鬼滅の刃、創作BL〜煉獄の見た夢〜

※こちら、煉獄さん×炭治郎の創作BLとなります。
また、鬼滅の刃〜無限列車編〜をアニメ版で見た後に読んで頂ければ幸いです。
基本的にアニメ版の流れを崩さないように、キャラクターの個性を崩さないように創作しております!
良いね、コメント頂けましたら創作意欲が湧きます!
よろしくお願い致します!

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小鳥達の囀り、新緑の気持ち良い風が屋敷を吹き抜ける。まるで夢のような心地よい場所だ。
(ん?俺は何しにきた?)
煉獄は日輪刀の存在に気付き、父上に報告に来た事を思い出した。

「父上、とうとう、俺も鬼殺隊の柱になりました。」
父上は乱れた布団の上にだらしなく、書物を読み老けてっている。
「この前、鬼を討伐した時、駅の弁当売りのご婦人と知り合い、父上へ対して感謝を述べておりました。
後、お館様の所に連行された竈門と言う少年が鬼の妹を連れて鬼殺隊に入隊されました、その少年を俺の継ぐ子にしようと思います。彼は唯一俺の訓練に着いてきてくれて、今、彼も来ております。柱として、」
「柱になったからなんだ?。。。くだらん、どうでもいい。」
父上は呆れたのか、書物を読むのもやめ、無気力にふけた。
「どうせ大した者にはなれないのだ。。。。お前も、俺も、、、」

あんなにも熱心な父上の何が、急に剣士をやめた。
煉獄は落胆を感じながら、廊下を進む。
襖から弟の千寿郎が様子を伺いに来ていた。
「あ、兄上。父上は喜んでくれましたか?」
気弱な性格の千寿郎はもじもじしながら続けた。
「俺も柱になったら、父上に認めてもらえるでしょうか?」
(考えても仕方ない事は考えるな。。。千寿郎はもっと可哀想だろ。。。)
煉獄は、千寿郎の目線に合わせて優しく語った。
「父上は喜んでくれなかった、どうでもいいとのことだ。しかし、そんな事で、俺の情熱はなくならない。心の炎が消えることはない。」
千寿郎は目に涙を浮かべる。
「決して挫けない。そして、千寿郎、お前は俺とは違う!」
千寿郎の手を握る。
「お前には兄がいる、兄は弟を信じてる!お前がどんな道を行っても、立派な人間になる。燃えるような情熱を胸に頑張ろう。。。」
千寿郎は煉獄の胸に飛び込み泣いた。

その光景を広い庭から見つめる竈門少年、それに気付き、
「千寿郎、彼は俺の継ぐ子だ。これから稽古をつけてやりたい。一緒にやらないか?」

千寿郎は涙を拭い、笑顔で頷いた。

「そんなに焦って振り下ろす必要はない、」
そっと千寿郎の肩に手を置く
「肩の力を抜いて」
「こう?」
「そうだ」
千寿郎の握っている木刀が風を切る音がする。
「いい振りになってきた、、、気になったのだが、女中でも入った様だな。」
「いえ、そのような者はおりませんが。。。」
「そうか、俺の勘違いか。」
茂みの方を見つめながら煉獄は気配を探った。

「わー千寿郎君!凄い綺麗な構えだ!しっかり鍛錬した証拠だよね!」
「そんな事ありません。。父からは常々、才能がないと、言われますので、、、」
「そんな事ないよ!千寿郎君は絶対に良い剣士になれるよ!才能があるよ!」
「ありがとうございます。あ、そろそろ夕食の準備をしないといけないので、失礼致します。」
千寿郎は照れを隠す様にその場を後にした。

「俺の継ぐ子になってくれてありがとう。これからも、千寿郎の事もよろしく頼む。弟には俺しかいなかったのだから」
風が木々を靡かせ、波の音を奏でる。
煉獄は気付く、竈門少年の手は思いの外小さく、腰はしっかりはしているがどことなく、幼い。しかし、ボロボロで今までの努力が一目で分かった。

「よし!まずは手始めに素振り一万回だ!」
それからも、煉獄の稽古は続いた。
人の背丈はある大岩を担ぎ山からの往復、
丸太の上に水が並々はられたを桶を一昼夜頭で持ち続け、
四肢と大木を繋ぎ、木が折れるまで綱引き。。。

星が煌めきが眺められる縁の下で
竈門少年は大の字で、伸びて横になった。
煉獄はその横に座った

「うむ!ここまで鍛錬について来れたのは竈門少年が初めてだ!俺の教育が良い証拠だな!。。。しかし、鬼が活性化した今、俺はいつまで戦えるかわからない。千寿郎には自分の身を守る自信をつけさせてあげたい。。。」
煉獄の兄の一面が見えた。
「それだったら!」

