【検証】何人の選手で中超(CSL)全チーム所属は達成できるのか?

tkqさんの記事を真似して、今期中超リーグ16チームを何人でコンプリートできるか試してみました。

■前提

2018年シーズン中超リーグ(中国1部リーグ相当)在籍16チームの前身も含めて在籍した選手、より最小人数で全チームコンプリートする。

まあそもそも企画自体がパクリですし、みなさんそれほど興味があるかわかりませんが、何人かは重要でなく、この調査を通じて中国サッカー界の特殊性を洗い出せればなと思っています。

1・杜威(Du Wei) 
上海申花→(workingholiday)→上海申花→杭州緑城→山東魯能→河北華夏→貴州恒豊


2002日韓W杯メンバーで唯一まだ現役。187cmのCBでU20ワールドユース、アジアカップ等に出場。2010年日本開催の東アジア選手権ではキャプテンとして優勝&MVPに輝いている。

上海申花育ちで、途中ワーホリへて放出され、杭州緑城では岡田武史の指導を受け、強豪の山東魯能へ。ここで戦力外となり2部の河北華夏へ移籍、1部昇格に貢献するも加齢で出番が減り今期は貴州恒豊に完全移籍も2部降格。来年はどうするのか・・

代表68キャップ、日韓W杯等国際経験豊富、各年代でキャプテン、ルックスも上々。DQNが多い中国人選手の中では割と真面目で評判も良く、ほぼ完璧なキャリアを築いている。あのワーホリを除けば・・

(ワーホリについては下記リンク参照。移籍(仕事)と言えるレベルにはない、ワーホリに失礼なレベルだが、適当な言葉が見つからないので)


2・孫祥(Sun Xiang)
上海申花→PSV→上海申花→Austria Wien→広州恒大→上海上港

杜威と同じく1982年生まれ、上海申花出身の左SB。2004アジアカップ決勝でジーコジャパンとも対戦するなど代表キャップ69。2度の欧州挑戦へて、2010年に当時2部の広州恒大に加入後は副キャプテンとして黄金期に貢献、その後生まれ故郷上海に戻り上海上港をキャプテンとして牽引。

キャリアのハイライトは2007年年初にオランダ・PSVへレンタル移籍し同年2月20日のアーセナル戦で中国人初の欧州CL出場を果たした。この試合途中出場すると、左サイドの突破からファウルを得てFK獲得。このFKから元ブラジル代表DFアレックスの同点弾が生まれベスト8進出に貢献している。

ただ2016年シーズンを最後にリンパ癌に侵され療養開始、2018年末上海上港優勝時式典では元気な姿を見せていたが既に引退状態にある。


↓双子の兄、孫吉と「吉祥兄弟」。吉の方も代表入りするなどどちらも頑張ったと思う。若いころはごくごく一部で品川庄司の庄司に似てると言われたが、今は唐沢寿明っぽい気がする

3・趙旭日(Zhao Xuri)
大連実徳→四川冠城→大連実徳→陝西/現北京人和→広州恒大→天津権健

1985年生まれで2003年東アジア選手権に18歳でデビューし81キャップ、現在も代表に残り来年のアジアカップに出るかもしれないボランチ。

2005年U20ワールドユース、トルコ戦ロスタイムのこの決勝弾で「趙一脚」と渾名されちょいちょいミドル決める。今年はACLで柏レイソルから2得点。

元々名門の大連実徳出身(大連実徳→阿爾濱→現在の一方、実徳→阿爾濱は選手は引き継いだがクラブ自体は実徳が一度消滅しているので一方が実徳を継承しているかは際どいけど面倒だしみんな同じと見なしてるのでイコールとする)大連の財政悪化で当時金満だった陝西(前上海国際→陝西→貴州人和→現在の北京人和)へて広州恒大(前広州医薬)→天津権健(前天津松江)なう。

いい選手なんだが渡り歩いたクラブが諸事情ありで、今回のテーマ的にはおいしい選手。

小ネタとしては同年齢で代表や広州恒大でチームメイトでプレイした馮瀟霆と顔が似ており、ネタにされている。

個人的にはレギュラーの西川、最近だと山尾議員と不倫騒動の倉持弁護士に似ていると思うがいかがだろうか

4・于大宝(Yu Dabao) 
青島海利豊→Benfica→Aves→Olivais Moscavide→Mafra→天津泰達→大連阿爾濱(現大連一方)→北京国安

