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対話その10|ゲスト らっきーさん

wish you were hereの対話その10。
今回は石垣島でパイナップルやカボチャを育てる農家のらっきーさんがゲストに来てくれました。

前回ゲストに来てくれたMoさんと同じく、らっきーさんは樋口塾というpodcastのコミュニティに所属している方です。
らっきーさんもお父さんを自死で亡くしておられますが、石垣ラジオというラジオでうつ病に関する発信もしておられます。

石垣ラジオの通称「うつ回」は、うつ病当事者やその支援者の方をゲストに招いてうつ病について語る回です。深刻になりがちなテーマを、近所の居酒屋で友達と飲みながら話すような雰囲気で話しておられるのでとても聞きやすくて楽しい放送です。
らっきーさんはうつ病やメンタルヘルスに対する偏見やタブー感をなくしたいという思いでこの発信を始めたということだったので、今回のラジオでは放送を通じてらっきーさんや周囲の方々に変化があったのかを聞いてみました。

ラジオをするにあたって、自分の体験をタブー視されているように感じたり、話しにくさを感じたりする場面はどういうときだろうと色々考えました。
そうやって考えてみると、社会からの圧力で語りにくさを感じる場面もありますが、実は自分のなかにもタブー感があって、それが自分の体験を語ることを邪魔しているときもあるのではないかと思いました。

ラジオのなかでらっきーさんが「うつ回」に登場する下地さんのコメントを紹介してくれましたが、ラジオの放送後下地さんが「周りの人が以前よりフランクになった」と感じたという話がとても印象的でした。
世の中全体が変わらないとしても、自分の体験を打ち明けて、それを受け止めてくれる場があると知ること。そういう経験をすることが、自分の体験をタブー視せずにフラットに見つめ直すきっかけを作ってくれるのではないでしょうか。そして当事者がよりフラットに自分の体験を語ることができれば、それを知ることのできる人の数も自ずと増えていきます。
らっきーさんの発信や活動は、まさにそういう円環を作り上げているのだろうなぁと感じました。

そしてありがたいことに、らっきーさんがpodcastで wish you were hereのラジオを紹介してくださったのですが、それを聴いた自死遺族のリスナーの方が私たちの放送を聴いてレターを下さいました。
その方に返事のお手紙を書いてラジオの中で読んでいます。

まさに、らっきーさんが作った円環のなかでご縁が生まれるような、ありがたい体験でした。
同じ自死遺族であっても、その人が背負っている苦しみはその人だけのものですが、「一人じゃないんだ」と思える瞬間を少しでも感じてもらえるような場所になればいいなと思います。

らっきーさんのラジオは、「うつ回」以外にも石垣島のおもしろい人を招いて楽しいお話をたくさんされていますので、よかったら聴きに行ってみてください。

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