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WORLD END

作詞作曲:ウタドリ
編曲:STEALTH ALIENZ

君を失ってめぐる世界なら
僕はもういらない
風の消えた空へ、サヨナラ

過ぎてゆく九月の空
消えてゆく赤い花
変えられずに生きていた
心、灰色に染めたままで

影絵とノイズ ぼくはひとり
すりきれた約束 抱いて越えてゆく
終焉-つい-の果て

君を殺して咲いた
眩しい明日ならもういらない
見えない檻、暗闇が押し寄せて

でも、諦めないで繰り返そう
全てが色褪せても
君とみた、あの夢のつづきを

哀しみが天体を回す
真実は眠る 秘密基地の奥に
出口のない悪夢の中で
ゼロの果て、何度でも君に逢いにいくから

黄昏時、儚く揺れたコスモス
忘れたフリして
もう見えない 途絶えた明日
悲しい歌が聞こえても

見上げれば銀河は瞬いている
黒と青 マーブルの縁
見上げてる僕らが確かにいた
覚えているよ、ずっと

過ぎた街の命と 錆びた秩序に埋もれて
閉じた今でもまだ願いは一つ

特別な理由も
生きてゆく、その意味も
ありったけを賭けていい

あの日、君を失くして僕は
本当の願いが分かったんだ
なんだろうと君を離しはしない

ねぇ、二人きりで繰り返そう
全てが滅びゆくとも
終焉の果て、白い虹の向こうに
ふたり見た未来が、きっとそこにあるから

『サヨナラ』

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【概要】

いわゆる『ループもの』と呼ばれるゲームシナリオのエンディングは、大別して二つに分かれると思います。
1.(成長や攻略の果てに)ループを終える
2.(未来に絶望した為、ループ内の何かを守るために)ループを終えない

大体は『1』のシナリオですが、稀に『2』のものもありますね。

この詩は『2』であり、『大事な人を失いたくないが故に、ループから出ないことを決めた主人公』の歌です。

未来を否定しながら、反面、ふたりが見た夢は叶うと信じている。矛盾した思考や行動は完全に現実逃避であり、刹那的で、無責任です。

それでも何故だか共感してしまうのは、僕自身これまでに叶わなかった『こうだったらな』を無数に諦めて生きてきたからかも知れません。

永遠に若いまま、大好きな人と、ずっと変わらずに歩み続ける。
大体のラブストーリーが恋の成就までを描いて、その先をぼやかすように。

陳腐ですが、誰もが一度は夢見たことが、あるんじゃないか、なぁ。なんて。

ちなみにこの物語の最後では、ループしすぎて、テープが擦切れる様に、街の灯(二人以外の全ての命)が消え、秩序(物理法則)が錆び付いて世界が崩壊して終わります。

✎︎____________

【正体】

『さよならコスモス』という名前の、アドベンチャーゲームの主題歌のひとつです。
友達と作ろうとして結局未完成なので、僕の中では、という話ですが(´◉👄◉)
(マルチエンドの予定だったので、『1』の結末だった場合の『ループエンド』という曲もあったりします)

なので『WORLD END』は簡単に言ってしまえば『バッドエンドのエンディング曲』です。
主人公が自ら選んだバッドエンドではありますが。

シナリオを書くより先に音楽ばかりが出来てしまって、サウンドトラック、主題歌は作ったのに肝心の中身がスカスカとは、、、自分の音楽以外の創作の才能のなさを実感した作品でもあります😅

ゲームの話になってしまった(進路修正)

✎︎____________

【制作話】

高校二年の時に一番最初に組んだバンドがあったのですが、この曲はそのメンバーと作っています。
ベースにファズを入れてるのも、オルガンの音色でシンセが鳴っているのもその名残りです。
仕事やそれぞれの事情で、完成を見ることなくまた散り散りになってしまいましたが、僕の手元で出来るだけ彼らの意向を汲み取って作っています。
録音はiPhoneのGarageBandを用いており、ドラムはAIドラムのKyleくんに叩いてもらっています。Kyleくん、ちょっと気を抜くとすぐ荒ぶり出すので、ドラムが暴れてる箇所があったらKyleくんを感じて下さい。

当時は一年ほど曲を作っていなかったので、久々の作曲ということで、力が入りすぎ、鼻息が荒くなって、非常にこう、アレもやりたい、コレもやりたい、と余白がなく、情報過多な曲に仕上げてしまいました。
やはり定期的に創作しないとダメみたいですね。
一曲に載せる執着を完全にオーバーしています。
(それでもこだわり切ったので、自分の中で特別な位置に存在する曲ではあります)

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【個人的な試み】

この曲の特徴は2つあります。
1.『Keyがループする』
『ループもの』の主題歌ということもあり、ループにまつわる仕掛けを設けました。
大まかに、E(イントロ、Aメロ)→G(1番サビ)→B♭(大サビ)→C#(大サビの最後)→E(アウトロ)と転調が行われます。
完成した時に達成感はあったのですが、相当な範囲の音程をカバーしなくてはならなかったため、高すぎる上に低すぎる、なにより自分の声のいちばん美味しいKeyで歌えなくなるという弊害が生じてしまいました(´◉👄◉)
コレっきりになると思うので、自分の中では記念碑的なギミックです。
いつか上手く歌いたい。

2.『マルチシナリオの構造を転写する』
選択肢のあるADVでは主に『共通ルート』と『個別ルート』というシナリオのセクションがあります。『共通ルート』で選んだ選択肢によって、『個別ルート』が決定する仕組みです。恋愛シミュレーションだったらどの女の子と恋をするか。女神転生なら天使につくか、悪魔につくか、みたいな。
WORLD ENDのAメロは『共通ルート』です。
そこからBメロの『個別ルート』に入っていきます。1番と2番でBメロが完全に違う、、、というか、別の曲みたいになってしまうのはそういう意図の元になっています。
そしてエンディングを迎えれば(特に今回はループものなので)また同じ視点(key)に帰って来ます。
ちょっと違う曲になりすぎたのは、シナリオライターが変わってしまったせいなのかも知れません(あるある)

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【まとめ】

と、このようにアレコレ語れるくらい、思い入れの尽きない曲であります。
僕は元々、物語や世界観があって、それを音に変換するように作曲をするタイプなので、物語に思い入れがあるとどうしても熱の入った曲になってしまいます。

曲の解説というか、なんかベラベラ語ってしまいましたね( ̄▽ ̄;)
放っておくとまだまだ話しそうなので、この辺で箸を置こうと思います。
ここまで読んでくれた方は本当に素晴らしい人です。ありがとうございました。

ちなみに『特別な理由』というのは、『さよならコスモス』のメインテーマでもあるのですが、
『自分の生きる理由』の事です。
あなたは『なんのために生きているのか』と問われて、即答できますか?

#オリジナル
#ウタドリ

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