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『一念关山』 中国ドラマ 鑑賞記録

主役が 刘宇宁で、好きなジャンルの武侠ドラマ、というのが鑑賞動機。思ったよりコメディー寄りで構成もシンプル。サクサクと視聴できました。ですが、個人的には引っ掛かるところも多かったので、手放しで面白かった!とはならず…

そのあたりを中心に書いていく予定なので、本ドラマが大好き!という方は読まずに引き返していただいた方がよいかもしれません(笑)

ストーリー上のネタバレありです。
ご注意の上、お付き合いくだされば嬉しいです。



一念关山(一念関山)
英題 A Journey To Love
配信 2023年11月28日 爱奇艺
全40話

トップ画像 一念关山 公式微博


中盤まではシンプル、展開ユルめなコメディータッチ

安国梧国。二つの国の皇帝である安帝と梧帝。身辺警護や諜報活動を行う組織はそれぞれ 朱衣卫六道堂と呼ばれ、その長である 任辛と 宁远舟が主人公。任辛は今は 任如意として生きている。

任辛/任如意を演じるのは 刘诗诗、宁远舟を 刘宇宁

大敗し安国に捕えられてしまった梧帝を 宁远舟らが救出に行く、というのがメインのストーリー展開。向かうのは 宁远舟以下トップ画像の5人で、彼らが本作の癒し担当。そして 梧帝の妹である 杨盈は男装し礼王として加わり、任如意も安帝への復習目的で仲間になる。

中盤までは安国へ進む彼らの道中を中心にコントやラブ、アクション交えつつなかなか軽快な進展だ。敵味方がハッキリしていて登場人物も多くないのでストーリーを把握しやすい。



オリジナル脚本

途中まで本国ではかなり人気が高かったが、最終話終了後にラストの脚本が災いしズルズルと評価が下がった。対して日本ではあまり影響はなかった印象で、あら?このパターン最近のあれと同じ! そう、『云之羽』とよく似た流れだ。

実は個人的には最初から、脚本の足元の危うさを感じていた。確かに面白くはあるのだが、人物の心情と動きとが乖離していて、イベント(盛り上がるシーンや笑わせるシーン)重視で繋げている印象が拭えず。

終盤は中盤までのユルい展開とは打って変わって、ナレーションでバサバサと片付けていく脚本の雑さ、粗さが非常に気になった。

原作小説がある場合は基本的にはそのラインを崩すことはないのだろうが、オリジナル脚本は映像化することを前提に書くわけだから、視聴者への見栄えを前提に考えるはず。そのために視覚的な流れだけが上滑りしてしまう、という現象が起こるのかもしれないと想像する。

で、そのラストはどんなものだったのかといえば、単刀直入に書くわけにはいかないが、思わず「そ、そんなぁ!!(泣)」と叫んでしまうような悲惨さ。
中盤までずっとワチャワチャ楽しく引っ張ってきたのに、最後それ?!
と本国では詐欺とまで言われる始末であった。(豆瓣ポイントもジリジリ下落中)

更に最後に後日談があるのだがその設定が謎で(笑)
作中好きなキャラの一人だった 陈昊宇 演じる 初月が、夢とも現ともつなない情景を見ている、まるでファンタジーなシーン。
詳しくは書かないがこれも、悲惨過ぎるラストを幾分かでもマイルドにして終わらせたいという意図(視聴者への一種の媚び)を感じる部分だった。
後日談ではなく、潔く "番外編" にしておいた方がよかったのではと個人的には思う。



お気に入りキャラ

思いのほか辛口になっているが、完走できているので、面白く観たのは確か。ただどうも脚本に踊らされるのが好みではなくて(笑) 
ここで "きゃーっ" てなるでしょ? こういうのにあなたたち萌えるでしょ? という制作側の意図が透けて見えてしまうとスッと物語に浸れないという性分ゆえ、お赦しあれ。

そんな中わたしの視聴を引っ張ってくれたのがこの二人!
方逸伦 演じる于十三と、何蓝逗 演じる杨盈だ。


于十三 白いヒラヒラ衣装がよく似合ってた! 方逸伦 公式微博


于十三はキャラがすごく魅力的で、女好きで日頃はチャラいがイザというときにはきっちり締めるカッコよさ。方逸伦のはまり役といっていいかもしれない。ヴィジュアルもいいし、今回の役柄で好感度アップ


杨盈 と 任如意 一念关山 公式微博


何蓝逗 は本作が初めてだったのだが、なんとお芝居の上手いことか!! 彼女が出てくると画面が磁石のように引力を発するようだった
泣いても笑っても子供っぽくても成長しても、何をやっても物語にリアリティーが生じ、引き付けられた。
今後、他の作品も是非観たいと思っている。(推しの王一博と同じ事務所というのも高ポイント。YHいい人材確保したねー!!)

捕らえられた梧帝は当初、残念なキャラだったが 宁远舟にドヤされて一念発起。救出されて立派な皇帝になった途端にあっけなくあの世へ(脚本っっ!!w)という役を 张天阳が相変わらずの絶妙な演技でみせてくれたのも流石だった。

主演二人に関しては、うーん。語るのはやめておきましょう(笑) "姿勢" が対照的だった、とだけ(笑)
刘宇宁は正統派な主役よりも、陰があったりちょっとヒネてたりする二番手が好みかな。


その他、音楽、特にチェロやヴァイオリンの弦を多用した楽曲での盛り上げと、黄霄雲 が歌う『怕梦』という曲の、特にサビ部分のわずかな音の揺れがとても素敵だった!




何度もくどいですがw 普通に楽しく観られるドラマだったことは確かです。

ただ、連続でオリジナル脚本の古装ドラマにやられたので、次は原作をよくチェックしてから鑑賞しようと思ってます(笑)

よく考えれば、大絶賛できるドラマも、これはひどい!っていうドラマも、どちらも数はそんなに多くなくて他は大体、まぁまぁ面白かったよ!という程度なのかもしれないですね。わたしには本作はそれにあたります。

今日もお読み頂きありがとうございました!

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