避妊用ピルのあれこれ

オンライン診療で避妊用ピルを処方する東京TMクリニック ピル処方外来オンライン診療 が、避妊用ピルに関する情報を提供します。

1、ピルを飲み続けることが当たり前のイギリス

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世界で避妊用ピルが最も普及している国のひとつと言われるイギリスでは、一般女性の経口避妊薬使用率が2017年時点で42%※を超えており、同使用率がいまだにわずか4%前後の我が国とは大きく状況が異なっている。

※イギリス国勢調査/国民保健サービスNHS調べ

これは、イギリスの国民皆保険にあたる「国民保健サービス(NHS)」が、低用量ピルや緊急避妊用ピルなどの経口避妊薬をはじめ、その処方を行うための一般内科(GP)診療をすべて「無償提供」していることにもよるが、何よりも避妊用ピルに対する認知や正しい理解が広く国民レベルにまで普及していることが大きいと言える。ちなみに、我が国において処方される低用量ピルの薬価は1シートあたり2~3,000円であり、これは同処方がいまだに自由診療に位置付けられていることによる。

東京在住のあるイギリス人(女性27歳)によれば、現在、多くのイギリス女性は、「まるでダイエットサプリのように、避妊用ピルを毎日飲み続けている」と言い、これを「常習的に使用しても特に健康上の問題はなく、使用を中止すればまた正常な月経周期や妊娠機能を回復することもできる」と、自身の使用経験に基づく証言も得ることができた。

一方、我が国では、ようやく最近オンライン診療が解禁になった経緯はあるものの、本来「プライベートかつデリケート」な問題である避妊について、これまで医師による対面診療が絶対条件とされてきた上に、避妊用ピルの常用がホルモン分泌や循環器系、肌の状態や体重等へ悪影響をもたらすとの誤解もいまだ根強く、その一般への普及を妨げてきたという事情もある。たしかに、避妊用ピルの国内認可が欧米に大きく遅れてようやく1999年に実現したというハンデもあるが、同年4月にイギリス国内でも避妊用ピルによる「血栓症論争」が規制撤廃という形でようやく幕引きを迎え、その時点でのイギリス国内での経口避妊薬の普及率はまだ25%に満たなかった(日本は当時1%)※ことを考えれば、その後大きく水を開けられた形となっていることは間違いないだろう。 

※英The Independent紙2008年調べ

特に近年は、未成年者や性被害による「望まざる妊娠」が世界規模で社会問題化していることもあり、将来的に安全なホルモンインプラント療法や男性用ピルが普及する前段階として、我が国でも今後女性向け低用量ピルへの需要がさらに拡大していくことに期待したい。これは女性の社会的進出や権利向上というより大きな目的にも資する「新しい生活習慣づくり」へのあるべき姿と言えるだろう。


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