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今日という日を丁寧に過ごしたい

台湾はここ数日、気温が上昇してだいぶ暑くなってきている。
朝、目が覚めてクーラーの吹き出し口横にある温度表示を見ると、室内の温度はすでに30度。暑い。

5月は台湾の確定申告の月だから、今日はその対応と、月曜だからゴミもまとめて、暑くなってきたから掛け布団をしまって扇風機を出そうか。
あと、せっかくいい天気だから洗濯もしないと...
今日「しなきゃいけない事」をベッドの中で考える。

何となく面倒くさい。
「しなきゃいけない事」をこなすのは、面白みがなくて、やりたくない。

クローゼットからは、今日は汗をかきそうだからと、何となく運動用のズボンを引っ張り出す。

「面白くない...」

毎日、しなきゃいけない事ばかりをこなす日々。防疫の関係で、全ての事が必要最低限に抑えられる。
そうか。「しなきゃいけない事」だから、面白くないのか。

ふと、今まで何となくこなしていた事を、もっと丁寧に感じてみたらどうだろうと思った。

今日という日を、もっと丁寧に感じてみよう。

すると、何だか気持ちがワクワクしてきた。先程まで、暑くてイライラしていたのに。
そうだ、暑いから久々にお気に入りの夏服を着よう。タンスの奥から、薄手リネンの柔らかい半袖トップスを引っ張り出して着替える。

いつもなら暑くてすぐクーラーをつけるけど、今日はまだクーラーはつけずに、アイスコーヒーを飲もうか。
扇風機をつけて、お湯を沸かす。普段はハンドドリップでホットコーヒーを淹れている。アイスコーヒーを淹れるのは久しぶりだ。

氷をコーヒーサーバーに入れて、ドリッパーに挽きたてのコーヒー粉をセットする。
コーヒーを抽出するのに適した温度まで水温が下がるのを、温度計で測りながら待つ。

暑くて、背中に汗が滲んでくるのが感じられる。でも、気持ちは落ち着いている。
ゆっくり、丁寧に、濃い目のコーヒー液を抽出していく。
熱いコーヒー液が氷の上に落ちて、カシャカシャと涼しげな音をたてて氷が溶ける。

出来上がったアイスコーヒーは、氷の量が少なくて、コーヒーの味はしっかりするけれど、ただぬるいだけのコーヒー。
背中は相変わらず汗ばむ。
でも、心の内は何だか涼しくなったみたい。

今日は始まったばかり。今日という日をいつもより丁寧に過ごそうと思う。

#エッセイ #丁寧な生活のすすめ #防疫 #日記

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