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歯列矯正を始めた24歳

僕には、(わりと皆に知られている)とある秘密がある。

口に絆創膏を貼って寝ていることだ。

そう、あの絆創膏。
膝を擦りむいた時や、指を誤って切ってしまった時に貼る、あの絆創膏。

それを口に貼って寝ている(ちなみに縦貼り)。
その徹底ぶりは、皆さんの想像を軽く超えているはずだ。

夜の就寝時はもちろん、昼寝や、ちょっとした仮眠でも貼る。友達が家に泊まりに来ようと貼る。僕が泊まりに行く時も貼る。旅行にいっても貼る。海外旅行でも、貼る。

そんな生活をかれこれ5年以上は続けていて、年間絆創膏消費量は、きっと同年代一位に違いない。そんな統計が存在するのならの話だけど。

なぜ僕はこんな奇行を続けているのか。

その理由は単純明快、”口が閉じられない”のだ。

これは最近知ったことなのだけど、僕は骨格上、上顎が少し前に出ているらしい。それにプラスして上の歯が全体的に出っぱっていることにより、意識して口を閉じていないと、勝手にポカンと開いてしまうのだ。

起きている時は問題ない、肝心なのは寝る時だ。どれだけ入眠前に口を堅く閉ざしていても、一度眠りに入ってしまえば、あとはもう口側のやりたい放題。開きまくり。

別に寝る時くらいいいじゃないと思うかもしれないが、実は大問題なのだ。まず、起きたときの喉が砂漠のように乾ききっている。夏場の湿度が高い時期などはあまり問題はないものの、冬場は風邪や感染症の危険性が跳ね上がる。

もう一つが"寝言問題"で、個人的にはこっちの方がより深刻なのだ。
僕はイビキはかかないものの、寝言が尋常ではないようで、唸るとか、意味不明の言葉を発する…程度ならまだいいのだけど、僕の場合、めちゃくちゃハッキリ喋り、そして笑うらしい。エクソシスト。

実は僕自身でさえ、自分の寝言で起きたことがある。

そういう時は大抵、夢の中で半端じゃない程笑いを取っているのだ。ツッコミが冴えまくっていて、もう何を言っても爆発級の笑いが起きている状態。それが続くと、ついに僕は夢の境界を突き破って、眠りながら誰もいない暗闇に向かってツッコむのだ。その声に驚いて、僕は目が覚めてしまう。自分の鳴き声で目覚める犬?

つまり、絆創膏を口に貼って寝るのには、口腔衛生を守るため。
そして、公害レベルの寝言を封じるためである。


さすがに5年も貼っていれば、口を閉じる癖がつきそうなもんだが、骨格上の問題はテープごときじゃどうにもならないようで、結局一向に改善が見られなかった。

悩みに悩んだあげく、僕は矯正治療を始めることとした。

動機はショボいけど、ここから何十年とこんなテープ生活を続けるのは嫌だ。数年の我慢で今後何十年と快適な生活が保障されるのなら、安いものだ。

我ながら歯並びは綺麗な方ではあるので、とにかく口元を引き下げることを目的とした治療となった。この記事を書いている現在、上の歯だけにワイヤーがついている。来週下の歯にワイヤーをつける予定。

食事をする度にありえないくらいワイヤーの間に食べ物が挟まるし、今はないけど、口内炎もできまくるらしい。キチィ。学生の頃クラスにいた矯正をしていた子たちは、みんなこんな苦労をしていたのかと、今更ながら尊敬する。

まだまだ矯正治療は始まったばかりで、今後、段階を踏みながら下の歯にもワイヤーが装着され、歯を四本抜かれ、上あごに釘を2本打たれることになっている(拷問ではありません)。がんばれ、自分!

安らかな睡眠を求めて…。

おわり

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