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勾留体験記

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勾留による20日間の体験談を日別で書きました。セミフィクションです。
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勾留体験記 釈放 20日目後半

釈放 その瞬間、留置場管理官である警察官の態度と対応が一変したように感じた。私への接し方が被疑者から一般人への対応になった。こちらに投げかける表情がまるで違う。先ほど署名押印した紙っぺらを手に持ち無手錠でワゴン車に乗せてもらう。

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勾留体験記 釈放 20日目前半

釈放 勾留の最長期間である20日満期で今日は釈放の日。のハズなのだが朝からその気配が少ないように感じて不安感が一向に拭えずである。というのも隣の若者が出ていく時は当日の二日前ほどから差し入れ本の整理をしていたため見れる本の制限がすでにされていたりなど、私とは流れが明らかに違うのだ。これは次の行き先が拘置所か釈放かの違いだと、中にいながらその理解をすることは出来なかった。

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勾留体験記 罰金刑 19日目 

□前科とは 前科とは、確定判決で刑の言い渡しを受けたことをいいます。懲役刑や禁錮計だけではなく、罰金刑なども含まれます。また、執行猶予付きの判決も前科に含まれます。前科をもつことのデメリットは資格の取得に制限がかけられることや、一定の職に就けなくなる場合があります。前科がバレると今の勤め先をクビになるかどうかは民間の場合は企業の規約に沿いますが、公務員は懲戒解雇となるのが一般的です。

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勾留体験記 勾留の先 18日目

□略式起訴の割合 令和2年度の略式命令請求率は21.5%でした。検察官受理事件の約5分の1が略式命令による処分で、罰金または科料となっています。刑事事件の中には、不起訴処分とならなかったとしても「略式手続」という正式な裁判を実施することなく過去の判定をもとに罰金を納付して釈放という簡易な処分があります。 ちなみに起訴される確率は全体のおよそ3分の1です。

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勾留体験記 拘置所 17日目

□拘置所とは 被疑者として逮捕されて最初に収容されることになる留置場は警察の管轄ですが、その後送致される可能性のある拘置所は法務省の管轄です。留置場が全国に1300か所あるのに対して拘置所の数は8か所しかありません。拘置所は刑事裁判が確定していない未決拘禁者や、すでに死刑の言い渡しを受けてその執行を待つ死刑囚も収容されています。留置場の室内では自由に寝転がるなど体勢についての規制はありませんが、拘置所では日中の本を読む時に寝転んでいるなどは許されません。

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勾留体験記 土曜 16日目

□留置場の土曜日 検察庁や裁判所は土日祝が表向きの休みですので留置場が忙しく動くのは主に平日となります。中でも金曜日が特に忙しく、様々な仕事が週を跨がないよう警察関係者の緊張感が一番高いようにみえます。予定が詰まってしまうと上から理不尽な指示がくることもあるようで、イレギュラーが多い金曜日は留置官の不平不満も多く聞くことができます。対して、土曜日はとても暇でなにかしらの刺激に飢えている被疑者にとっては苦しい日となります。

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勾留体験記 検察庁 15日目

□検察庁の役割 検察は、国家社会の治安維持に任ずることを目的とし、検察権の行使に当たって、常に不偏不党・厳正公平を旨とし、また、事件処理の過程において人権を尊重すべきことを基本としています。検察庁では検察官・検察事務官などが執務しており、検察官は、刑事事件について捜査及び起訴・不起訴の処分を行い、裁判所に法の正当な適用を請求し、裁判の執行を指揮監督するなどの権限を持っているほか、公益の代表者として民法など各種の法律により数多くの権限が与えられています。 出典:検察庁HPより

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勾留体験記 暇 14日目

□留置場での洗濯は 留置場により細かなルールの違いはありますが風呂のタイミングで衣服の着替えと洗濯が実施されるケースが多いようです。勾留されている被疑者は囚人ではないので洗濯などをする必要はありません。被疑者たちが健康を害することなく快適に使用できるようお風呂を洗う仕事も留置場管理官である警察官の立派な仕事です。

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勾留体験記 運動 13日目

□留置場内での運動とは 全国に1300ほどある留置場のほとんどで平日の朝に運動の時間が設けられています。運動と聞くと広場や運動場などでキャッチボールをしたりラジオ体操をするイメージがあると思いますが、そのようなことは一切できません。天井だけは空が見えるように開けていますが四方はほぼ壁で外界を見ることはできません。できることは備えられているシェーバーや爪切りを使用したり、この時は警官も雑談に付き合ってくれる人が多いです。

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勾留体験記 略式起訴 12日目

□略式起訴とは 略式起訴とは、通常の起訴より簡易な手続きで処分を進めることです。これによるメリットは刑事事件の終結を早めることであり、裁判を省略し罰金を支払うことで釈放されることになります。対象となるのは罰金が100万以下の比較的軽微な刑罰で判断は検察官が行います。デメリットは裁判により主張を申し立て罪を軽くする可能性が無くなることですが、自身の犯した罪を認めている勾留中の被疑者にとっては目指したいゴールとなります。

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勾留体験記 余罪 11日目

□余罪取調について 余罪とは、警察や検察が捜査をしている犯罪に対して、同一の被疑者が犯したと疑われる別の犯罪のことを指します。起訴後であっても余罪について適切な方法をとった上で取調を行うことが可能であるとされています。しかし起訴後の余罪追及に関しては十分な防御活動を行う必要があります。防御活動を妨げる余罪取調は許されません。この際はすぐに弁護士と相談をする必要があります。

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勾留体験記 留置場管理課 10日目

□留置場管理課の仕事 留置場管理課の仕事は、被疑者を監視しつつ健康を保つことと検察庁や裁判所への護送、となっています。留置された被疑者のなかには逃げようとしたり自死しようとする人もいるので、常に監視と規定に沿った定期点検を随時実施する必要があります。留置場内のタイムスケジュールは署長直属の管理下にあり、刑事課も留置場の決まりには署長の許可がない限り異論を申し立てることはできません。

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勾留体験記 何も無い日 9日目

□勾留中に注意されていること 検察庁や裁判所は原則平日のみの稼働です。よって土日祝日は留置場から外に出ることはほとんどありません。被疑者は非常に時間を持て余すことになりますので、普段から素行のおかしい人に対しては特に目を見張る時間を増やす必要があります。理由は自死をしようとする被疑者がいるからです。実際に自死をしようとする人は、長く留置場内を担当している警官でも想像のつかない方法を取るとのことです。

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勾留体験記 起訴 8日目

□起訴とは何か 起訴とは、裁判の開廷を提起することを指します。逆にしないことを不起訴と言い、不起訴となった被疑者は逮捕歴はつきますが前科持ちとはなりません。検察官によって起訴された事件は裁判が開廷されることになり、その多くが有罪となります。ちなみに起訴をされた時点で被疑者は被告人と呼び名が変わります。

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