動き出す【2】
夫は、離婚の条件として車とパソコンは欲しいと言ったので、
それは承諾した。
その代わり、家具家電は使えるものは新しい家で引き続き使うことになった。
引っ越して1ヶ月くらいは車のない生活をしたので、
不便なこの土地ではなかなか大変だったけど、どれも楽しい時間と思えた。
子供たちは時々、お父さんのことを聞いてきたので、
そこは嫌がらず普通に話した。
そしてその都度
「ごめんね。一緒にいたらケンカばかりになるからもう一緒に暮らせないんだよ」
と説明した。
正直、離婚までの1ヶ月は、普通の精神状態ではできないくらいの忙しさで
子供たちの心も気になったので、私はかなりのオーバーペースだったと思う。
だけど、この日までにやらなければならないという想いで、
必死に日々暮らすしかなかった。
そして、別居から1ヶ月経った時に、私たちは公正証書を作成してもらい
離婚届を出し
ようやく、10年間の結婚生活にピリオドが打てた。
夫のことは男の人としては好きになれず、途中から嫌いだったけど、
人として尊敬できる部分もあり、楽しい時期ももちろんあった。
2人の子供に出会えたのも、夫との出会いがあったからこそで、
全てを否定したいわけじゃない。
私はそんな色んな想いを込めて、最後にお礼のLINEを送った。
決していい別れ方ではなかったけど、最後には表面上は円満に別れられた。
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