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郊外249.みる風景

行きたいところをgooglemapで調べて路線バスで向かうことにした。
バスには乗り慣れていないから、いつもちょっと不安。
ネットで調べてさらに時刻表とにらめっこして、これで合ってるよなぁと指差し確認。

Suicaが使えないので整理券を取った。
整理券なんて何年ぶりだろう。
平日の昼間、乗客は誰もいなかった。
知らない町の景色を眺めていた。

バスはどんどん郊外へ。
遠くに桜が咲いている河原が見えた。
帰りがてら寄ってみよう。

誰も乗っていないはじめて乗るバスに揺られていると、すべてが新鮮だからかもしれないけど、そこはかとない邦画感に襲われるの、わかります?
あれ結構くせになるかも。
多幸感に包まれて、何か書こうかと思ったけど携帯を見るのも嫌になった。

バスを降りて真っ先にマスクをはずして土や緑の濡れたにおいを嗅いだ。
この感覚だって久しぶりだ。
土地のにおいを嗅ぐのは健康で文化的な最低限度の生活を送るために必要な行為だとさえ思った。
靴も服も脱ぎ捨てて草むらに飛び込みたい。

コンビニでおにぎりを買った。
大荷物だったからか、レジのおばさんに「どっか旅行いくの?」と聞かれた。
「きたんです」というと
「きたんに、はぁ」と言われて会話は終わった。

岐南(ぎなん)という地域にきていた。“きたん”という地域に行くとでも思われただろうか。

岐阜や静岡でライブをしたいので、今回は名古屋でのライブに前乗りして岐阜にきていた。
岐阜でいくつかのお店に挨拶してあるお店で「今夜パーティーがあるよ」と教えてもらって夜はそのパーティーに顔を出した。

知らない町は楽しい。大荷物を引きずるにもへのかっぱでわくわくする。
今はコロナってのが頭にずっとちらつく以外は。

名古屋はいつもあたたかく迎えてくれる。
絶対に最高のライブを、と覚悟を決めることができる。
今まで散々ライブしてきたけど、最強のゾーン状態に入るには自分だけではなくて、会場との一体感が生まれるとなお素晴らしいものになる。

4月3日、KDハポンでの「会いにいく」というイベントは最初から終わりまで終始美しかったと思う。

自分の殻を脱ぎ捨てて歌になった時、もうそこには何もいらない。
説明も、体裁も、評価も、ピッチも、歌詞も、メロディーも。

sitaqヤマシタさんが、「小野くんのライブみてるとギターうまくなってもしょうもないと思うわ」と言ってくれて嬉しかったけど、それは絶対そんなことないと思う!笑

ギターめちゃくちゃうまくなりたいなってヤマシタさんとアフターアワーズタミハル観てて思うよね。
あの時俺たちは間違いなくキッズだった。

それにしても1年ぶりに共演できたアフターアワーズは強かった。
とにかく強かった。

ライブ観ながら、映画「あの頃ペニーレインと」のウィリアム少年の目線で、アフターアワーズに密着する映像が浮かんだ。
バンドマンの夢が詰まってる感じがした。

アフターアワーズのローディーやりたいわ。
ストーリーが見えるような、でもわからないから知りたくなる、そんなライブしてた。

アフターアワーズに「歌ヤクザ」と呼ばれて、それならアフターアワーズの出番前に歌ヤクザ本領発揮したろうと思って臨んで最終的に歌になってハポンの天井に向かって溶けていった。
いいライブだった。


次は久しぶりの東京。

改めて名古屋、きてくれた皆さん、共演してくれたみなさん、企画してくれたかたしょ、ありがとう。

おかげさまでもっと強くなれた気がします。

-—XT LIVE-—
2021/4/29(木祝)
@原宿ストロボカフェ
みづうみ
大槻美奈
小野雄大



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