[IT]メールサーバについて
電子メールは現在、企業では当たり前のように使われていると思います。
電子メールを管理するメールサーバについて書き記したいと思います。
1. メールサーバーについて
メールサーバーという言葉について、
普段、電子メールを利用するだけの人にはなじみのない言葉だと思いますが電子メールはメールサーバーを経由して送信されます。
サーバーというのはサービスを提供する側で、その対義語としてクライアントというサービスを利用する側が存在します。
電子メールの送信や転送にはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、
電子メールの受信にはPOP(Post Office Protocol)やIMAP(Internet Messages Access Protocol)というプロトコルが使われます。
プロトコルとは通信規約のことです。
例えばAさんは日本語を話すが、Bさんは英語を話す場合を想像してみてください。結果は言語が異なる為、会話が成立しません。
ではAさんが日本語を話し、Bさんも日本語を話す場合を想像してください。
結果は言葉が同じである為、会話が成立します。
それと同様にAのメールサーバでSMTPを利用する場合、BのメールサーバもSMTPを利用してプロトコルの通信規約を合わせないと通信が出来ません。
クライアント側はメールの送信や転送をするサーバはSMTPサーバに接続し、電子メールの受信にPOPを利用する場合はPOPサーバ、IMAPを利用する場合はIMAPサーバに接続します。
このSMTPサーバやPOP/IMAPサーバは会社単位で存在しているのが一般的だと思います。
では、XX会社のAさんがYY会社のBさんに電子メールを送信する場合で、メール送信、受信の流れを見ていきたいと思います。
①AさんがBさん宛に電子メールを送信
②電子メールはAさんが契約しているSMTPサーバにメールを送信します。
③Aさんが契約しているSMTPサーバは、次のSMTPサーバにメールを転送します。(この通信にSMTPプロトコルを利用)
④上記の③を繰り返し、Bさんが契約しているPOPまたはIMAPサーバにメールが転送されます。
※Bさんが契約しているメールサーバはSMTPとPOPとIMAPの両方を備えている
⑤POPまたはIMAPサーバからBさんにメールが受信されます。(POP/IMAPプロトコルを利用)
2. SMTP、POP、IMAPのプロトコルについて
SMTPとPOPとIMAPの説明については1章で記載した通りで
ポート番号と機能の内容については表にすると以下となります。
$$
\begin{array}{|l|l|l|} \hline
プロトコル名 & ポート番号 & 機能 \\ \hline
SMTP & 25/587 & メールの送信/転送 \\ \hline
POP & 110 & メールの受信 \\ \hline
IMAP & 143 & メールの受信 \\ \hline
\end{array}
$$
以下にメールの送受信を暗号化する場合のプロトコルは以下となります。
※実際に利用される場合は以下の暗号化されたプロトコルを利用する。
$$
\begin{array}{|l|l|l|} \hline
プロトコル名 & ポート番号 & 機能 \\ \hline
SMTPs & 465 & 暗号化通信のメールの送信/転送 \\ \hline
POPs & 995 & 暗号化通信のメールの受信 \\ \hline
IMAPs & 993 & 暗号化通信のメールの受信 \\ \hline
\end{array}
$$
SMTPはメールの送信と転送のためわかりやすいと思うのですが、
POPとIMAPはどちらもメールの受信と説明しましたが、受信したメールを管理する方法に違いがあります。
POPの場合は、利用者がPCやスマホで受信する操作をして、利用者がメールを受信するとPOPサーバ上のメールボックスからメールを削除します。
(クライアント側でメールを管理)
※利用者はメーラーというアプリケーション(outlookなど)を利用してメールの送受信をすることができます。
一方のIMAPサーバは利用者がPCやスマホで受信する操作をして、利用者がメールを受信してもIMAPサーバ上のメールボックスにメールは残したままになります。(クライアント/サーバでメールを管理)
昔はメールサーバの容量圧迫につながる為、POPサーバが一般的であったが、現在はメールサーバの容量を多く設計して構築する環境が多いためIMAPが主流のようです。
またIMAPはPOPと異なりサーバ側にメールが残る為、PCでメールを受信してもほかの端末(スマートフォン)でメールを受信できます。
(POPの場合はどれか1台の機器でメール受信してしまったら他の端末で同じメールの受信は不可)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?