見出し画像

甲陽学院中受験生の併願校の考え方

甲陽学院中受験生の統一入試日以降の併願パターンの考え方について、その組み方にも触れながら、まとめてみたいと思います。

1.併願校は受けないといけないのか?

甲陽でなければ公立中へ行く。これが甲陽受験者の親に一定数いらっしゃるパターンです。もちろん、その考え方も1つではありますが、タイトルに書いたように、「長い目」「広い目」で見たときに、甲陽ではない併願校に進学するという選択肢もまた、安易に排除しないようにしてあげてほしい、と思っています。

併願として受験する学校を、「第一志望」と思って目指して頑張って準備をしてくる受験生もいます。それだけその学校に「良さ」があるから、ということになります。その「良さ」というものを見つけることなしに、はなから「進学させない」として選択肢から除外してしまうのは、非常にもったいないと思います。実際に行ってみたら、その学校の先生の話を聞いてみたら、知り合いでその学校に行っている子の話を聞いてみたら、ホームページを見てみたら、その学校の印象が変わった。思いのほかよかった、という感触を持つこともまた多くあります。

中学受験はあくまで「通過点」です。我が子が、遠回りをしてでも一途に目指している甲陽学院中への道、その道が仮に閉ざされてしまうことがあったときに、その努力を他の中学校でも花開かせてあげることができると信じて、いまは併願校の研究を進めるべき時期であると思います。

2.塾の「おすすめパターン」そのまま受験しない

塾によっては、甲陽学院中を受験するのであれば、併願校はこことこことここを受けてくださいね、というように、パターンを指定されるところもあります。その中には、六甲学院中のB日程や、白陵中の後期日程、洛星中の後期日程のように、第一志望校は残念ながら涙をのみ、その後の日程にのぞんでいる子がメインで受験をする学校が入っていたりします。塾から指定されたパターン通りに受けようとして、「第一志望に合格した子」も実際に来てしまったりします。塾によっては何校以上合格したら表彰される、盾がもらえる、などと、子どもをゲーム感覚で煽るところもあります。

子どももゲームをクリアしていく感覚で受験に来たりしますが、それは中学受験を通じて子どもに教えたいことと合致するでしょうか?悪い言い方をすれば、塾の合格者数稼ぎ、広告づくりのために、その学校に入りたいと切に願って準備を重ねてきた子の席を奪う(可能性を高める)ことにつながりかねません。入試は勝負の場であり、その勝負に勝てるだけの準備をすればよいのだ、というのはもっともなことですが、そういう勝負の場にのぞんでもなお、競争する受験生お互いへの配慮の気持ちすら持てない子に育てたいのかどうなのか、ということです。

十分に調べた結果として、塾がおすすめしてくれていた併願パターンに落ち着いた、ということもあると思います。大事なことは、塾に言われるがまま受験するのではなく、きちんと我が子に合った学校を調べ、親はどういう教育を中高6年間受けさせたいと思っているのかの確認をし、必要であればその学校や説明会に足を運び、受験校を決めていくのがのぞましい、ということです。その結果どういう学校が選ばれているかについては、また日をあらためて書いてみたいと思います。

3.どういう組み方が「よい」組み方なのか

もちろん組み方は各ご家庭それぞれということにはなりますが、どういう組み方が「よい組み方」かをあえて定義すると、それは「第一志望である甲陽で実力を最大限発揮できるような組み方」ということになると思います。

併願校を厚く固めて、もし甲陽がダメでも進学先がなくなってしまうことはない、ということに安心できる子であれば、そういう組み方がのぞましいですし、最初に挙げた、「甲陽がダメなら公立」というのも、「僕は追い込まれたときの方が、実力を発揮できるんだ」ということが十分自覚できている子であれば、そのような受験もまたアリだと思います。みんなが併願する学校を同じように併願する、という、他の子と違うことはしたくない、みんなと同じであることで安心できるのであれば、そういう受け方もまた1つです。

「よい併願校の組み方」は1つではありません。いかによい併願校の組み方できるかというのは、いかに我が子の性格をとらえるか、にかかっていると言えます。あらためて我が子はどういう性格の子であるのか、塾の担当の先生(=血縁関係のない第三者)の意見も聞きながら、冷静に判断していきましょう。

今回はこれで以上です。記事をお読みいただきましてありがとうございました。何かご質問がございましたらコメントでお知らせください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?