未知の星も繋がれば星座になる、という話【 #アーニャと穂乃香の星巡り に寄せて】
大好きな世界から離れて、まだ知らない遠くの世界を巡る。
昔のヒトなら、それは星巡りに似ているかもしれません。
アナスタシア…アーニャちゃんにとって、アイドルのお仕事は、星巡りそのものだったと思います。
そして、宇宙人のようにレッスンルームに入り浸る綾瀬穂乃香ちゃんもまた、同じ星巡りの旅人として過ごしていました。
せっかくなので、このふたりで、星巡りをしていきましょうか。
【出来ないことが出来るということ】
アーニャちゃんの初めてのレッスンで、彼女は「ほめてほしい」と願いました。出来ないことは、頑張れば、いつかできるようになる。そして、できないことができると、ほめてもらえると。だから、頑張りたいという思いがありました。
穂乃香ちゃんの場合だと、ほめる、というよりは、彼女自身の気付きを、プロデューサーさんは大切にしていました。おそらく、バレエのコンクールでいくつもの賞を取るほどなので、答えは持っている。だけど、方向性の違う努力ではいつまでたっても出来ない。だから、自らを表現することで、「出来なくなっていたこと」が、できるようになる。
アーニャちゃんは理由や行動の源泉を自分なりに言葉にしてくれるので、穂乃香ちゃんが壁にぶつかった時に、新鮮な角度から気付きを与えてくれるでしょう。そして穂乃香ちゃんは、アーニャちゃんの努力を引き延ばして、褒めてくれる。努力の天才ならば、容易い事でしょう。
【「孤独」が力になる】
小さい頃、アーニャちゃんは住む土地が変わって、両親にも寂しさが言えなくて、ますますみんなが離れていって…という寂しい思い出がありました。神谷奈緒ちゃんは、その時の表情を「カッコイイ」と表現します。様々な思いや大変な経験を積み重ねていくことで、表情に出るのではないかと。
穂乃香ちゃんは、そうした思いや経験は、脚の中に隠していて、表情はあくまで「バレエダンサー」としてふるまっていたと思います。審査員や芸術監督、観客のための踊り。それは孤独のほかありません。だけど、運命のいたずらか、孤独から解放したのは、踊りのフリを間違えても一生懸命に観客の女の子が応援した「小さな声援」だったのです。
【知らないことが多いということ】
アーニャちゃんも穂乃香ちゃんも、知らないことが多いのですが、逆に言えば、ワクワクすることが多いのです。アーニャちゃんは孤独に耐え、自らが好きな場所、この場合は雪とレンガの北海道になるのですが、そこから離れることにとまどいがありました。穂乃香ちゃんは言わずもがな、バレエに人生を捧げたゆえに、それ以外が全て未知でした。
それぞれの星を眺めると、大きさの大小、輝きの明暗など様々です。だけど人々は、神話やおとぎ話の世界を星空に広げて、星座を作ってきました。
もしかすると、アーニャちゃんと穂乃香ちゃんの星巡りは、アイドルのお仕事を夜空の星に重ねて思い出を残し、自分たちだけの星座を作る旅、なのかもしれませんね。
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ここまで読んでいただいたみなさん、ありがとうございました。みなさんが楽しめるものを、気軽に楽しめますように。
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