1988年生まれのストライカー、2004年U17ワールドユース後に名門ベンフィカへ引き抜かれ同年代のディ・マリア、コエントランらとプレイしたがポルトガルではあまり活躍できず国内復帰し天津泰達、大連へて現在北京国安ではキャプテン務めるが外人FWとの競争が厳しく、代表主力の彼でも大連ではMF、国安では先日のカップ戦決勝ではCB起用されている。

クラブではパットしないが代表では信頼絶大で50試合17得点、劇的得点が多く特に2017年韓国戦の決勝点は100点分くらいの価値がある。

韓国戦決勝点の後、自身のSNSにはAngelababyや周傑倫(Jay Chou)といった著名人から祝福のコメントが。そのAngelababyと↓


5・任航(Ren Hang) 
瀋陽金徳(その後長沙金徳、深圳鳳凰、現広州富力)→江蘇舜天(現江蘇蘇寧)→河北華夏

1989年生まれの左SB兼CBで2015アジアカップ出場など32キャップ。落ち着いたいい選手なのだが、江蘇→河北移籍時の諸々で個人的に評価が落ちている。本人の非でない部分もあるが

まず残り半年の契約更新をせず、クラブから干される。

それでも当時の代表監督高洪波は信頼し続けた結果、韓国戦(2-3)でオウンゴール+残り2点も彼の責任が認められる失点。任航を4試合使い続け勝ち点1に終わった高解任→リッピ就任し任航を外してからの快進撃は周知の通り。その後無事河北華夏に加入しレギュラーで出場してからはリッピも選出しているので能力ある選手なのは確か。

なお江蘇蘇寧時代にはスタジアムで試合後にプロポーズしたりしている。


6・陳雷(Chen Lei) 
上海申花→長春亜泰→深圳→大連阿爾濱→重慶力帆

1985年生まれ、代表歴2試合を誇るDF、中盤も対応していたはず。正直あまり見たことは無い。重慶と長春を埋めてくれた貴重な存在。

昨年末リーグ戦で北京国安の張稀哲のスローインを妨害し、平手内くらってお互い退場している(張はその後12試合出場停止に)


7・李建濱(Li Jianbin) 
成都謝菲聯→香港謝菲聯→広州恒大→上海申花→河南建業→上海申花

1989年生まれのCB、2011アジアカップの代表メンバー入りもA代表キャップは無し。成都時代は謝菲聯(シェフィールドユナイテッド)と提携していたため、香港のアフィリエイトクラブも経験。その後広州恒大では殆ど出番無く、レンタルへて現在上海申花へ。

中国=カンフーサッカーのイメージがあるのは周知で、関連部門も改善に必死で多少効果はあるはずだが、残念ながらラフなプレイヤはまだいる。李はその筆頭格で、ラフかつ短気、正直精神面に問題があるのかと思ってしまう。身体的に恵まれたところもあるだろうに非常に残念。恒大時代にはアシスタントコーチに頭突きして干されたと言われている。


■結果

7人、因みに本家同様2部、3部までやろうとしたら大変なことになるので1部だけにとどめた。

■考察、特徴

・チームの統廃合、移転、名称変更が激しい

冒頭で「前身含む」といったが、この前身が曲者。日本だとチームの統廃合や移転はヴェルディ、ベルマーレ、横浜フリューゲルス消滅くらいだが、中国ではクラブチームがスポンサーのオモチャなので毎年のよう統廃合や移転、チーム名変更はあった(現在はホーム移転は禁止になった)


一例として北京人和に所属するGK張烈(Zhang Lie)の中国語Wiki

冒頭の瀋陽東進以降、陝西、貴州、北京人和、全て同一チームである。

日本のファンにもお馴染みになった広州恒大ですら、広州白雲山(1990-92)広州太陽神(93-2000)広州吉利(01)広州香雪(02-03)広州日之泉(04-05)広州医薬(06-09) とチーム名としては7代目なのである。

せめて同じ都市間ならまだしも、広州富力、北京人和のようなケースは完全お手上げ。原型をとどめていない。


・中国人選手の国内移籍が少ない

7人はそんなもんだと思うが一部のクラブは難航した。

新興クラブの貴州恒豊、また今年リーグ制覇した上海上港は前回記事の通り外様が殆どいないため、強豪チームの割に在籍経験ある選手が少ない。
近年は中国人選手の移籍金高騰で、国内での移籍がかなり減ったのも関係しているだろう。

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