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小宇 応援報告 14 ◆『冰雨火』中国ドラマレビュー

日本上陸前のドラマ『冰雨火』について、これでもかとマニアックに綴っているだけのnote。こんな拙い文章を読んでくださっている方がいるということに驚きと感謝の気持ちでいっぱいです!
いつもありがとうございます!

平行して視聴している他の中国ドラマや、過去の視聴作品についても書きたいのですが、まずはこのシリーズ(勝手にシリーズ扱いw)を書き終えないと自分の気持ちが落ち着かないので、ここは一気に押し進めたいと思います。
あともう少し、お付き合いいただければ幸いです。

ネタバレありです。もう大詰めなので特にこのあたりからは真っさらで観た方が楽しめると思います。未視聴の方は引き返していただいた方がいいです! すみません。


于大夫の告白(ep30)

于大夫。本名 于淼。"昼は天使、夜は悪魔" の異名をとる於医師、またの名を Dr.Uと勝手に名付けて個人的に注目している悪役の一人。この人物はある意味特殊だ。なぜなら完全な黒の顔だけでなく、表の顔ではリハビリセンターで麻薬中毒患者のケアをしたり、依存に苦しむ万萌萌や东哥を助けたり(といっていいのかな?)しているから。
悪魔の方は麻薬密造の根幹部分、原料の配合を調整して製造の処方開発を受け持っているのだ。

kが壊滅した今、勐佧には大黄胶囊を緊急に製造する必要性が出てきた。そこでkの一味だった于淼を取り込んで彼に処方させようとしているのだ。そのリクルートに向かった小宇。信用させる道具は于淼が忠誠を誓っている东哥の腕時計。
小宇は彼を万萌萌殺害疑惑の件で脅しつつ取り込んでいく。その過程で語られるのが、于大夫の過去だ。


冰雨火 公式微博


东哥と彼は、东哥が父を亡くし薬に溺れている時に医師として知り合った。勐佧に父親を殺された东哥は復讐を誓うと同時に麻薬を絶つ。その意思の強さに心打たれた于淼は彼の仕事を請け負うようになる。

更に回想はさかのぼる。
大学時代に付き合っていた彼女の家は裕福な家庭で、遊びに行くと両親かkらお金のことばかり訊ねられる。田舎の出身で元々経済的な基盤のなかった彼は、金銭的な理由で彼女と別れねばならなかったようだ。
それ以来お金にコンプレックスを持っていたらしい彼は、东哥との仕事で得た大金に目がくらんでしまう。


冰雨火 公式微博


于淼は真面目な人間ではないかとわたしは思う。そして薬オタク。麻薬製造という悪の手先になって、そのオタク心と金銭的コンプレックスが同時に満たされた上、自分の特技を生かした仕事で大金を稼げるようになった自信から善悪の見境を失ってしまったのだろう。
そして、その機会を与えてくれたのは东哥だ。
彼のためなら勐佧へ向かう決心をしたとしても不思議はない。悪行が警察の知るところとなった今、最早どの道 云河で生きていくことはできないのだ。

トラックの荷台に乗り麻薬の原料と共に勐佧へ向かう彼に、医師としての尊厳はもうない。

この特殊な悪役がお気に入りなもう一つの理由は、実は王一博と気が合っていそうなこと(笑)
舞台裏映像ではモルモットを一緒にあやしたりw 聴診器を胸に当てて心臓の音を聞いてみたりして遊んでいる様子が微笑ましく、何となく彼に気を許している雰囲気が見て取れた。
勐佧へのトラックの荷台から降りる時には、何かに引っかかってズボンが破れてしまい(下着が見えて)王一博が大笑いしているBTSなどもあったなー(笑)

因みに俳優の赵煊さんは、このドラマの若手俳優集団よりもまぁまぁ年上なのだが、一緒にスケボーで仲良く遊んでいたようだ。
そんなところにも好感が持てる。


檻の中の二人(ep31)

ここでもう一つ大好きなシーンを加えておこうと思う。
勐佧に着いた小宇が峰哥と檻で合流する場面だ。


冰雨火 公式微博


二人とも相手が命懸けでここにやってきていることを承知している。目と目でお互いの心を理解し合う様子が感動的だ。ポーカーフェイスの小宇の表情は変わらないが、峰哥の見せる柔らかい笑顔に心打たれる。弟分が捨て身で来てくれて嬉しくもあり心配でもあり、といった感じ。


会話(要約)

小宇:
万一の時は必ずここから生きて帰れ。俺はそのために来たんだ
いいか?

峰哥:
子供の時から俺がお前を守ってきたんじゃないか

小宇:
今は状況が違うんだ。俺は警察官なんだぞ

峰哥:
俺だってそのために来たんだ。それに俺には残してきた人がいない
楊玲はいい子じゃないか
俺はもう3年こんな生活で慣れてしまった
もしもの時はいい酒を供えてくれよ
本当に酒を持って会いに来てくれよ

小宇:
まだどっちがどうなるかわからないだろ?
俺には生花を供えてくれよ
リースは紙でできてて安っぽいからだめだ

峰哥:
生花は高いからな

小宇:
俺には生花はもったいないっていうのか?   
…… そういえば来る前にお前のおやじの墓前に煙草を供えてきたよ   あれは本当に変な匂いだな

峰哥:
…… ありがとう


この最後の囁くような、優しい「謝謝」。
もしかしたら生きて帰れないかもしれないと覚悟している二人。
自分を犠牲にしてでも相手を守りたいという二つの崇高な魂…

小宇が照れ隠しに言う煙草の匂いが変だとか、生花がどうこうとか…
月明かりに照らされた夜のここでの会話は、幼馴染らしい気心の知れた軽口の裏に、壮絶な決意の中でお互いを思いやる温かい気持ちが見え隠れしていて、本当に切ないのだ(涙)


 冰雨火 公式微博

しかもこのシーンは、この後の大事な伏線にもなっていて……



この後は緊迫のシーン(本当に!)の連続なので、今回はここまでにしておきます。
書きたい場面がいくつも思い浮かびます!
よかったらまた遊びにきてくださいね。


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