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情報リテラシー応用(3)

3.モノづくりのプロセス

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成績表を作るという課題を提示しました。
それに対して、2つの投げかけをしてあります。

1.どういうプロセスで課題をやっていきますか?
2.それぞれの過程で、どういう知識、操作が必要ですか?

まず、モノづくりのプロセスについて考えます。
「工程」という言葉があります。何かモノを作って行く過程を意味する概念です。
文科系の皆さんは、モノづくりは余り自分とは関係ないと思っているはずです。しかしモノづくりとは、機械のような工業生産物や、手作りの工芸だけではなく、文書を作ったり芸術作品を創ることも、モノづくりなのですよ。
作る、造る、創る、といったようにいくつかの漢字がありますが、全てモノづくりに纏わる言葉です。人間の知的作業の半分は、このモノづくりです
※この詳しい意味は、後で解説します。

結論から言えば、モノづくりはいきなりはできません。順序だててやる必要があります。
例として一番わかりやすいのは、プログラム開発というモノづくりの現場でのやり方です。プログラムは、有形物ではないし、基本人の手によって書かれていくという意味では、文学などの創作物と同等のイメージでとらえることが出来るでしょう。

実際、本課題では、Excelを使って成績表を作りますが、成果物である成績表は、「クラスの生徒の中から、ある一人を見つけ出し、その生徒の成績評価を行う」という情報処理をするプログラムと言っていいわけですです。

システム

これから作るシートは、成績データを使って、個々の生徒に対する成績表を出力するシステムと言えます。ですので、本課題をするには、プログラム開発と同等の作業を意識する必要があります。

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図に示しますが、プログラム開発は、いくつかの作業が、時間の進行に従って連なって実行されて行きます。ある作業が終わったら、その成果を次の作業に渡して行うという形で、工程ごとの成果物が次々に渡って行きます。
この姿が、滝のように見えることから、この工程を「ウォーターフォール」と呼びます。

この形は、全てのモノづくりに適用できます。最近ではこの問題点も指摘されており、プログラム開発では、アジャイル開発とかスパイラル型とか呼ばれるものも提起されていますが、まずはこのウォーターフォール型が基本です。

ウォーターフォールとモノづくりに関しては、2つの点を理解しておいてください。
まず、①知的作業と②物理作業の2つに分かれるということです。
プログラムを作る場合も、文書を作る場合も、そしてこの課題をする場合も同じです。

簡単に言えば、何をどうやって作るのかを考える作業があります。そしてそこで決まったモノづくりのゴールと手段を、実際にコンピュータを使いながら現実化、制作して行きます。

もう一点は、モノづくりで最も重要なのは、ゴールだということです。
工程には必ず、期限があります。その期限の中で、各工程を実施していくわけです。その際に最も重要なのは、工程を積み上げて行くことではないということです。
慣れない場合、最初の工程から積み上げていく、積算的な発想で作業をしてしまいます。その結果、後に行くほど時間が無くなるという結果になりがちです。
そうではなく、ゴールの日付、これを納期と言いますが、そこから作業に使える時間を引いて行って、各作業に使える時間を決めて行きます。こうしたゴールから減算していく発想に変えていく必要があります。

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課題に対しては、①まずどういう成績表を作るか、そのデザインをしましょう。Whatを決めることです。その作業を、プログラム開発では、「システム分析(analsys)」と呼びます。
その後、②それはどうやったら実現できるか、その具体的な手段を決めていきます。その作業が「システム設計(design)」です。
ここでは、表計算ソフトであるExcelを使って作るのがベストです。成績表と言う名前の「表」ですので、表計算ソフトが最も適切でしょう。Excelを使って、どうやったら実現できるか、考えます。
その上で、③実際にExcelを操作して、デザインした成績表を実現して行きます。システム開発では、「プログラミング」と呼ぶ作業です。

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成績表のデザイン

まずどういう成績表を作るか、そのデザインをします。
但し、成績表は事務文書でもありますので、事務文書として必要な情報が書かれている必要があります。
具体的には、文書の表題、日付、発信人、宛先が書かれている必要があります。

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その上で、成績表として必要な、文書内容を決めてください。

作業課題①:
成績表には、どういうことが書かれている必要がありますか?
どういう見た目になりますか?
ワードで作成してください。

データの読み込み

この作業をやりながら、具体的にExcelを使って成績表を作っていく準備をします。
配布データを確認してください。

「data.txt」というファイル名です。
このまま開くと、メモ帳が起動して図のようなデータが見えると思います。
これはテキストデータです。
テキストとは、文字列だけで作られているデータで、文書の見た目である書式や画像などは含まれていません。

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このデータをExcelで処理して行きます。

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作業課題です。

作業課題②:
テキストファイル「data.txt」をExcelで開いてください。但し、きちんとセルにデータが整理されて正しい成績表になること。

そのままExcelで読み込むと、データがズレてしまいませんか?
なぜそうなるのでしょうか、その原因を見つけ出して、対応してください

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