二次創作を自由に行えるようにするために『Project B-idol』が目指す世界
こんにちは!近持大和と申します。
『Project B-idol』という二次元アイドルのコンテンツのプロデューサーをしています。
▼「Project B-idolって何を目指しているの?」
最近「Project B-idolって何を目指しているの?」といろいろな人に聞かれるようになりました。
星の数ほどある二次元アイドルのコンテンツを、楽曲を商業流通に乗せるわけでもゲームを作るわけでもなく、何をしようとしているのか、と。
僕はもともとポケモンやブシロードといったコンテンツ企業に所属していましたので、そういった展開のノウハウはある程度に持っているつもりです。
しかし、このプロジェクトではそのようなアプローチはほとんどしていません。
その理由についてちゃんと説明がしたいな、と思ってこの記事を書くことにしました。
ちょっと長くなると思いますが、ぜひ読んでみてください。
※「そもそも『Project B-idol』って何?」という方に向けたご説明はこの記事の一番下にまとめています。
▼先に結論を書きます
結論から先に言ってしまいますと、『Project B-idol』というコンテンツをCC0(クリエイティブ・コモンズゼロ)として開放し、UGC(User Generated Content:ユーザーの手によって作られたコンテンツ)として使ってもらいたい、というのが理由です。
これだとよくわかんないですよね…
僕はこれまで個人的に、コミケの通称で知られる「コミックマーケット」やコスプレの世界大会「世界コスプレサミット」など、"同人誌" "コスプレ"といった「二次創作」の世界に長く関わってきました。
「東方Project」や「初音ミク」など、二次創作をきっかけに広く楽しまれているコンテンツがたくさんあることをご存知の方も多いと思います。
二次創作はファンならではの想いや情熱、愛に溢れた素晴らしいクリエイティビティが発揮された作品を生み出す源泉であると僕は強く信じています。
しかし、二次創作を行う場合にはどうしても「著作権」という概念を避けて通ることができません。
「著作権」はクリエーターを守るために絶対に必要な仕組みです。
かつては二次創作の世界において著作権に対する扱いがおざなりになっている時代もあったようですが、最近はクリエーターの著作権に対する認知や意識がとても高くなってきたと感じています。
このため、コスプレや同人誌の制作といった二次創作を「著作権的にグレーである」と(ある意味)引け目を持って行わざるを得ない状態になっています。
クリエーターが引け目を持たずに「二次創作」活動を行えるようにしたい。
この状況を打破したいと考え『Project B-idol』を立ち上げました。
▼「三国志」と「三国志の二次創作作品」
「三国志」という作品は日本で多くの人に知られています。
詳しいストーリーは知らなくても、諸葛孔明や関羽、呂布などといった登場人物の名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
日本で「三国志」として知られる物語は、中国の明の時代に羅貫中によって書かれた『三国志演義(三國演義)』という時代小説が原作と言われています。(諸説あります)
おそらく(というより間違いなく)原作者である羅貫中さんは日本にプロモーションやマーケティング活動はしていなかったはずです。
多くの日本人が「三国志」という作品を知ったきっかけは、横山光輝さんの漫画か吉川英治さんの小説からなのではないかと思っています。
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これらの漫画や小説は原作の単なる翻訳ではありません。原作へのリスペクトとクリエーターの優れた創作力によって生み出された「二次創作」作品と言って良いと思います。
仮に羅貫中さんが現代において二次創作を認めていなかったら、この素晴らしい二次創作は生まれていなかったでしょうし、コーエーテクモさんの名作ゲーム「三國志」や漫画を原作にアニメ化や実写化もされた「パリピ孔明」、アダルトゲームの「恋姫†夢想」といった作品(ある意味三次創作)は生まれてこなかったでしょう。
原作のファンたちの手による二次創作をきっかけに、新たな作品世界が広がっていった好例だと思っています。
▼二次創作を解き放て!
最近ではゲームメーカーなどを中心に「二次創作のガイドライン」を発表しています。
このような取り組みがどんどん広がっていってほしいですし、そこから一歩進んで、二次創作を楽しむ人から対価をもらうこともできるようにしたいと願っています。
二次創作をグレーなものではなく、完全にホワイトにしたい。
胸を張って二次創作を自分の作品を発表してもらいたいし、できればそこから収益も上げてほしい。
原作者への許可なんて面倒なものは取らないでいいようにしたい。
『Project B-idol』はその新たな事例にしたいと考えています。
こちらがその目的に向けた第一歩です。
▼おそらく皆さんが気になる「マネタイズ」について
そうなると、原作者はどうやって対価を得るの?という疑問が出てくると思います。(実際のところ、ほぼ100%の確率で聞かれます)
UGCとして作品が広がることで、広告費をかけなくても原作の認知が高まる、というメリットは確かにあります。
しかし二次創作作品がどれほど収益をあげようとも、多くのケースでは原作者は一銭も利益は入りません。「パリピ孔明」が人気になって収益を上げても、原作の「三国志演義」の作者である羅貫中さんに還元する方法がありません。
これが、IP(Intellectual Property:知的財産)ホルダーが二次創作や商用利用を積極的に認められない理由のひとつです。
僕は、ブロックチェーンの技術を活用することでその課題を解決できると考えています。
具体的には「二次創作の窓口権」をファンの集合体であるDAO(Decentralized Autonomous Organization:分散型自律組織)に持たせる、という考え方です。
これだけ記事がひとつ書けそうなボリュームがありますので、別の機会におお話したいと思っています。
ここまでお読みいただき、どうもありがとうございました!
▼『Project B-idol』 について
ここまで記事を読んで『Project B-idol』に興味を持っていただけたのであれば、ぜひ下記の記事を読んでみてください。
プロジェクトの概要をまとめています。
公式YouTubeチャンネルではこれまでリリースした楽曲のPVなどを公開しています。
Twitterでは最新情報をお知らせしています。
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