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国際協力業界で働くために必要な語学力と勉強法-仏語編-

皆さん、こんにちは。国際協力業界で働くには、JICA、大使館、国連機関、NGO等々様々な立場がありますが、いずれの立場でも語学力は必須となっています。特に英語圏以外で働く時、また国連機関等英語以外の第2外国語がアセットになる場合も多いです。では、具体的にどのレベルの語学力が必要で、そのレベルに達するためにはどのように勉強すれば良いのでしょうか?仏語圏アフリカ4年目の私が個人的な経験に基づいてお答えします!

前提:立場によって必要なレベル・語学は異なる

国際協力への携わり方は様々あり、必要な語学の種類やレベルは異なります。主要なアクターとして、援助実施機関であるJICA、JICAの事業等を実施する民間企業、JICAと外務省を繋ぐ大使館、様々なドナーから資金を受けて事業を実施する国連機関があります。必要な語学レベルは、現場への近さや責任の重さと比例します。感覚的に主要なアクターの語学レベルは、以下のとおりです。

語学必要度低い:JICA本部、外務本省→JICA協力隊・民間企業→JICA在外事務所、大使館、NGO→国連機関職員:語学必要度高い

また、担当する地域により、必要になる語学の種類(何語が必要なのか)も異なってきます。国際協力の現場は、大きく分けると以下のとおりで、最も大きいのは英語圏だと思います。

大きい:英語圏→スペイン語圏→フランス語圏→アラビア語圏→その他(特にアジアの言語):小さい

どの程度の語学力が必要なのか?

上で説明したように、現場に近い・責任が重い程、語学力が求められます。主に日本で勤務するJICA本部や外務本省では、日本語・英語の2か国で仕事をしている印象です。現場に近い協力隊や民間企業は、英語及びその他言語のコミュニケーション能力が求められますが、実際には日本語と英語、もしくは専門性の高い職種の民間企業の方は、通訳を雇う等して語学不足を補っています。JICAの在外事務所や大使館、NGO、国際機関職員は、その国の公用語、もしくは仕事上使用されている言語をビジネスレベルで操る必要があります。

よって、上記の職を得ている人は、日本語を含め、2-3言語がビジネスレベル以上で使える印象です。
①日本語(母語、JICAや大使館では報告業務が多いため、実は日本語の能力が重要となる。上司に直されることもしばしば…)
②英語(第1外国語:英語圏やマイナーな言語を話す国では英語が仕事で使用する言語となる。ビジネスレベル必須)
③スペイン語/仏語/アラビア語(第3外国語:自分が専門とする地域により異なる。ビジネスレベルが望ましい)

私はIELTS8.0とフランス語DALF C2を持っています。第2外国語を学んだことがある方は馴染みがあるかもしれませんが、語学のレベルをA1→A2→B1→B2→C1→C2に分けるとしましょう。A1が初級、C2が上級です。この場合、書面上での私の英語力はC1レベル(大学レベル)、フランス語力はC2(大学院レベル)です。一方、私は英語圏で大学院を出ており、実際の運用レベルと書面上でのレベルは英語とフランス語が逆な気がします。

具体的な例を挙げて説明すると、大使館には草の根委嘱員という現地NGOが実施する事業の管理をするポストがあります。有期契約で2-3年が主流です。アフリカの仏語圏で、草の根委嘱員として勤務する場合には、B2以上のレベルが必要かと思います。業務上でNGOや施工業者とフランス語でやり取りする必要があるからです。一方、大使館の専門調査員というこちらも有期のポストの場合、多くは現地政府の高官とやり取りしたり、国連機関が主催する会合に出席し、メモ取りをしたりする必要があるため、もう少し上のC1レベルのフランス語力が必要かと思います。

B2~C1レベルに達するための勉強法

英語で手一杯で第2外国語まで勉強する余裕ないよ!と思っている方に朗報です。私は英語ができれば、スペイン語・フランス語のB2レベルに達するのはかなり簡単なのではないかと思っています。英語の単語の中にはフランス語由来のものが多く、特に日常生活でよく使用されない単語の多くは、英語をフランス語風に読むと伝わる場合が多いです。スペイン語も同じような感覚です。よって、まずは英語をよりマスターすることで、スペイン語とフランス語の学習も楽になります。

B2のレベルに達したら、ひたすらアウトプットの機会を増やしましょう!現地にいる場合は、友達や家庭教師、同僚を活用し、学習言語で話すようにしましょう。日本にいる場合は、言語交換等の機会を存分に活用してください。話が分からないと、気まずい・つまらない時間が続くこともありますが、ある程度の我慢期間は必要だと思います。

C1以上のレベルの試験に合格したければ、試験対策をしっかり行ってください!試験対策用の本を取り寄せ、ひたすら解く・音声を聞くのが一番の近道です。

私は現地の語学学校約6か月、家庭教師約6か月、友達と話す約1年半、オンラインフランス語約6カ月、その他ラジオや試験対策等で、フランス語C2の資格を獲得しました!オンラインフランス語で利用したのは、アンサンブル・オン・フランセというサービスです。

皆さんの国際協力のキャリア・語学学習の参考になれば幸いです。参考になった場合は、スキとコメントいただけるとモチベーション上がります!


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