「これより、千寿郎と竈門少年の一騎打ちを行う!」

二人は木刀を構え、見つめ合う。。。
風が、木々を揺らし、青葉が一枚地面へと舞い降りた。
「はじめ!」

カッ!カンッ!カッ!
木刀が打ち合う音が晴天に甲高く響く!
(千寿郎君はしっかり型ができているから、隙がない、これが長く煉獄家で鍛えられた証拠だ、)
「炎の、呼吸、、いちの型!不知火!」
煉獄の呼吸に比べると、弱々しいが、竈門少年の意表をつく事はできた。

「炎の呼吸!!!使えたのか!あっ、足が取られて!!!」
竈門少年は尻餅をつき、さっと千寿郎を見ると、木刀の矛先が竈門少年の鼻の先にあった。
「一本!!!千寿郎、よくやった!兄は嬉しい!」
「。。。千寿郎君は、いい剣士になるよ!しっかり才能もある!誰に何を言われようと、俺が保証する!」

千寿郎は荒くなった呼吸を整えて、満面の笑みを浮かべた、
「父上に話してみます!」
木刀を胸に抱えて父上の元へ駆けて行った。

「竈門少年は優しいのだな。俺はそう言う所が好きだ!さすが、俺の継ぐ子だ!千寿郎も自信を付いた、まるで夢のようだ。」

玄関の方から怒号が聞こえた!
「才能の無いお前に、剣士なんてなれるはずがない!!柱なんて持っての他だ!」
父は酒瓶を、千寿郎に叩きつけようとした。
煉獄はそれを庇い、酒瓶は頭に直撃し血が足元へ飛び散った。
「僕が剣士に憧れたから。。。」
千寿郎が屋敷から飛び出した。その瞬間!
ドドドド!ひひーーーん!

急に飛び出した千寿郎に驚いた馬車馬の蹄が、千寿郎に振り下ろされそうになる。
「危ない!!!!」
竈門少年は千寿郎に飛びつき、その場で抱き抱え、地面に転がり込んだ。

「以前、蝶屋敷の方より頂いた薬を溶かして、湯を沸かしました。これで傷も癒えるとのことです。」
千寿郎は浴衣の準備もしてくれているようだ。

「兄上、炭治郎さん申し訳ありません。僕がもっとしっかりしていれば。。。」
「鬼と戦っている時の傷に比べたら全然へっちゃらだよ!」
「うむ!この程度かすり傷だ。」
千寿郎は深々と頭を下げ、その場を去った。

格子の隙間から夕暮れの橙色の光が差し込み、浴槽の湯気を照らす。

「すまない。狭い風呂で。」
煉獄に抱かれるように、竈門少年は背中を委ねる。
「いえ。。。それにしても、千寿郎君の所へ一瞬で移動できるなんて、どう鍛えたらあんな動きができるのですか?」

「んーそうだな。やはり、脚力が大事だ。剣士たる者、呼吸も大事だが、基礎の鍛錬を忘れてはいけない。」
煉獄は薬湯の中でそっと、竈門少年の太ももに指を添える。
「この大腿筋から臀部、腹斜筋から」
優しく指で撫でる。
竈門少年は、くすぐったい感覚と湧き上がるムズムズする感情で耳や頬が赤らむ
煉獄の指は止まらない。
「そして、体幹が緩んではいけない内転筋も。。。。。うむ、やはり竈門少年も男の子なのだな。」
竈門少年の顔は炎の様に赤くなる
「俺にも性欲というのがあったのだな。俺は竈門少年の事が好きだ。こうしていられるのも、夢の様、、、」

突然、桃色の炎に身が覆われた。

「そうか、やはりこれは夢の中か、つまり竈門少年、、、この世界は願望だったわけだ。」
夢の中の竈門少年は、これが別れだという事を察したのだろう。。。下を俯いた。
「少しの間だったがいい夢が見れた。ありがとう!短い時間ではあったが、この優しい温もりは忘れない。」
煉獄はそっと笑みを浮かべ目を閉じた

「ムーーーーーー!!!!」
竹の口枷をした竈門少年の妹が必死で訴えかけていた。

辺りは肉の壁に覆われてる。すぐに理解できた。これは鬼の腹の中だ!
「そうか、竈門妹の血気術で起こしてくれたのだな!ありがとう!心配をかけた!」
竈門少年がいない、、、きっと手がかりを探しているに違いない!
日輪刀を鞘から引き抜き
「うたた寝している間にこんな事態になって様とは、、、よもやよもやだ!」
日輪刀を握りしめ
「柱として不甲斐ない!」
日輪刀を構えて、その場で飛脚
「穴があったら入りたい!!!」
煉獄は身を捻り、まるで風車が天を切り裂くように、肉壁に斬撃を加え、
竈門少年の元へ駆けつけた。

竈門少年を見つけた時、状況の打破を考察しているようだが、その目には不安が見える。
しかし、煉獄杏寿郎の継ぐ子としての竈門少年に希望をこめ、無限列車の鬼の討伐を任せた。

きっと、俺の継ぐ子はこの極地に日の光を照らす光となる。
俺はそれを信じる。

煉獄は日輪刀を強く握りしめ乗客を守るのであった。

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