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眠れない夜に

眠れない。

深夜、突然目が覚めてしまい、ずっと目をつぶっていたもののとうとう眠れず、朝を迎えようとしている。

これはおそらく、軽鬱状態である。
そう思った。
なぜならそう思い当たる節が、あったからだ。

孤独な育児は心身を貪る。
それくらい知ってはいた。
知っているだけではなく、わたしは保育士として、そして子育て支援員として、現代の孤独になりがちな社会を少しでも良くしようと、友人と子育てイベントを企画したりnoteで発信したりとしてきたはずだった。

わたしは大丈夫。
なにかあってもいざとなれば誰かに頼る。
自分の機嫌を取る方法くらい知っている。

そう思っていた。

わたしのこの状態を、「育児ノイローゼ」だと定義する人もいるだろう。
でもわたしは本当に育児に疲れているのか?
たしかにもう少しで2歳になる娘の育児は、大変なことも多い。
食べ物の好き嫌い、歯磨きいやいや、それ以外もいやいや、癇癪、夜寝る時間が遅くなっていること…
言葉でわかりそうで分からない。
でも分かってくれるときもある。
こちらの余裕の有無が結果を左右することが多い育児の日常で、わたしの選択は合っていたのかな…と思ってしまう日々。

でも、根本的なところはそこではないんだ。

なにが問題か、って…

結局は、育児における夫の不在が問題なのである。

先々週、夫は平日と土曜日の3日間、夜に出かけていた。すべて趣味や友人の結婚式などの理由である。
そして先週、体調を崩した。
喉が痛い程度だからなのか、仕事にも行き、ずるずると体調が思わしくない日々を過ごす。仕事には行くが、帰ってきてからは自分の部屋に篭っていた。
土曜日も仕事に行った。
そして帰ってきてからはゲホゲホと咳き込む。

この姿にわたしは本当に疲れてしまった。

出かけるのは構わない、夫も自分の好きな時間を持つことは大切だし、わたしは娘と2人きりでいても楽しめる。
体調が悪くなったら、もちろん休ませてあげたい。
そんな聖人君主のようなわたし。
それは本当のわたしの気持ちであると同時に、
理想であり、幻だった。

わたしも体調が悪いときはある。
でもそういう場合は仕事を休んででも意地でも治す。
じゃないと困るから。
体調が悪い中、娘のお世話をするのは至難の業すぎる。
その状況は家族にとって良くないから、わたしは意地でも治すのだ。
1週間も風邪を長引かせ、挙句の果てにひとりで寝転がるなんて、そんな選択肢、わたしには、ない。

そしてわたしだって仕事をしている身だ。
送り迎えはわたし、ごはん作るのも、メニュー考えるのも、保育園の準備も、お風呂も、寝かしつけも。
平日はわたしがほとんどの育児をし、それに伴う家事ももちろんやって、
その上仕事にも行っている。

でも、これらのことを毎日やっていても、
誰からも感謝されないのだ。
夫含む誰からも。

そう心の中で確信した時、ぷつっとなにかが切れた。

もういいや、あしたの保育園の準備も終わってないけれど。
と、娘の寝かしつけ後、わたしは外に出た。
ふらふらとゆっくり歩く。
夜の団欒を楽しむ家族の声、お風呂の音、誰かの電話の声、通りすがる猫、、、
歩きながら、なにも考えていなかった。涙さえ出なかった。ずっと心の中で、このまま居なくなりたいなと思っていた。

そして、いま。
夜は眠りについたものの、深夜から目が覚めてしまっている。
ずっと頭の中をぐるぐるしているのは、
わたしがこの家を出て、この大変さを夫に体験させたいということ。
わたしが居なくなったあとの世界を想像すること。


これが、孤独な育児です。

夫は洗濯をしてくれる。朝出るのが早いわたしのために、掃除機と朝の娘の食器洗い、ゴミ出しをしてくれる。
なにもやっていないわけではないし、わたしに元気があれば、彼とうまくやっていけるのだ。

でも違う。
夫婦力は、本当に大変な局面で試されると思った。

ママたちのやっていることは、当たり前ではない。
誰からも感謝されないなんて、そんなことあってはならない。

だからわたしから、すべてのママに感謝させてください。
そして自分自身にも、大きな花束を贈りたいです。

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