線路沿いの土地は買いなのかどうか

線路沿いの家には縁がある。
東京に住んでいたマンションでは窓を開ければ目の前20m先に線路があった。そんなマンションを手放したのも束の間、1年経たずに大阪で15m先に線路がある土地を買い注文住宅を建てている。

別に自分は鉄オタで電車が好きとかそういうわけではない。魅力的だと思った物件がどちらもたまたま線路沿いだったわけで。世間一般的な認識と同じで、線路沿いという点だけ見ればデメリットが多いと思う。

では何故線路沿いの土地を買ったのか。改めて購入に至った理由を整理して、線路沿いの土地は買いなのかどうかを考えてみた。

線路沿いのデメリットを打ち消すほどの魅力があった

当時はハウスメーカーも決まっておらず、土地探しを候補としていたハウスメーカー数社と行っていた。

ただ、いくら探してもいくら待ってもいい土地というのはめったに出てこないもので。。土地探しを始めて4カ月、土地見学を毎週のように繰り返していると、しんどい気持ちの方が強くなってしまっていた。

外せない条件は以下だった。

  • 駅から徒歩10分以内

  • 妻と自分、それぞれ職場まで電車で1時間以内

  • 車が1台駐車できる

  • 日当たり良好

  • 2階建てで延べ床100m^2は建てられる

こうやって並べてみるとよくありそうな要望。でも、なかった。この条件に合うまともな土地がなかなか見つからない。

スーモとずーーーっとにらめっこする毎日を繰り返していると、まともな土地というのはそうそうないことが分かってくる。条件に合う土地は必ず一癖付いていた。

例えば

  • バカでかい擁壁の上に立っている

  • 平地で整っていると思ったら私道にしか面していない

  • 間口が狭すぎて車が入らない

  • 水路に囲まれていてお堀の城のよう

多分、自分の予算の問題もあったと思う。もう少しお金があればまともな土地は出てきたのかも。でも、誰もが予算は有限で、その中で土地を探さなければいけないわけで。自分の予算内で外せない条件の土地を手に入れるには何か一癖を受け入れるしかなかったわけです。

そんな中で会ったのが線路沿いの土地だった。

他の土地は、その一癖を受け入れる代わりに価格が安くなるメリットだけを受けられる感じのものが多かったが、線路沿いの土地は価格だけではなく以下のメリットがあった。

  • 駅から徒歩8分

  • 車1台どころか2台、頑張れば3台停められる

  • 2~3台の駐車場を作ってもそれとは別に庭をつくれる

  • 日当たりは良好、南面道路

しかも第一種低層住居専用地域なので、駅近の土地にありがちな隣同士が数十センチの隙間を作って建つようなこともなく、2~5m程度の間隔を空けてゆったりと家を建てられる。

ずーっとしんどいなという気持ちで土地探し続けていると、「何を諦めるか」という妥協精神になってしまっていたけど、この土地を見たときに一気に夢のマイホームの想像が膨らんでしまったわけです。せっかく土地を買って家を建てるなら、ゆったりした敷地で一戸建てらしいことをしたい!

そしてその土地は線路沿いという絶大な一癖のせいか、土地としてはずっと売れ残ってた。売主が200万円下げたところをさらに100万円下げる交渉をして購入に至る。

ギャンブルにようなもの

線路沿いの土地と一言にいっても十人十色というか、線路沿いでよく言われる振動や騒音の程度は土地によっても様々だと思う。

なので、ネットで「線路から〇〇mではこうですよ!」という情報を見かけるけども、全くあてにならない。

本気でその土地の購入検討をするなら、その土地のご近所に聞き込み調査をするしかない。線路沿いという明らかなデメリットが購入前に分かっていて、その程度が気になるのであれば絶対にしなければいけないと思う。
自分の場合はハウスメーカーの営業さん経由でご近所に聞き込み調査をしてもらった。自分の場合は振動さえなくて、音だけであれば購入しようと考えていた。

ご近所さんみんな優しくて、どんどん人を集めてくれて、「慣れるよー!」とか「振動はないね」とか。

線路沿いうんぬんよりも、ご近所の人たちが例外なくみんな優しくて、その時は、より一層この土地に住みたいと思った次第だった。

ただ、ご近所さんから集めても、ご近所さんみんなそれぞれ建っている家は違うわけで。家の構造は木造なのか鉄骨なのか、間取りはどうなのか、壁の厚みや断熱材は何なのか。流石にそこまで聞き出せはしない。でもここまでくれば、自分の建てる家次第で騒音対策して軽減することは可能だと思うわけです。

でもやっぱり建ててみないと分からない。そこはどうしてもギャンブルになってしまうんだと思う。

騒音対策の効果も期待して、自分は高気密高断熱が得意な木造系ハウスメーカーにした。

価格以外のメリットとセットで考える

もともと東京でマンション購入して住んでいて、今回一戸建てを検討する際に思ったのは、一戸建ては夢を買うということ。

自分の場合、絶対条件+一戸建てらしいことをしたいという欲望のために線路沿いの土地を買ったと言っても過言ではないと思う。

完璧な土地はなくて、どんな土地にもマイナスはあると思う。そのうえで線路沿いというマイナスを受け入れて、どんなプラスを得られるのかをセットで考えることが大事だと思う。

線路沿いに限らず、土地ってすべてそうかもしれない。購入前に分かっているデメリットは詳しく調べる、購入後に初めて知るようなデメリットがないようにその土地自体をしっかり調べる。

こんな経緯で買った土地と家がまもなく引き渡し。線路沿いのおうちのことを暇があったら発信しようと思います。



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