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新たな三人組 ミーターの大冒険 プロローグ Ⅰ (第1話~第5話)


ファウンデーションの夢 目次

第一部 ダニールの地球探索
第二部 ガイア
第三部 ウォンダとガールの地球探索
第四部 嵐の気配
第五部 Tee Tree
第六部 ベイタ・ダレル
第七部 アルカディア・ダレル
第八部 アルカディアの遺言

ミーターの大冒険 
プロローグ
69 第1話 アルカディアの亡骸は?
70 第2話 新たな三人組
71 第3話 ハニスの過去
72 第4話 アルカディアの精神
73 第5話 ハニスの気づき
74 第6話 敵を欺くには味方から
75 第7話 極素輻射体
76 第8話 銀河の希望ポニェッツ号
77 第9話 時期の問題か?所在の問題か?
78 第10話 そして 紫の星雲
79 第11話 陽電子から第零の法則
80 第12話 レアアース
81 第13話 ハニス、イオス星に往く
82 第14話 反ミュール
83 第15話 マイコゲンの秘密
84 第16話 幽玄のなかの先駆者との対話 85 第17話 ハニスの弱点か?
86 第18話 首都移転の策
87 第19話 ルイス・ピレンヌの銅像の下で
88 第20話 感能力に勝るもの
89 第21話 ムン・イ・コンパー
90 第22話 ハニスの運命・ミーターの旅立ち・別働隊

第一部 イルミナ

あらすじ

 アルカディア・ダレルは81歳で亡くなった(ファウンデーション暦443年地球暦25010年。
 14歳から弟のように一緒に過ごしてきた翻訳・通訳ロボットミーターを遺して。
 モーヴ市の南東のラヴェンダー農園のほぼ中央にアルカディアの館があった。
 その悲報を聞いて駆けつけてくれた二人。ジスカルド・ハニスとオリンサス・ドム。足の不自由なオリンサスを背負ってきたのか、 ハニスは館に着くや床に倒れていた。

第1話 アルカディアの亡骸は?

ハニス 一瞬、遅かったみたいだな、ミーター君!すまん。オリンサスさんの足のせいでな。

ミーター ハニスさん!それにオリンサスさんまで!

ハニス ミーター君、これから一人ボッチで辛いなあ!

 アルカディアさんは最後に何かいってたかい?
 
ミーター 沢山言ってました。オリンサスさんの面倒を頼むとか、ハニスさんに頼れとか。後でゆっくりアルカディアから言われたことはお話するつもりです。
 
ハニス ところで彼女の亡骸(なきがら)をどうする?歴代の女系先祖様らが眠るラベンダーのみはらしの丘か?それとも不思議なベリス岬の洞窟のなかかな?

ミーター そのどっちでもありません。初めはアルカディアは、お母様方が眠るラベンダーの丘にと言ってたんですが、何か気がついたらしくイオス星に運んでもらいたいと考えを替えました。もうじきイオス星からドースさんがやって来ます。ポエニッツ仕様のラベンダーのエキスをターミナスからイオスへ運ぶ船に一緒に乗せるよう言われました。

ハニス う~む、イオス星へねえ!
 さもありなん。
 「有限とは、弱さと優しさに包まれた無限」、すなわち「再生」。

ミーター 何ですか、ハニスさん?

ハニス いやね、イオス星の標語だよ!なにせ、データ収集はジャーナリストの本義だからね!ここだけの話、それにイオス星とくりゃ、ロボット。

ミーター ハニスさん。なんでそんなことまでご存知なんですか?僕と同じロボット?!

ハニス まあ、つまりはもうじき「ガールの500年」が近い、ということよ。
 俺は、ミーター君、あの鬼才ジャーナリストのジョウル・ターバーの弟子を自負しているんでねえ。なんちゃって!

ラヴェンダーは当時、ターミナスの主要産物になって、そのエキスは銀河全域に輸入されていた。
朝焼けのラヴェンダー畑。アルカディア農園は、ラヴェンダーの中でも、ポニェッツ仕様で、後に銀河復興に役立つ。



第2話 新たな三人組

 アルカディアの知人のジスカルド・ハニスはアルカディアに感銘を受けていた。
 そこでミーターとオリンサスとの面倒をみると同時に、ミーターから彼女の遺言の全てを聞く。
 ハニスは、ミーターとともに彼女の遺志を継ぐことを決意する。
 それは銀河復興を成し遂げることであり、危険で無謀にみえる挑戦でもあるのだが。

ミーター ハニスさん、フレクスナーの町からここまでだいぶ遠いというのに、よくいらして下さいました。

ハニス なあに、私にとってはアルカディアさんは人生の宝石みたいなものなのだよ、ミーター君。

 彼女は、我が銀河のまさにスター、救世主のような存在で尊敬する人類の導きなのだよ。

 彼女は私に優しく接してくれたばかりでなく、セルダン理論をわかりやすく教えてくれた。銀河の復興のアウトラインでさえ、示してくれた大先生なんだ。

 君を守って行くようにと仰せ付けられている。オリンサスさんも、なにやら彼女と約束した大業があるらしい。帝国辞書編纂図書館の抜本的再構築とか聞いてる。

ミーター ハニスさん、ありがとう。これからお世話になります。でもモーヴでのお仕事はどうされるのですか?

ハニス それは、辞めて来た。もっと大事な役目があるというものだ。そうだろう、ミーター君。それにターミナス、いやファウンデーション自体が今や陰気に満ちて来ている。銀河の終末っていったところだ。

 マンドレス星出身のモーヴの新警察署長、リオノ・コデルが着任して来てからはもっと深刻になってきている。あのインドバー政権よりも危ない。それに私はあの風貌には呆れてる。灰色のモジャモジャな口髭、気取った胸の外ポケットが原色の鳶色ときてりゃ、なおさらだ!

ミーター ハニスさん、どこから始めようとしているのですか。

ハニス ミーター君、心配には及ばない。君のデータバンクの掘り起こしから始めれば
 ミーターはハニスの並々ならぬ経歴に驚く。
 ハニスは首都モーヴからここアルカディア農園が地理的に離れていることに、なんらかの計略がありそうだと勘繰る。

我々はどこから来てどこに行くのか?神秘であり謎である。

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