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【GRAD編感想】私が芹沢あさひを100%支持する理由

※※各種ネタバレ含みますのでご注意頂けると幸いです※※

はじめに

あさひのGRAD編をすでにプレイされたでしょうか。
正直、どうでしたか?
私は震えました。そしてこう思いました。

あさひのプロデューサーとしてやっていけるのであろうか、と。

事の顛末はこうです。

あさひは街中でそばの出前機を見て、興味を持ちます。
そして、Pに出前の見学がしたいから火曜と土曜の午後は予定を入れないでと頼みます。
PはGRADに集中して欲しいため、本当にしたいことは何かと尋ねます。
あさひは「それはプロデューサーさんのやりたいことじゃないんすか?」と言い、自分は出前もGRADも両方やりたいと主張します。
そして、Pは天を仰ぎ、「俺が間違っているのか...」と自問するのです。

私がプロデュース業に不安を持ったのは、あさひのあまりの唐突・破天荒ぶりに付いていけるのか、分からなくなったからではありません。
むしろ、あさひ様の言うことに間違いがあるわけないだろうと、狂信者のような心持ちになっていたと気付かされて、ハッとしたのです。
これは、プロデュースする側の感情として正しいのか、と。

この記事はそう思うまでに至った経緯を整理して、自分の感情にケリをつけることを目的としています。手前勝手な文章になってしまいますが、お付き合い頂けると幸いです。

ストレイライトの意味

ストレイライト

まずはみなさんストレイライトの意味はご存知でしょうか。
これは英語で迷光という意味です。

めい‐こう〔‐クワウ〕【迷光】 の解説
光学機器の内部に発生する、不必要な光の反射や散乱。望遠鏡やカメラの撮影用レンズの場合、フレアやゴーストの原因となる。 出典:goo国語辞書

要するに、光の反射や散乱できちんとした像が見えなくなっている状態のことですね。これはストレイライトのメンバーに当てはまるので分かりやすいのではないでしょうか。

例えば、冬優子の場合。
彼女はステージ上では可愛いキャラを演じていますが、実際にはこう言えば天然で可愛く思われるであろうという計算高い一面を持っています。
つまり、ファンからは冬優子の計算高さは見えていない=迷光をまとっているわけです。

これは愛依の場合も同様です。
彼女はステージ上ではミステリアスなキャラを演じていますが、実際にはもっと明るくてとっつきやすい性格です。ミステリアスを演じているのは、ステージ上では緊張してうまく話せなくなってしまうため。
つまりファンからは愛依の明るさは見えていない=迷光をまとっています。

それでは、あさひの場合はどうでしょうか。
彼女は一見、ステージ上のときも普段のときも変わらないように見えます。
ここには様々な解釈があると思います。


・あさひの光が強すぎて迷光を起こしている(冬優子と愛依の二人の像がぶれている)
・迷光をテーマにしているユニットなので、冬優子と対になるよう迷光をまとっていないキャラクターを配置した
・本当の本当は冬優子と同様に奥にそれを計算しているあさひがいる
など。


私の解釈はこうです。

あさひはあさひ自身が迷光をまとっている。


説明すると、彼女は次に何をするか分からないアイドルです。
次に何が起こるか分からないから、不安ながらもワクワクしますよね。
しかし、次に何が起こるか分かっていないのは、あさひ自身もそうなのではないか、と思うのです。

あさひ自身があさひを分かっていないという状況が、様々な角度であさひを語ることを可能にしています。そのため様々なあさひ像があるのだと思います。

さて、あさひが自分自身を分かっていないのでは、と感じたコミュは2つあります。1つ目はファン感謝祭での一幕です。

ストレイライトのなかであさひは一人だけ物凄く人気になっていました。
冬優子と愛依はレッスン室で練習ばかり。
そんなときに、あさひはある音楽番組のアワードを受賞します。
そこでこんな依頼を出されるのです。

あさひのソロを演ってくれるなら、ストレイライトで1曲やってもいいよ

この依頼にPは葛藤しますが、その話を聞いた冬優子に受けるよう言われて、受けてしまいます。
しかしここでアクシデントが起こります。
ストレイライトで歌ったあと、あさひのソロが始まるはずが、彼女はステージ上で固まってしまったのです。

そのときのことをあさひはこう振り返っています。

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ステージ上で固まった理由については様々な解釈が可能かと思います。
ただ、私が注目するのはあさひ自身がそれを理解していないという点です。

彼女が自分を自分で分かっていないと思ったコミュの2つ目。
それは、【さかさま世界】のTrueENDです。

Pはレッスン室に向かいます。
どうやらあさひのダンスレッスンを見る約束をしていた様子。
「今日は見ているだけでいいっす」
やる気の入ったダンスを披露して、あさひは感想を求めます。
そして、Pは次のように答えます。
「とっても上手だったよ、それに輝きも増している。ダンスの技術だけじゃない。なんていうか、心をわしづかみにされるような魅力。成長しているんだな、あさひ」と。
これを受けて、あさひは純粋に驚くのです。
自分が言ってほしいことを本当に言ってくれたから。

わたし以上にわかってるみたい

この、「わたしのことわたし以上にわかってる」という発言だけで、その心意は分かりません。ですが、わざわざレッスン室にPを呼びつけて、感想だけを求めるという状況がいささか引っかかるのです。

