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『大唐流流』 中国ドラマ 鑑賞記録

大唐流流 ~宮廷を支えた若き女官~
原題 骊歌行
配信 2021年4月15日 腾讯视频、爱奇艺
全 55話

トップ画像 骊歌行 公式微博


『延禧攻略』以来お久し振りの许凯くん。やはりこの方の立ち姿はほれぼれします。武者人形のよう!
李一桐の演技は初めてなので楽しみ!
そして檀健次は最大のモチベーション!
完全に見た目から入ったドラマ、さてさてどんな物語が待ち受けていたのでしょうか。
早速始めたいと思います。




ちょっと画像が小さいですが主要キャストはこの方々 骊歌行 公式微博


時は唐代
広州で刺繍を商う大店の娘 傅柔
長安の将軍 盛骁靖の長男 盛楚慕
この二人が恋に落ちてすったもんだの末結ばれる話。
傅柔は刺繍が上手くて沈着冷静、頭脳明晰、性格がよくて素直。豊富な知識と的確な判断力で宮中に入り、皇后から尚礼局の尚宫として重用されるまでに上り詰める。
一方の盛楚慕はドラ息子。弟二人とヤンチャし放題だったが傅柔に出会い心機一転。文武両道に精進する。


主役は傅柔ひとり、気づけば邦題もそうなっていた!

この二人、すんなりいきそうだったが、何かといっては喧嘩ばかり。というより盛楚慕が嫉妬深くて一人で拗ねたり、むくれたり。途中からは自ら希望した辺境警備の任務に就き不在となる
メインカップルはもちろん彼ら二人なのだが、後半 盛楚慕はいないので存在感が薄い、というか、ない(笑)

その間 傅柔は着々と宮中の危機を救って功績を上げていく
デキる上に美人なので、非常にモテる。中でも皇帝の第三皇子 周王からは熱烈な想いを寄せられる。この周王を演じるのが檀健次だ。

周王ら王子たちの後継争いから引き起こされるイザコザも、このドラマの主要ラインだ。
太子と第二皇子の韩王は同腹、皇后の子。周王は側室の子。
賢く欲のない周王は跡目争いに加わらないが母は別。将来皇帝の母となるべく画策を企てるのだ。
韩王も兄に忠実なのだが、問題は太子。

持って生まれた優位な生い立ちに感謝し精進することなく、ことあるごとに卑屈になり、なぜか横道に反れていく。前半では陈吉という芸人に入れあげ、彼が亡くなってしまうと今度は陈吉と瓜二つの覆水という得体のしれない人物を信用して側に置いた結果、いいように操られてしまう。この覆水、唐朝に恨みを持っており、復讐のために太子に取り入ってきたのだ。
俳優はどちらも王一哲が演じている。


太子と皇太子妃 骊歌行 公式微博


納得いかない面々

まず "納得いかない" 第一弾がこの太子。やることなすこと中途半端。失敗し父王に叱られ牢に入れられて一時は反省するのだが、結局同じことを繰り返してしまう情けない長男。
両親は彼に唐を託して大丈夫だろうかと心配するものの、やはり嫡子を後継にするのが穏やかであろうと、必死に盛り立てる。が、本人が既に大人なので、そうそう思うように成長しない。

演じるのは李泽锋。この俳優さんはこういう、イライラする男の役が多い気がして気の毒だ。だが思わず、しっかりしようよ!と背中をパンチしたくなってしまうのは、演技が上手いということなのだろうなー。

納得いかないナンバー2は、この太子を悪の道に引きずり込む覆水。いやこの人が、ではなく一介の平民である彼が皇太子の側で采配を振るったり、挙句の果て終盤では医者に成りすまして皇帝の治療にまであたるという、脚本の無理が納得いかないのだ。周りがこの医者が太子の側で糸を引いていた覆水だと気づかない設定は、いくら何でもおかしくない?(笑)

