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入院2日目-手術後の地獄の夜-

ほぼ愚痴になります。

夕方から夜勤の看護師さんが来るようになります。外来も入院してからもいい看護師さんばかりで安心していたのですが、この日の夜の看護師が最低最悪でした。

まず部屋に入ってきて心電図やベッドにぶつかるんです。自分の身体の幅を理解してない人ってよくいますが、そういう人は看護師みたいな仕事選んだらだめだと思うんですよ。こっちはベッドから動けない状態なので、ぶつかった衝撃で物がお腹に物が落ちてきたらえらいことになります。

あと、傷の様子を見るために布団をはがしてその後布団をかけなおさずに出ていこうとします。呼び止めるとなおしてくれますが、こちらから言わない限りほったらかしです。手術中挿管されていた影響で声がかすれて出にくいので毎回言うのも辛い…呼び止めるのを諦め布団をはがされたまま寝ていると担当医の先生が回診にきてくれはりました。気づいてくれた先生が布団をかけてくれるというありがたさ。

この頃には脚も動くようになったのでひたすら手足を動かします。19時くらいにガスが出て腸が動いていることが確認できました。NHKのもふもふモフモフをみたりTwitterしたりとだらだらしておりました。

21時にベッドの柵を掴んで一瞬横向きになるのに成功!痛いんで動きたくないけど、寝たままだと背中に熱がこもって暑いんだわ。

熱は38度台のまま変わらずですが、スマホをいじることはできますし心配していた吐き気も全くなく思っていたより楽勝やなと余裕をかましていました。

せっかくテレビカードを買ったんやから家では観れないBSを観ようとチャンネルを回していると、出産しない女たちという番組が放送されていました。

「子どもを産むのが女の幸せ」「母性は本能」と世間一般では言われる。が、果たしてそれは真実なのか?母親にならないという選択を嘆くべきではないと、女性たちが反論する
子どもがいない自分自身をネタにするコメディアンのパフォーマンスと体験談を軸に、作家、助産師、哲学者など女性たちが通説に反論し、子どもを産まなくても幸せになれると主張する。人間に生まれつきの母性などないとして、社会がいかに「子どもを持たない女性」の悪いイメージを作り上げてきたのかを指摘する。“母性神話”と社会の押し付けに物申すドキュメンタリー。 原題:[m]otherhood(スペイン 2018年)

出産するつもりがないので卵管を塞ぐ手術を受ける女性が出てきます。手術費用は国が出してくれ、彼女のパートナーも「君の身体のことは君が決めるものだ」と彼女の意思を尊重していて、とても素晴らしい内容でした。日本も見習って欲しいものです。


素晴らしい番組が終わってからもテレビはつけたままにしていました。例の看護師がやってきて「この時間おもしろいテレビやってる?」ときいてきます。「あんまりないですねー」と答えるとどっか行きました。

消灯時間が過ぎていましたが、この病院は個室なら電気をつけていてもいいみたいです。全く眠気がないので起きていましたが、深夜になると咳が出るようになりました。咳するときって腹筋を使うので手術直後のお腹がかなり痛みます。咳き込むとお腹全体に衝撃が走り、しばらく痛みが続きます。私は元々喉が弱く、花粉の時期は鼻も喉もおかしくなって数か月咳が出つづける体質です。術後は咳が出て辛いという体験談を読んでいたのでのど飴を大量に持ってきていましたが、まだ何も食べてはいけませんし、水も飲めません。ダメ元で例の看護師に飴を舐めていいかききましたが、やはりダメでした…

テレビも飽きたので消しました。例の看護師が電気を消すかきいてきます。何段階か明るさを調整できるので、少し暗いかなというレベルにしてもらいます。真っ暗だとナースコールを見失って不安になるので…部屋の入口かベッドのかなり上にしか明かりのスイッチがないので自分ではいじれないようになっています。普通の家みたいにリモコンでつけれるようにして欲しい…

朝6時にOS-1を飲んだきりで水分は点滴からしか取れないので口の中も喉もカラッカラです。咳が出て辛いと訴えると、うがいならできるけどと言われお願いすることに。水が入ったコップを渡されガーグルベースを顔にひっつけられます。「自分で身体起こしてうがいして」ベッドは数センチしか上げてもらえません。横向きになるのもキツいのに片方のひじで身体を支え水を口に含みます。もちろんお腹はめちゃくちゃ痛いです。それでも口の中が潤うのでうがいをした直後は気分がいくらかマシになります。

何度かうがいをさせてもらいましたが、痛すぎて一度勢いよく水を吐き出してしまいました。「ゆっくりやらないから零れた!ここらへん濡れたわ」と吐き捨てて出ていく例の看護師。箱ティッシュが手の届く場所にあるので自分で拭きましたが、この対応はないでしょ…

まだ熱があるわ咳が止まらんわ腹は痛むわで混乱していたせいで曲がるストローを使えばいいということに気づいたのは翌朝立てるようになってからでした。てか看護師がストロー使うかきくべきなのでは。

