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職場の定期健康診断のエコー検査で引っかかってみて気づいたこと

先日、職場の定期健康診断に行ってきました。

今年から健診を民間の指定病院で受けることになり、通常の検査の他に気になる部分の検査をオプションで付けることが可能だったので、さっそく、いくつかのオプションを選択しました。腹部超音波前立腺腫瘍マーカー動脈硬化を調べる検査です。

特に肝臓は、前回(4年ほど前)の人間ドックの腹部超音波検査の際、「肝臓に脂肪があります。脂肪肝ですね。脂っこいものやお酒の飲み過ぎには気をつけて、運動するようにしてください。」と言われ、年に一回は検査するよう勧められていましたが、通常の健康診断にはメニューがなく再検を受けずにいたので、今回はぜひ受けたいと思っていました。

ここ半年くらい結構真面目に有酸素運動に取り組み、体重も6キロ減量し体脂肪率やBMIもだいぶ改善しているという自覚があったので、血圧や体脂肪、他の血液検査の数値のほか、脂肪肝を示す数値がどれくらい良くなったかを知りたいという気持ちもありました。

体重、身長、血圧、血液検査、尿検査、心電図、動脈硬化測定、腹部超音波検査と全ての検査メニューを終え待つこと小一時間、ようやく検査結果と医師の話を聞くため名前を呼ばれました。こちらとしては、毎日の有酸素運動も欠かさず行い、減量も達成し、酒の量や食事内容にも気を配って摂生を心がけてきたという自負がありましたので、ポジティブな内容の検査結果とコメントを聞けるのかなという思いで入室しました。

想像に反して、医師が発した第一声は、

エコー検査の技師から何かお聞きになりましたか?

でした。うっすらと嫌な予感を感じながら、特に何もと答えると、医師は続けて、「良くない影が映っている箇所があります。この部分ですが、1センチ大の腫瘍らしきものがあるんです。」とモニターの画面に映った部分を指し示してくれました。

腫瘍?1センチ大? 

一瞬医師の声が遠くからぼんやり聞こえているような感覚に陥り、気のせいか脈拍が早くなり、心臓の鼓動が聞こえてくるようでした。私が前回のエコー検査の後で当時の医師に言われた内容を思い出そうとしているのを察するかのように、この医師はさらに話しかけてきます。

「前回はいつ頃エコー検査なさいましたか、だいたいでいいですけど。こことかここにもあるんですが、これは血管腫だと思います。つまり良性の腫瘍ですね。あと脂肪肝が少しありますね。」

血管腫?良性の腫瘍? そうそう、確か前回もそんなこと言われたっけ。前の記憶がだんだん蘇ってきて、その勢いで、「これも良性の腫瘍っていうことはないんですか?」と尋ねました。医師の答えは、その可能性もありはするが、検査した技師も自分もこれは悪性の可能性が強いと思う、というものでした。

悪性の腫瘍って言ったら、つまり「がん」のことですかと聞いたら、「まあ、そうです。」と。動揺した自分と冷静な自分がふたり並んで座っているような錯覚と、「がんかも。」ってこうも簡単に告げられるものなんだと思ったのがその時感じた素直な感想です。

少し冷静になってから、きちんとした診断のためにはいろいろ検査が必要ですよねと聞いたところ、その医師から、たまたまちょうどその日は消化器と肝臓の専門医が外来対応のためいる日なので、専門医の診察を受け、CT検査を受けることができると思うがどうですか、と勧められました。

その日は、健診のほか歯科受診など他の用もあり仕事の休みを取っていたので、すぐにそうしてくださいと伝えました。追加検査がその日のうちに受けられたのは、後で考えたら、本当にラッキーだったと思います。

健診センターから通常の外来の受付を済ませ待っていると、程なく呼ばれ、再度、体重、身長、血圧を測ったのちに看護士の問診を受けました。どうしましたかと聞かれたので、肝臓に腫瘍が見つかったので、健診センターの医師に専門医の診察とCT検査を勧められたと説明しました。呼ばれるまで少し待っていてくださいと言われ待合室で座っているとしばらくして名前を呼ばれ、別の看護士にいくつかある診察室のひとつに招き入れられました。

中には若い男性医師が座っていて、屈託のない笑顔を見せながら自己紹介してくれましたので、よろしくお願いしますと言って椅子に座りました。この医師の前に置かれたモニターの画面には、ついさっき健診センターの医師に見せられたのと同じエコー検査の結果が映っていました。

医師は開口一番、「エコー検査を前に受けたのはどれくらい前ですか?」と同じ質問を聞いてきたので、さっきと同じようにだいたい4年前だと伝えると、一瞬、”結構前だなぁ”的な表情が顔に浮かんだあとで、画面に映ったエコー画面の一部をさして、「この部分は腫瘍だと思います。良性の血管腫の可能性もないとは言えませんが、悪性の確率が高いと思います。詳しくはCT検査をしてみましょう。」と言ってきました。

これまで1年に一度受けてきた健診での血液検査で肝機能の数値が極端に悪いと言われたことがなかったので、「え〜、そんな急に悪性の腫瘍が?」というのが正直な感想でした。それもあり、医師にもこれまでの血液検査結果のことを伝え、前回のエコー検査でも肝臓内に何箇所が良性腫瘍が見つかったことや脂肪肝を指摘されたことを話しました。

それと私は出産時の母子感染でB型肝炎ウィルスを生まれつき持つ持続感染者、いわゆるHBVキャリアなので、そのことも伝えました。それを聞いた医師は、「正常な肝臓からがん細胞が生まれることは通常考えられない。肝炎を患っている肝臓の細胞ががん細胞に進行することが多い。ウィルス感染者であれば細胞ががん化することは考えられる。」と話してくれました。

