栁生語録第5号「焼きそば」
毎日、暑いです。毎年、例年に比べて暑くなってると言ってる気がします。もう勘弁してほしいです。
今日は大学の頃の部活のマネージャーの話をします。高校の頃に憧れていたマネージャーを大学になってはじめて持つことができました。そして、幻想から覚めました。
あれは、部活動のファミリーという制度で上回生の先輩の家で、後輩とマネージャーとぼくとで親睦を深めていたときのことです。
先輩が2人、同回生が1人、後輩が3人、同回生のマネージャーが1人でした。
まず、みんなで大富豪をしてワイワイしました。その後、その当時流行っていた携帯アプリの戦争ゲームをすることになりました。
ですが、ぼくとマネージャーはやったことが無かったので、見学することになりました。特段興味がなかったぼくは今さら始めようとも思いませんでした。マネージャーも始める気はなさそうでした。
やることがなかったぼくとマネージャーでみんなの分のご飯を作ることになりました。メニューはあらかじめ、材料を買っておいた「焼きそば」でした。
ここでいきなりマネージャーが
マ:「あたし、焼きそば作れない」
と言い放ちやがりました。
ぼく:「〇〇ちゃんは1人暮らしやけど、あんまり料理せえへんの?」
と優しく声をかけました。
マ:「いや、料理はするけど、焼きそばは作ったことない」
いやいやいや、1人暮らしは2日に1回は焼きそば食うやろ、と思いましたが、心の中に留めておきました。
とりあえず、6人分は一気に作ることはできないので2人分をぼく1人で作ることにしました。まあ、いずれ野菜切るとかそういうのはやってくれるだろうと思っていました。
焼きそばには少し自信のあったぼくはさらっと2人前を作ってみんなにふるまいました。もちろん、なにもしなかったマネージャーも食べやがっていました。
みんなにおいしいと言われ気分を良くしていたぼくは、とりあえず何も言わず見逃してやりました。
2人前しかなかったので、すぐになくなってしまい、みんなはゲームに戻り没頭していました。
マネージャーもお気に入りの先輩の横に座ったまま動こうという素振りは見せませんでした。
ぼく:「〇〇ちゃんは昨日何作ったん?」
マ:「ハンバーグ作って、作りすぎちゃったからタッパーにいれて冷蔵庫入れてる」
いやいやいや、ハンバーグて、料理レベルで言うたら焼きそばの54上やん。絶対焼きそばの方がとっつきやすいやん。絶対世の中の男はみんなハンバーグ作れる女が好きなんでしょって思いながら昨日家でパンパン空気抜いてるやん。
あと、作りすぎたとかそんな情報いらんねん、おまえのその茶目っ気アピール聞いておれはどんな顔すればええねん。
喉元まできましたが、言うのはこらえました。
ぼく:「焼きそばの方が簡単じゃない?」
マ:「そうかな?」
といいながら先輩の横に座り続けて、先輩のケータイ画面に目を戻しました。
いやいやいや、ほんまに質問したんちゃうねん。作れっていうてんねん。
で、実際焼きそばの方がハンバーグより簡単やから。
それとお気に入りの先輩も先輩でまんざらでもない感じ出すなよ。
心が叫びたがっていました。
仕方なく2回目もぼく1人で2人前を作りました。飽きさせないために少しカレー粉をいれてカレー味にするという一流創作料理屋並みの工夫をこらして出してやりました。
みんな夢中で食べてくれました。
マ:「さっきの方が良かった」
いや、お前だけは言うな、
そもそも優秀な食品会社の大人たちが考えた作り方に沿って作った方がうまいことなんておれも知ってんねん。
それでも、もう1回分あること考えたら、ここで1回味変させてる方がいいって判断した上でこっちはやってんねん。なめんなくそ尼が。
もう3回目の準備に取り掛かっていました。
マ:「なにがこのゲームそんなにおもしろいの?」
そう思うなら、焼きそば作れ。
てか、ゲーム作った側もお前みたいなしょうもない女にわかるように単純にはしてないねん。おまえみたいな能無しはだまって焼きそば作ってればええねん。
と思いながら2人前の焼きそばを完成させてやりました。そして、実家暮らしのぼくは家が少し遠いのでみんなより先に帰りました。
以上、焼きそばが大好きだよっていう話でした。
完
次回 栁生語録 第6号 「その後、マネージャーと先輩はやったらしい」
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