うがいしても咳は出るので眠れない夜を過ごします。硬膜外麻酔のボタンはちょこちょこ押しているので、咳さえなければ痛みは軽いです。例の看護師が呼んでないのにやってきて痛み止めの点滴を流します。この点滴は一度やると6時間だか8時間だかあけないと追加できないそうです。硬膜外麻酔があるので別にいらないんですが、熱が下がらないから入れるとのこと。

痛み止めを流して10分くらい経った頃、左腕が重く気持ち悪い感じになり、曲げると痛みます。仕方なく例の看護師を呼ぶと今度は若い看護師さんも一緒に来ました。点滴が漏れているわけではないので腕を動かすと痛みはなくなるはずと言います。別の人間がいると妙に親切そうな口調になるのが腹立つなぁ。

腕を上げたり下げたりしてみたけどあまり効果はないようだ…痛み止めがなくなるまで耐えるしかない…痛み止めのせいで余計痛い場所が増えるってどういうことやねんって今になって思います。

例の看護師が尿を溜める容器を見て「おしっこいっぱい出てるから流しとくわ」といちいち言ってくるのもイラつきました。昼の看護師さんは黙って流しにいってくれてたのに。本当に余計なことしか言わない女。

そんな例の看護師が唯一役に立ったことがあります。咳が止まらないと再度訴えると、ぜんそくの子供が吸入する酸素を持ってきてベッドの上に取り付けてくれ、部屋が加湿されるようになりました。加湿されすぎて息苦しくなりましたが咳の辛さよりかはマシです。

加湿のおかげで咳の頻度が減りましたが、やはり油断すると急に出ます。いつ咳こむかと思うと眠れないというのもありますが、目を閉じている間に例の看護師がやらかすのではないかと不安でずっと目を見開いたまま起きていました。髪の生え際を爪で押すと咳が我慢できるという発見をしてからはひたすら押し続けていました。我慢はできますが、喉の不快感はそのまま残るので楽になりたい欲求に負けて咳をしてしまうこともありました。

時計を穴が開くほど見つめ夜が明けるのをひたすら待ち続けます。

窓の外が明るくなってきました。時計の針は6時を指しています。もう少しで水が飲める!

例の看護師がやってきて「寝れた?」ときいてきます。咳とお前のせいで一睡もできんかったわと言いたくなるのをおさえ、寝ていないと伝えます。えっ寝てないの?みたいなことを言って採血してきます。これが信じられないほど下手くそで痛い。刺す角度もおかしいし、刺さってる針に手をぶつけてくるんですよ…喉カッサカサで声出したくなかったんですけど痛いって言ってしまいます。「ごめんごめん」と軽く謝られましたが返事するのもしんどい。終わるまで微動だにせず天井を眺めていました。

次は尿管を取るか聞いてきます。この看護師には何もされたくなかったのですが、尿管が邪魔で一刻も早く外したかったので取ってもらうことにしました。ズルズルッと抜ける感覚が気持ち悪いだけで痛みはなかったです。

そしてベッドから起き上がります。片方の脚を下ろし、肘をつきながらもう片方の脚を下ろします。ゆっくり動きたいのですが、看護師に急かされるので痛くても無理やり起き上がります。呻きながらベッドに腰掛けるといつもの薬を渡され飲みます。痛みで疲れきっているせいで24時間ぶりの水分に感動する余裕もなく錠剤を飲み込みます。

次は手術着からパジャマに着替えます。パルスオキシメーターと心電図とはお別れです。あったかい濡れタオルで顔と身体を拭きます。おむつみたいなのを外してパンツに履き替えさせてもらうのですが、例の看護師は点滴の針が刺さっている部分に手をぶつけてきます。傷があるお腹にも手をぶつけてくるので痛い!もう!と言うと「じゃあ自分でやる?」とイラついているようです。何イラついとんねんお前が悪いんじゃ!と心の中で吐き捨て無言で履き替えます。ベッドの柵を掴んで足を踏ん張り立ち上がります。これも痛い。そのままベッドの端まで歩きます。腰を曲げたままでいると背筋を伸ばして歩くように言われてまた無駄に痛い思いをします。

歩き終えると、次にトイレに行くときは看護師がついていないとだめなのでナースコールを押すようにと言い、そのまま看護師は出ていきました。やっと解放されてホッとします。

動くと痛いのでベッドに腰かけたままスマホを触っていると急に目の前が暗くなって気持ち悪くなりました。幸いナースコールが近くにあったので押し、ベッドの柵に頭を預けて待つのですが、なかなか来てくれません。視界が暗くなるなんて初めてだったので焦ってもう一度押すと看護師さんがとんできてくれました。目がよく見えないのではっきりとはわからなかったのですが、左腕が痛いときに例の看護師の隣にいた人のようです。「唇が真っ青!ちょっと待っててください」と一度出て行き、入院するときに案内してくれた感じのいい看護師さんを呼んできてくれました。「顔が真っ白になってるわ」血圧を測ってもらうと上が90いかないくらいでした。これが低血圧というものかーとフラフラになりながらベッドに寝かせてもらいます。途中で例の看護師が部屋を覗いて「倒れちゃった?」と言っているのが聞こえてまた腹が立ちます。しばらく寝て大丈夫そうなら歩く練習してねと言われ、しばらく気を失うように眠りました。

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