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乗り越えるべき壁
地獄のような連敗の最中、サポーターも度重なるブーイングで声をからしていることだろう。それどころか、ブーイングをする気力すら湧かない者もいるだろう。
ここ2試合はマリノスのダメなところが如実に表れ、まんまとそこを突かれた敗北だった。
相手も相手で、どちらもシーズン序盤から残留争いに苦しむ2チームであり、優勝を目指し僅差で首位に立っていたマリノスにとっては、文字通り負けられない一戦だったはずである。負けていい試合があるわけではないが、「そこを落としているようじゃね…」と思うのはごく普通のことだろう。
対策されたら、勝てない。
振り返ってみると、このような試合は過去にもたくさんあった。20年以降のホームガンバ大阪戦は特に象徴的で、相性で言えばセレッソ大阪とコンサドーレ札幌もなかなか勝てない。今年の試合では、負けはしなかったがH柏戦とA名古屋戦があまり良い内容ではなかった。
スタイルを確立することの弊害として、より研究がしやすくなるのは間違いない。が、そこで講じられた対策をさらに上回るのが本当の強者である。果たしてマリノスがその境地に達することができるのか、はこれから明らかになるだろう。
離脱者の続出
今シーズンは、開幕前からほぼずっと複数人の故障者を抱えている。宮市の離脱に始まり、その後は小池龍太、植中、飯倉、角田、小池裕太、西村、一森、ヤンマテウス、そして畠中と、あまりにも「つき」がないシーズンを送っている。
その上、譲瑠とマルコスの移籍もあり、ここまでのリーグ戦で27名もの選手がピッチに立っている。昨シーズンも一昨シーズンも年間を通して出場したのは26名だったことを考えると、この数字が多い方なのが分かる。
念のため、ここまでリーグ戦の出場が無いのは、GKは白坂のみで、FPは實藤、小池龍太、加藤、榊原、村上が該当する。こんなもんではないだろうという選手も何人か含まれている。
恒例行事と化してはいけない
15年ぶりの優勝をつかみ取った19シーズン、再び川崎の連覇を止めた22シーズン。どちらもこの8月に不調に陥っている。それが果たして気候の問題なのか、移籍期間があるからなのか、あるいは研究がちょうど煮詰まる時期なのか。
原因は分からないが、二度その壁にぶつかっては突破をし、今年が三度目の挑戦となる。ポジティブに捉えればフラグが立っているとも言えるが、結果が出るまではそう「うかうか」してられない。
こんなジンクスは正直無くて良いのだが、順調に行ったところで昨年の終盤戦のことがあるので、結局は順風満帆なシーズンを求めても仕方がないのかもしれない。
鬼門:ルヴァンカップ
今週はルヴァンカップの準々決勝がある。対戦相手は、奇しくも同グループを勝ち上がったコンサドーレ札幌で、20年の準々決勝、21年のプレーオフステージでも対戦した相手である。
マリノスとしては、30年間で1度しか制覇していないこのルヴァンカップで、あまり相性がいいとは言えない札幌を相手にすることになり、はっきり言って分が悪いが、天皇杯での町田戦、ホームでの神奈川ダービー、そして残留争い中の2チームとの試合を振り返れば、もはやこの試合で勝つこと以外を想定するのは難しい。それがサポーターというものだろう。
選手もまた同じような気持ちのはずで、ここで敗退することなど毛頭考えていないだろう。あえてこの言葉を使わせていただくが、たとえ分かり合えない部分があっても、上手くいかないことがあっても、試合では絶対に味方として戦うのが、マリノスファミリーのはずだ。
別に現地にいなくてもいいし、中継を見ていなくてもいいが、気持ちだけは常に共にありたい。
僕は、祈る傍らで準決勝のチケット代を稼ぎに行くことにします。
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