見出し画像

ミニシアターと街の上で

愛がなんだ、生きてるだけで愛っていう言葉をよくSNSで目にすることが多かった。それがなんなのかっていうのは特に調べることもなかったのだが、最近映画だということを知り、アマゾンプライムを使って見た。こういった理想通りにいかないリアルな恋愛映画が好きだなぁと最近思う。でもなかなかメジャーな映画館で見れない印象。僕がSNSで見たあの印象的な字体がなんであんなに広まっていたのか..
僕がただ世間知らずなだけだったのか、それとも気のせいだったのか、これだけは次見かけたらリプを送りたいと思う。

 色々SNSを見ているうちに愛がなんだの監督である今泉力哉さんの街の上でという作品が日田のリベルテで観れるということを知った。
リベルテっていうのは大分県日田市にある町の小さな映画館で、僕は高校3年間で一回も行ったことがなかった。近いし行けたら行こうかなぐらいの気持ちで
「街の上でリベルテで見れるらしいから火曜日行こうかな」
とつぶやいた。ここ最近はずっと昼夜逆転しており深夜ラジオを聞いてから寝て、昼頃起きるという生活で、映画を、ましてや田舎の1日1回しか上映しないような映画に間に合うとは思えなかった。

つぶやいてしばらくすると通知音がした。
「映画 街の上で 絶賛公開中さんがあなたのツイートをいいねしました。」
公式に見つかってしまった。少しびっくりしたがまぁ公式がエゴサすることもあるだろうと特に気にはしなかった。
すると
「今泉力哉さんがあなたのツイートをリツイートしました。」
うわっ!っと声に出してしまった。まさか監督本人に見られるとは...
いいねならまだしもリツイートなんて、今泉さんのファンに僕のしょうもないツイートを見られると思うとなんとも恥ずかしい気持ちになった。
僕はリツイートされたことにびっくりして
「今泉力哉さんにリツイートされてびびった」とつぶやいた。本当にびびったという気持ちとリツイートされたのが嬉しかった、すごいだろ的な気持ちもあったかもしれない。
すると今泉力哉さんから
「なんかすいません.,.」
リプが
うわ、なんか返さないと
なんて返せばいいのか...何も出てこない
アイドルの握手会で本人前にするとなんも言葉が出てこないときと全く一緒
見られてる聞かれてる自覚があるとこうも言葉が出てこないものか
結局、いつも応援してますみたいなモブ文章を送った。
でも監督に街の上で見に行くって見られてしまった以上、火曜日でなくても見に行かないとなー
すると
「〇〇さんがあなたのツイートをリツイートしました」
誰だと思い見てみるとプロフィール欄にリベルテの代表やってます!
...うわ、絶対火曜日に行かなきゃ行けないじゃん
その日から少し早く寝た

来る火曜日、久々に8時半に目が覚めた。
生活習慣の改善が功を奏した。
映画の上演時間に合わせて日田へ
リベルテの中はカフェと映画館とギャラリーが合わさったような、上映してる映画のジャンルからも代表の好きな文化がよくわかった。
花束みたいな恋をしたみたいな世界観の場所だなぁ、日田にこんな場所があったんだ。
チケットを購入すると受付の女性が話しかけてきた。
「ここ初めてですか?」
「そうなんです。知ってはいたんですけど全然機会なくて」
すると女性はリベルテのことたくさん話してくれた。
ギャラリーに並んでる作品は代表の知り合いの作品ばっかりなこと
映画や文学、アートなど様々な分野の人と関わりがあること
代表や受付の女性が僕の高校の卒業生なこと
受付の女性が高校時代通っていたリベルテで大学の教授と知り合い、色々話す中でその大学に行くことになった話
小さな映画館を支援する取り組みを斎藤工さんや井浦新さんなどと立ち上げてること
飾られてる絵はどんな人が描いている絵か
話は映画の始まる時間を少し過ぎるぐらいまで続いた
若干すごい話すなぁと引いたのだが、その人の熱量と代表を尊敬する気持ちはひしひしと伝わった。
またこんな身近に映画に深く関われる空間があったことに驚いた
高校時代に戻れるならリベルテに行けとそう言いたい。

こうして見た「街の上で」だが、すごい良かった
好きだけど、一緒にいて楽しくない
好きじゃないけど、一緒にいて楽しい
そんな矛盾を考えることになった。
バラバラに見えた登場人物も物語が進むにつれて繋がる
特に何かあるわけでもない数日の日常だけれどずっと見ていたい日常だなと思った。
僕はもうずっと彼女がいないけれど
お互いに付き合うことはないってわかってる異性の様な変な嫉妬とかそういうものからかけ離れてる人と話すのは楽しい。
何でも話せるような気がするし気を遣わなくていいからだと思う。
そういう人と僕はずっとにいたいと思うけれど、付き合うことはないからずっと一緒にいれない。映画の中で嫉妬とかそういうのがないまま付き合うのはなぜできないのかっていう話題で「嫉妬がないとつまらないから」って言っていた。この映画を見て、親友みたいな間柄の人と付き合えないかなと思っていたけどそれは無粋な話だったんだなーと思った。もっと難しくてモヤモヤを抱えながら向き合っていかないとダメなんだなきっと

あーめんどくさ

今回、街の上でとミニシアターというもの出会えたのは本当に良かった。いつもメジャーな映画館でばかり映画を観ていたのでこういう作品になかなか出会えなかった。これからも帰省した時はリベルテに寄りたいと思う
その時は是非代表の方のお話も聞かせてもらいたいなと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?