表)を見てから、滝川中の入学手続きをすることが可能です。ただし同じ日の14時までですので、その間の3時間で確実に手続きすることが必要です。

コース生を取る他の学校同様、こちらも上位クラスの「医進グローバルコース」「医進コース」などがあり、「回し合格」もありますので受験しやすいと言えます。

8.3日目午後入試を受ける場合の注意点

3日目の午後入試を受験させる場合、甲陽学院中の合格発表掲示が16時~17時の1時間であるため、受験生は合格発表に立ち会うことができない、ということになります。せっかくの機会だから合格発表を見せてあげたい、というのも1つの考え方です。

半面、甲陽学院中受験生の併願校は選択肢が非常に少なくなるのが特徴です。2日目午後、3日目午前、3日目午後、この3つの機会を活用し、甲陽学院中が残念だった場合に備えるのも、親の役割です。「その時はその時」と言うのは簡単ですが、こういう時ほど、親は受験生である我が子と同じ目線ではなく、1段階も2段階も高い目線で動く必要があります。選択肢はできるだけ多く用意してあげてほしい、というのが私の考える基本スタンスです。

3日目については大きくは以上となります。4日目以降についてはまた記事をあらためて書いてみたいと思います。お読みいただきましてありがとうございました。ご質問やこういうテーマで書いてほしい、というご相談ごとがございましたら、コメントでお知らせください。


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