君と下僕

稚拙な話をしよう
君と下僕の私はきっと愛とか恋とかそんなありふれた関係ではない
雪が溶けるように刹那で繋がってるんだ
公園の子供の声が煩わしいように
きっと雑音と健気さを履き違えてるんだ

もうすぐ春が来ると君が言うけど
もうすぐ冬が来ると私は思う

純粋な心はいつも八つ当たりで
ドロドロとした感情は
濡れた枯れ葉のように纏わりつく

このままでいいのかと殴りたい衝動を抱えては
飛び降りてしまいたいと泣く君を抱く

終わりとか絶望とか
命の前では小さきものなのだ

みかんの花が咲く頃に君はきっといなくなる

お別れの季節がただ漠然とした宇宙のなかで渦巻く

さようなら、小さな君

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