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人生の大先輩方と一緒に「高齢期」について学び、考える

かなり前になりますが市町村が開催する「介護予防教室」の講師の仕事にお声がけいただきました。高齢期の受講者さん達に「食の大切さを
改めて理解していただき、バランスよくしっかり食べていただくことや方法をお伝えする、今後の介護予防につなげていく」という趣旨なのですがここで私は本当に沢山のことを学びました。

国の介護予防の方針に沿って私たち「栄養士」がお伝えすることをすりあわせるミーティングが最初にありました。ここでまず「そうなのか!」という驚きがありました。

中高年向け「生活習慣病予防」「メタボリックシンドロームを防ぐ」などのテーマにおいては「とり過ぎを抑える」というのがポイントになりますが介護予防においては過多であれば同様に「適量に抑えましょう」ですが、むしろ「しっかり食べよう、低栄養を防ごう」というのがとても大きな伝えるべきポイントになるのです。

「低栄養」は言葉通り「栄養素・カロリーが足りていない状態」なのですが「なぜそうなるの?大人なのだからしっかり食べないと、というのは意識するのではないのか?」「人ってお腹が空けば食べていくのでは?講座でみんなに伝えなければならないほどそういう傾向になってしまうということなのか?」と最初、よくわかっていませんでした。

また「人生の大先輩年齢の皆様に対し若輩者(当時中年期ではありましたが)である私がどういう姿勢だと聴いて下さるのか?」というのも気にかかることでした。

講座はスポーツトレーナーさんの運動指導を中心に、口腔ケアの専門家・歯科衛生士さんと管理栄養士の講義が時々入る、という構成でチームで取り組んでいました(地域により講座の開催頻度とトータルの期間は違っていました)。

そして介護予防教室が始まり、私は「高齢期にこれから訪れる身体や食欲の変化をお知らせしながら、皆さんと一緒に考える」という姿勢で取り組んでいきました。
先に書いた
>「なぜそうなるの?大人なのだからしっかり食べないと、というのは意識するのではないのか?」という疑問がありましたが
この「しっかり食べないと」ということは 今までの生活の延長上で知らず知らずのうちに食が細くなっていくと実は気づかず意識しないこともあるのです。だから、伝える、予め知って置く、一緒に考えることが大事なのだとその後わかってきたのでした。

受講者の皆さんはお話をよく聴いて下さいました。
その中で忘れられない出来事があります。
当時「栄養情報番組」が流行っていて観ている方が多く、若干センセーショナルに伝えられている情報を目いっぱい「こうなんでしょう?」と口にされる方が結構おられました。「極端におっしゃるなあ(しかも割と間違っているし)」と若干苦々しく思っていてそれを講座受託会社の栄養士さんにお話したところ、彼女は「良いかも知れない、と思って情報に耳を傾けるって『若さ』ですよ、その若さは尊重しましょうよ」と仰ったのです。

その言葉は目から鱗で、今日に至るまで受け取り方が本当に変わったありがたい言葉でした。以後「それはそうなんですけど(間違っている場合は直す)、こういう取り入れ方をすると良いかも知れないですよね」という伝え方に変りました。

受講者さん達やチームのプロフェッショナル達にその後も数えきれないほど
色々学び、発見させていただくのでした。

つづく

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