〈短歌〉2024年2月
冬の朝イオンタウンの長椅子は私の読書のためだけにある
サボテンて死ぬんや(笑)と口にして取り戻せない言葉が増える
ここまでの小さな旅と知っているしゃぼん玉をもう追ったりしない
もう一章読むには足りずパズルゲームするには長い夜のバス停
ヘッドフォンしたまま触れる鍵盤のとすんとすんと雪解けの音
小説をめくる一人の寝室に車窓から見た春野が香る
◇感想(セルフ)
電車から見る景色って、窓閉まってるから匂いなんてわからないはずなのに、そのときのことをふと思い出すときってまず匂いが降りてくるような気がする。すごく不思議。
多分、本当は外の景色のにおいじゃなくて、車内で嗅いだシートや砂っぽい空気のにおいとかなんだろうけど、それにしても嗅覚と記憶は強く紐づいてる気がするなあ。これ、もうみんな知ってるのかな。
(→調べたところプルースト効果といって、有名でした。)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?