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湊川との出会い

初めて氷見を訪れた2016年の6月。なんの知識もなく、降り立った終点駅でレンタサイクルを借り、簡単な地図を手に走りはじめた。すぐに川にぶつかったので右に行けば海に出るかな、くらいの気持ちで曲がる。川には低い護岸があるだけでフェンスもない。すぐに川面に手が届きそうな、ひとと水辺の距離が近いことが印象的だった。

「オランダのデルフトみたいだな」

デルフトは大好きなフェルメールが暮らしたまちで、2015年に訪れてその美しさに感動した。デルフトの屋根は皆オレンジ色だけど、氷見のそれは黒。「この川で舟を浮かべて遊んでみたい」そう思った。

それから縁あって氷見に移住することになり、一軒家を借りて住むことになった。でも、もし家を構えるなら、湊川をみながら暮らしたい、そう思っていた。そして、ある日自転車で走っていて見つけたのが「貸地」の立て看板。いい場所だ、つい停まって連絡先を控えていた。

「湊川は、氷見で一番風情のある場所だもの」

わたしが氷見の商店街で初めて買い物をしたお茶屋の店主のことばだ。ああ、わたしだけじゃない、地元のひとも湊川の良さをご存知なんだ。それって素晴らしいなぁ。自分の中の湊川ラヴが確信に変わった瞬間だった。

移住して丸3年、とうとう湊川に臨む場所に家を建てた。この空き家時代に新築かよ、とずっと後ろめたかったけれど、湊川沿いで、かつ子どもを駅に送り迎えする必要がない場所、そんな空き家は見つけられなかった。

家は小さくていいから、素敵なお庭を作りたいな、そう思い宿根草の庭を手がける庭師さんに作庭をお願いした。
季節ごとにたくさんの花を咲かせている庭は、6月がピークになるように設計したとのこと。そのピーク時は宝石箱をひっくり返したような美しさ…
塀やフェンスのない庭は、湊川沿いの遊歩道を歩く方たちにも楽しんでいただけている。
湊川話0
(湊川話1へつづく)

ではまた!ごきげんよう



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