い313.！陽緑帯！

2023年8月3日 00:41

腕にケロイドがいくつかある。
それはまるで北斗の拳のように、がんばれば星座に見えなくもない。
なぜこんな傷があるかという話をする。

小学生の時に「ほくろを取ると死ぬ」という噂が教室でまことしやかに囁かれた。クーラーのない教室で窓を開け放ち、風はカーテンを揺らしていた。明るい日差しと蝉の声がする授業中。「おれはほくろ取っても死なない」という証明のためにペンでほくろを取っていたからである。
女子たちの叫び声が聞こえる。
なんとも言えない達成感を感じた記憶とその時の傷跡が残っている。
あの頃おれは悪だった・・・。
それから20年が経った・・・。

新しいミニアルバム「あこがれGOLDEN」をリリースすることになりました。
今月からいよいよはじまる”小野雄大band setでの初の東名阪ツアー”から発売開始。
会場限定300枚。
はやくみんなに聴いてほしいな。
演奏するのがたのしみだ。

このタイトルにある「あこがれ」は、6月に開催された新潟でのイベント「陽緑帯」にて披露した楽曲「あこがれ」からきている。

中学生たちから事前にもらったアンケートの中にあるワードから歌詞を作って、曲を作り、本番当日のワークショップでメンバーにはじめて聞かせて、中学生たちがみている中でバンドサウンドに仕上げていった。

その後の本番。
ライブ本編クライマックスでワークショップに参加してくれた中学生にもステージに上がってもらい、みんなで歌った。
その時の大きな感動は自分たちさえ動かして、急遽今回のミニアルバムに収録することになった。

その日の様子がYOUTUBEにアップされている。

陽緑帯がなければ、タイトルは「GOLDEN」だったと思う。

中学生の頃、音楽にハマって、高校生からバンド活動をはじめた。
高校に入っても放課後集まって毎日スマブラと大富豪をしてた友達とバンドを組んだ。
美しい青春の限りある時間を有効に活用しようではないか、ということだ。

周りに音楽をしている人がいなかったので、自分たちで手探りでやるしかなかった。
ブルーハーツをコピーしたかったけど、下手すぎて出来ず、譜面も当然読めないので、「オリジナルにしたら誰にも正解わかんねーじゃん」ということで、オリジナル曲だけやることにした。

バイトしてMTRやドラムセットを買って家の農作業小屋に簡易的なスタジオを作った。
近くのスタジオでも自転車で１時間かかったからだ。

そこからは割愛するけど、そうやって自分の音楽活動ははじまった。
やがて受験や進学などで、バンドは解散したり、また別でバンドをしたり、たくさんの出来事があって今に至るわけだけど、いつも思っていたのは「詳しい人が近くにいたらな〜〜〜」だった。

手探りは楽しく、青春時代の有り余る体力を注ぎ込むにはちょうどよかったけど、随分遠回りをした。
遠回り癖みたいなものがたぶん自分の根幹にはあって、だから今でも”バズる”とかウザ、と思っている節がある。

自分の性格上苦労して手に入れた今の環境はよかったとは思う。
が、しかし、もう少し開けていてほしいとも思う。

「音楽を仕事にする」
とかそんなことは考えず、音楽を作るということや、演奏を味わう、表現する、そういう体験ができる場を作りたいと思った。
それがワークショップであり、その先の未来に、陽緑帯というイベントの「実」がなってくれたらいい。

家族親族をはじめ、地元の皆さんの協力を得て、大成功といえる出来だったかと思う。
来年開催する時には、きっともう少し「うねり」が生まれてくるのではないかと思う。
「なんでこんなところでこんな面白いことが行われている（た）のか！？」
と、少しずつ気づいてくれる人が出てきてくれたらいいなと思う。
そのために血の通ったイベントとして、開催を続けていきたい。

快く受け入れてくれて、楽しんでくれたメンバーにも本当に感謝です。