幸福の「資本」論
近自然森づくりではフォアキャストからバックキャストへのシフトを呼びかけますが、まず最初にすることは、管理目的(あなたはこの森から何を得たいのか)の設定です。
それは、森づくりを通じてどのような幸せを手に入れたいのか、とも言いかえることができます。そして、ここで多くの人の思考が止まってしまいます。幸せとは何かなんて考えたことがない、あるいは言語化したことがないからですね。
何をもって幸せとなすか。昔の人々はそのために信仰というものを発明しました。信じるものがあれば、私達は次の1歩を踏み出すことができるわけです。
さて今の時代に生きる私達はどう考えるのか。これは、森づくりのバックキャスティングで最初のヴィジョン(理想像)の設定につまづいている人におすすめの1冊です。
幸福の「資本」論 橘玲 著、ダイヤモンド社(2017年)
ここに森づくりの答えは書いていませんが、思考のと言語化の訓練になります。
個人的には今回読み返してみて、「日本語はフェアな人間関係を構築するのに向いていない」という指摘に、唸らされました。同じ本でも何年か経つとまた印象や解釈が変わるものですね。