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10ヒューリスティックスを使ったヒューリスティック評価をやってみる

ヒューリスティック評価の位置感

ユーザビリティ(インターフェースとしての使いやすさ)の評価方法は、大きく分けて2つあります。

エキスパートレビュー:ユーザビリティの専門家が行う
ユーザビリティテスト:実際のユーザにシステムを試用させて、タスク実行の様子を観察する

前者はコスト面(内製の場合のみ)、後者は結果の妥当性に優位性があります。デザインの初期段階でエキスパートレビューを行って基本的な問題点を修正してから、後半でユーザ参加のユーザビリティテストを行うのが効果的とされます。

エキスパートレビューの代表的な方法は以下の2つです。

ヒューリスティック評価:ガイドラインに沿って、インターフェース上の問題点を探す
認知的ウォークスルー:人間の認知モデルに沿って、ユーザーの思考や行動を推測して問題点を探す

ヒューリスティック評価の概要

・3〜5名の専門家を評価者とする
・同じ評価対象、評価範囲、ガイドラインを利用する
・評価者は個別で評価を実施する
・1ページあたり1時間が目安
・最終的に、評価者全員分の結果をとりまとめる

主に用いられるガイドライン
・10ヒューリスティックス
・8つの黄金律
・ISO 9241-110:2006 対話の原則

10ヒューリスティックス

1. システムの状態がわかるようにする(Visibility of system status)
システムの状態を絶えず適切にユーザにフィードバックする。

2. 実際の利用環境に適合したシステムを作る(Match between system and the real world)
専門用語や社内用語でなく、ユーザが本当に使っていることばを使う。

3. ユーザーに操作の主導権と自由度を与える(User control and freedom)
ユーザがいつでも状況から抜け出せる出口を提供する。操作のキャンセル、やり直しができるようにしておく。

4. 一貫性を保ち標準に倣う(Consistency and standards)
同じことを表すのに異なる用語を使わない。同じように操作すれば同じ結果が得られることを保証する。

5. エラーを防止する(Error prevention)
エラー後の対応策の充実よりも、エラーの発生そのものを防止する。

6. 記憶しなくても、見ればわかるようにデザインする(Recognition rather than recall)
ユーザに記憶を強要しない。選択肢を提示する。

7. 柔軟性と効率性を持たせる(Flexibility and efficiency of use)
上級ユーザ向けにショートカット機能やカスタマイズ機能を提供する。

8. 最小限で、美しいデザインにする(Aesthetic and minimalist design)
インターフェースに無駄な要素を詰め込まない。必要最小限に整える。

9. ユーザによるエラー認識、診断、回復をサポートする(Help users recognize, diagnose, and recover from errors)
エラー時、ユーザがエラーメッセージを頼りに問題を解決できるようにする。

10. ヘルプや説明文書を用意する(Help and documentation)
マニュアルなしで使えるようデザインした上で、補助のためのコンテンツを用意する。

やってみる

評価対象
自社のサービスLP

評価結果(一部)

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感想
10ヒューリスティックスは字面だけだとわりとウン?というかんじがするけれど、この本では例までしっかり紹介されていたので、参考になりました。

評価対象を見ながら、10項目のヒューリスティックスをあてていくというのはけっこうごつい作業でした。評価者の脳の容量がもたなくないですかね。

今回、評価対象をLPにしてしまったのはちょっと失敗だったと思います。これらのヒューリスティックスはアプリに対する評価ならもっとあたるだろうな〜と思います。フィードバックとかエラー周りとか。今回の評価結果ではほとんど一貫性の話ばかりになってしまいました。LPだとどうしても、テキストとか構成の販促としての有効性みたいなところに目が行ってしまいました。

正規のヒューリスティック評価を実施できるようにするというのはなかなか難しいかもしれませんが、簡易的なデザイン批評にはビシバシ使っていける考え方、物差しのひとつだと思いました。

参考資料

安藤昌也. UXデザインの教科書. 丸善出版, 2016年
樽本徹也. ユーザビリティエンジニアリング(第2版)ーユーザエクスペリエンスのための調査、設計、評価手法ー. オーム社, 2014年
"Jacob Nielsen の「ユーザビリティに関する10のヒューリスティクス (問題解決に役立つ知見) / Ten Usability Heuristics」". https://website-usability.info/2009/09/entry_090908.html 

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