その3,配役の見た目年齢も、個人的に納得いかない。太っちょ韩王は太子の弟に見えないし、韩王妃は韩王よりもかなーり姉さん女房に見える。見た目年齢が合わないので兄弟、人物関係が理解しにくくて、慣れるまで混乱してしまった。



檀健次 演じる周王 いいねぇ!
骊歌行 公式微博


主役そっちのけで応援したい人々

個人的に、张楠 演じる傅音と何奉天 演じる陆琪の愛憎劇には、ドラマらしい味わいがあった。
傅音は傅柔の腹違いの妹で、生母の敵討ちのため陆家に上がる。陆琪は盛楚慕の盛家と敵対関係にある陆家の長男。
元々相容れない関係の二人だったが、内情を知らない陆琪は傅音を見初める。側仕えするうち傅音の方も彼を憎からず思うようになり、子を設けるのだ。
だが、絶えず自己の矛盾と葛藤に苦しむ傅音。陆琪も事情を知ることになるのだが、最初からずっと愛する人に騙されていたのだと愛憎相半ばし、苦悩する
運命に翻弄される彼らの姿は痛々しくて切ないが、子供のためにも強く生きてほしいと願わずにいられなかった。


傅音と陆琪 骊歌行 公式微博


そしてその陸家の娘 陆盈盈(何瑞贤)も数奇な運命を辿る。都への旅の途中、海辺で出会った厳子方(洪尧)に一目ぼれするのだが、その後は親や兄を救う為に身を挺して皇帝に嘆願したかと思えば、終いには自ら駒となって宮廷入りする。嫁いだ相手は悪名高き皇帝の異母弟、梁王
案の定、散々な扱いを受けるのものの持ち前の純真さと誠実さで梁王までをも改心させ、最後は幸せを掴みとっていく。


陆盈盈と厳子方  骊歌行 公式微博


衣装やヘアスタイルがいい

女性メインキャストのカツラは大きく華麗で、前面はふんだんに簪で飾られ、他のドラマと同様だったが、その他の方々は地毛を活かした自然なヘアスタイルが独特で、よかった。本来当時はこういう頭をしていたのだろうなと思わせるリアリティーで、まるで高松塚古墳の壁画のよう。当時の流行についての描写もあり興味深かった。
衣装もまさにそんな感じで、キャラに合わせた様々な色柄の生地を組み合わせてあって、見ているだけで楽しかった。

傅柔が刺繍や染に詳しいから、その知識を活かしたエピソードが作中に散りばめられていたのもよかったと思う。
そういえば傅柔は前半に厳子方や周王の衣装に刺繍をしてあげるのだが、それを彼らはとても大切にし、いつも着ているせいで想いがバレたりする。そんな小ネタも好きだったな。

そうそう、その周王の一途な想いはどうなったのか?!
本当に彼はいつも優しく傅柔を見守り、思いやり、支え、助け、想いを寄せていた。理想的な伴侶になるべき人だったのだが…
史実を元にしているという設定上のことなので仕方がない…
…とはいえ、やっぱり彼の恋の結末も、納得いかない!!(笑)

だがまぁしかし、ドラマとしては全体的に面白かったので、最後は主役二人の画像を貼っておこうと思う。

许凯は太刀さばきもカッコいい! 盛楚慕 骊歌行 公式微博



 李一桐は所作がとてもキレイ 聡明な傅柔にぴったりだった
骊歌行 公式微博




今、本作とオーバーラップする形で『尚食』を観ているのですが、俳優の被りが多くてまるで「〇〇一座のお芝居」を観ているみたいです。
脳内混乱するので暫らくこの一座のドラマは避けようかな(笑)

それと檀健次。本作では野心少な目のいい人ぶり全開キャラで、彼の持ち味を発揮する場がなかったのがややもったいなかったなと感じました。次はどんな作品で出会えるのか楽しみです。

それでは、また。
ありがとうございました!







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