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因に従うか、型から離れるか。どちらも複雑で解がないと縛られるのが実は美しいという話【ぼかほの2022 後日談1】

 バレエ、そしてオペラ。
 これらの名前は様々なところで見聞きし、歴史ある芸術の代表格です。その世界の住人なら誰もが憧れるバレエ団、歌劇団もあります。
 正しくあれ、誰かになれ。
 複雑な世界の因に嵌まり込み、型から離れた2人の少女は、アイドルの世界で出会い、そして解なき問いに縛られていきます。
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 今年2022年のボーカロイド曲で選んだ綾瀬穂乃香ちゃんのイメージソング振り返り「ぼかほの2022」。すでに発表した曲だけで話をするのも寂しいので、新規投稿をすることにしました。
 第18回ぼかますで対象ユニットとしてアズールブルーを選んだ時、フリルドスクエアやピルエット・オペレッタだとメジャーすぎて…と思っていましたが、今回はピルオペらしい曲に出会うことが出来ました。

 求められた姿を求めることが「流麗な舞踏会」ということは、穂乃香ちゃんが芸術監督などの表情を見ながら「理想の踊り」を求める姿。兵庫出身の保奈美ちゃんが地元の音楽学校の最終審査まで進めるほど、歴史と伝統が求める「理想のジェンヌ」。当然、観客や試験官などから見れば、それは流麗なわけです。

 もちろん、最初から「自分らしさ」を求めるのは難しい。歌舞伎の世界にもあるように、基本がないものは「型なし」だし、基本をわきまえた上でそこから自分らしさを導ければ「型破り」になります。

 では、ふたりとも型破りをすればよかったのかというと、そこで歴史と伝統が牙を向くわけです。バレエが、オペラが、その存在を認めないと、楽しさも居場所も失われていく。私はどちらにも詳しくないのですが、分かっているのはどちらも「intricate(複雑な)」であり、だからこそ「因と離型と」とも読み取れるこの曲が、穂乃香ちゃんと保奈美ちゃんのユニットにピッタリなのでしょう。

 簡単に言えば、くるみ割り人形穂乃香ちゃんも、ファントムほなみんも選んでいいんです。アイドルの世界ではそれらを認めてくれる。あとは、プロデューサーが、ファンが、アイドルと繋がるかどうか。

 解なき問いを無邪気に縛るアイドルの世界もまたinrticateですが、ほどいていくのもまた楽しいかもしれませんね。


 ここまで読んでいただいたみなさん、ありがとうございました。みなさんが楽しめるものを、気軽に楽しめますように。

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