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be accustomed to do vs. be accustomed to doing

be accustomed to といえばその後ろに来るのはdoingということで私も授業では教えていますが、先日Of human Bondageを読んでいましたら(ちっとも進んでませんが)

the Vicar was accustomed to read prayers

なる文が出てきまして、おやと思って全文検索をかけましたら、be accustomed toは全部で22件ありまして、そのうちto 原形が9件、to doingが3件ということでした。

GoogleNgramで調べてみましたらこんな結果。

doingとdoが逆転するのは…1980年ころ…なんですか。

COHA( Corpus of Historical American English)にあたってみますと…

これがbe accustomed to doの用例数。1900年よりも前のエリアで色が濃くなっています。これに対してbe accustomed to doingは…

1900年以降に目立ち始めているようにも見えます。

Of Human Bondageの書かれた1915年はちょうどその過渡期が始まりつつあり、原形を用いるのが一般的でありながらdoingも使われ始めた時期だということができるでしょうか。doingが使われている例を一つ挙げておきましょう。

He had become accustomed to living without his wife and missed her very little.

おなじみPractical English Usage(手元にあるのは3rd edition)では、

...we can generally use either an -ing form or an infinitive without much difference of meaning. (p.277)

とあります。

ところが、『現代英米語用法事典』(安藤貞雄,山田政美編著, 研究社, 1995)では、

「…に慣れている」の意味では [+A(名詞/doing)] を従えるが、「…するのが常である」の意味では通例to不定詞を伴う。(ただし, CAUは両表現に意味の違いを認めない)

とあり、例文として以下が挙げられています。

His eyes got accustomed to the dark.(彼の目は暗さに慣れてきた)
He is accustomed to staying up late.(彼は遅くまで起きているのが習慣である)
He is a precise, scholarly man, accustomed to think before acting.(彼は几帳面な学者肌の男で、行動に移る前に常に考えるのだった)

また、「ただし、CCEUはto不定詞を伴う形式を認めていない。」と付記されています。to不定詞とto doingでは意味の違いが生じるという記述は今回初めて発見しました。『現代英米語用法事典』はだいぶ昔に手に入れたものなんですが… とりあえず、Of Human Bondageをさらに読み進めて考えていきたいと思います。継続審議です…

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