その後は、より正確な診断のために造影剤を使ったCT検査と血液をとって腫瘍マーカーテストと詳しい肝機能チェックやウィルスの感染力などを調べることになりました。悪性か良性かどちらにしてもはっきりさせたいという気持ちになっていたので、その日のうちにすぐCT検査ができたのはラッキーでした。

腫瘍マーカーのテスト結果は次回でないとわからないけど、CT検査の結果はすぐわかるので、悪性かどうかよりはっきり判断できるとのことでしたので、うわべは平静を保ちながらも、内心はドキドキしながらCT台に横になりました。

造影剤を体に入れられたのは記憶する限り、今回が初めてです。CT検査は造影剤を腕から流し込みながらの撮影で、体があつ〜くなりますよと言われましたが、緊張した割にそうでもなかったのが印象的だったのと、思った以上に検査が早く終わったので呆気ない感じでした。たしか10分ほどで終了したと思います。

そのあとは、待合室で待っているように言われ、点滴をしたまま待合室のソファに座っていたら、最初と同じ看護士がやってきて針を抜き刺したあとにシールを貼ってくれました。

それからは、先ほどの医師が他の検査で立て込んでいるとかでしばらく待たされましたが、1時間15分ほど経った頃にようやく現れ、前と同じ診察室に入って椅子に座り、緊張の面持ちで医師の言葉を待ちました。

モニターには、エコー検査画像とは違うタイプのCT画像が映し出されており、私の肝臓らしき映像がありました。その画像の一部には、先ほどのエコー検査で悪性が疑われた箇所が確かに存在していて、周りと比べて淡い白色で映し出されていました。医師によると白色で映っている部分は血管腫(良性腫瘍)らしく、そういう箇所が他にも数カ所ありました。

悪性ではなないかも知れないということですか?

と大きな期待を持ちながら尋ねたところ、医師は、

そうですね。通常がん細胞であれば、最初は白色でも造影剤の影響で濃い色に変化するはずなんですが、この部分は変化がなくずっと白色のままなので、良性腫瘍の可能性が高いと思います。

と説明してくれました。

 急に周りが明るくなるのを感じました。

エコーではかなりの確率で黒と思われたものが、CTでは白と思われますという結果でしたが、慎重な医師はCTよりもさらに間違いなく判断できる MRI血管造影検査を勧めてきました。これまで、脳のMRI検査は2度受けたことがありましたが、腹部の検査は初めてです。それと、通常MRI検査の場合は造影剤を使用しなくても検査できるのがメリットだと、あとで知りましたが、今の時点では、次回は、造影剤によるMRI検査をする予定になっています。

今回話題にしてきた”腫瘍”は今1センチ大のおおきさです。CT検査の結果の通り「良性」であることを何より望んでいますし、MRI検査でもそれが確認できればそれに勝る嬉しいことはないです。なぜなら、良性の腫瘍ががん細胞化することはありませんとはっきり医師から言われたからです。

もし、万一、別の結果だとしたら? それはそれで、その検査をしなければわからなかったことになるわけで、その後の自分自身の生き方を決める上ではやはり必要なことなのかなと考えていて、医師の勧めどおりMRI検査を1ヶ月後に受ける予定です。

自分がB型肝炎ウィルスの持続感染者だということは、知った直後は結構落ち込み気にしてばかりいたのを覚えています。でも、全ての人がひどい病気に進行するわけではなく、たいていはそのまま一生を終えるというのを知り、いつの間にか、私の中でキャリアであることは意識化から遠のき、あまり日常の生活で気にすることもありませんでした。

それから30年あまりが経って、その間特に肝臓の病になったこともなく、普通に暮らしてきましたが、一つの変化が現れたのが、50歳を迎えた頃から急にお酒が弱くなったと感じることが多くなったことです。酒を飲むと酔い易くなり、翌朝まで残ることが多くなった。特に、アルコールの強いお酒を飲んだ時はそれが顕著でした。

そういうこともあり、それからは、量はあまり飲まないようにしながら、元来酒が好きなタイプでしたので、ビール、ワイン、ウイスキーなど、気分にあわせて毎晩夕食時に少量を味わいながら楽しむ飲み方をするようになりました。そうすると翌朝に残ることもなくなり、1日の疲れを癒しリラックスできる大事な毎日の日課となりました。実際、今回の定期健康診断の直前までそんな感じで過ごしてました。

今回、定期健診の場所が民間病院になったこと、腹部エコー検査をオプションでつけたこと、肝臓に腫瘍が見つかったこと、全てが私にとって起こるべくして起こったことのように思えてなりません。エコー検査をせずに、通常の血液検査のみでは腫瘍のある無しは確認のしようもなく、たまたま休んで健診にきていたせいですぐに追加のCT検査を受けることもできた。

まだ来月のMRI検査を受けてみないと、この腫瘍が良性かどうかはっきりしないかも知れませんが、今回のことを受けて、私の生き方はすでに変化しました。あれほど好きだった酒も検査を受けた日から一滴も飲んでいません。B型肝炎や肝臓のことについてもあらためて調べ始めています。なにより、食事の大切さを今まで以上に痛感し、意識するようになりました。

50歳を過ぎて、成人病やその他の一生を左右するような病気に罹る確率が高くなってくるこの時期に起こった今回の出来事は、極端な言い方をすれば、ほっとくとぼんやりして気づかないままでいる私に、誰かが、生き方を変えるタイミングを教えてくれているような気がしてなりません

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