ダンスの感想なら日常的にステージがあるでしょうし、ストレイライト三人でのレッスンもあるでしょう。そこで聞けばいい。

どうしてそのようなことをしたのだろうか。それはPなら自分の感情に言葉をつけてくれる、そう期待していたからではないでしょうか。
つまり、Pの言葉を写し鏡にして、自分の感情を理解しようとした。なぜなら、自分自身が分からないから。
もし自分で自分の感情が理解できているのなら、「わたし以上に」とは言わないような気がするのです。

整理します。
仮にあさひが自分自身をコントロールできていないとしましょう。
するとストレイライトの三人は以下のような表にまとめることができます。

ストレイライトグリッド

冬優子は表も裏もどっちも本物だと言っているように、長年そのように使い分けてきた経験があるため、両方コントロール可能と言っていいでしょう。

愛依は普段の自分はコントロールできますが、ステージ上だと緊張してしまう(コントロールできない)ので、ミステリアスを演じています。

あさひは現状自分が何をするか分かっていないため、表も裏もコントロール不可です。

これは年齢を重ねればコントロール可能になっていく、というのが面白いところです。

さて、三人の関係を表にしたのは訳があります。
それはここで大きく2つのあさひの解釈が可能だからです。
(一体いくつ解釈があるのでしょう。。)

みなさんもご自身がどちらの立場か考えて頂けると嬉しいです。
質問です。彼女の自由・破天荒はどこから来るのでしょうか。

①年齢説。
 彼女の自由・破天荒は14歳という年齢から来るものである。
 そのため、年齢を重ねれば徐々に穏やかになっていくはず。
 ストレイライトの3人の関係はそれを表している。

②特徴説。
 彼女の自由・破天荒は彼女元来の特徴であるから、変化しない。
 仮にADHDだとするなら多少収まることはあるかもしれないが、
 基本的には変わらないはず。

断っておくと、どちらが正しいとか、そういうことを言いたいわけではないです。そうではなくて、この問いかけ自体がシャニマス、引いてはアイマス全体の持つある命題に深く関わってくる、という話がしたいのです。
それはーー

育たないはずのアイドルを育てるという命題

これに尽きます。プロデュースするということは彼女らを育て、その成長を見守るという、苦しくもあり楽しくもある過程です。ですが、二次元のキャラクターは変化できません。年も取りません。アイマスの世界線ではそれが顕著です。

先の年齢説と特徴説の2つの対比は、言い換えれば、彼女は変化しうるのか否かという主義の違いに過ぎません。

あさひは年齢によって成長可能とするならば、成長するのでしょう。
そこには私達がプロデュースした意味があります。
ですが、成長すればそこでお話が終わってしまいます。
逆にあさひが成長しないという立場を取ります。
成長しないため、お話はずっと続きます。
ですが、私達がプロデュースする必要がありません。
なぜなら成長しないから。

この矛盾、この命題をどう考えればいいでしょうか。

さて、ここまで読まれて疑問に思ったのではないでしょうか。
こういう命題があることは理解できる。
でも、シャニマスをプレイしていて、プロデュースしていて、実際に私はアイドルたちが成長している、と実感しているぞ、と。

これはどういうことかと言えば、シャニマス引いてはアイマスはこの命題、育たないはずのアイドルを育てるという命題に対して、もう既に回答しているのですね。

それは、永遠に成長し続ければいい、という回答です。
そうすれば、お話は終わらないが、プロデュースする意味もある、ということをクリアできます。

この発想は、『魔法少女まどか☆マギカ』『STEINS;GATE』『Re:ゼロから始める異世界生活』に代表されるような、いわゆるタイムリープ物の発想に近いです。
タイムリープ物の主人公は、ほとんど解決不能かと思われる困難に見舞われますが、時間をさかのぼり、あらゆる選択肢をやり直すことによって、その困難を突破します。
この構造は、シャニマスのアイドルたちにも当てはまるでしょう。
成長できないという困難を、時間軸が存在しない(変化しない)世界であることを逆手に取り、何度も成長することによって突破しようとする試み。
これがシャニマスの回答なのだと思います。

そして、その構造が特に顕著なのが芹沢あさひだと感じています。

彼女は次々と興味の対象を変えていきます。そして、一つのことに集中している間は他のことが見えなくなってしまう。この理由を特徴として片付けることもできます。けれど、私はタイムリープ物の主人公を見守るような心持ちで、あらゆる選択肢を踏んでいる(失敗している)途中なのだと、解釈し、応援しているのです。(そうだったのか。。)

それ成長に関係ある?と思えるそば屋の出前にしても、その可能性を無いと思って、やる前からやらないほうがいいと決めつけるプロデューサーにはなりたくない。

先程挙げた例、ダンス室でプロデューサーの言葉を待っているあさひを覚えているでしょうか。彼女が求めたセリフ、それは「成長しているんだな、あさひ」という一言だったはずです。

だから、私は芹沢あさひの行動を100%支持しているのです。
どれほど無駄で無価値だと思える言動でも、あさひにはそれをする権利があるし、そうさせてあげたい。だって、そのためのシャニマスなのではないか。そう思うのです。それは他のアイドルのプロデューサーも同じなのではないでしょうか。

おわりに

私は考察や感想は正解も不正解もなくて、単なる二次創作だと思っているので、その考察自体が面白いと思えればそれでいいと思うのです。
なので、この手前勝手な文章が誰かの、何かの、参考になればとても嬉しく思います。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

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