Girls 『Album』
リリース日:2009年9月22日
レーベル:True Panther Sounds
先日7年ぶりの新曲をリリース、そして、10月に9年ぶりとなるアルバムリリースを発表したChristopher Owens。これを機に、彼が在籍していたGirlsの『Album』について書いていきたい。
まずこのアルバムの印象を、自分なりに表現すると、お昼頃、外は開放的で真っ青な青空、明るい太陽の光で照らされて、とても心地のいい天気であるにもかかわらず、昼間なのに真っ暗な部屋の中で、どんよりと鬱屈した気持ちで縮こまって動けず、カーテンの隙間から覗く青空を見ながら過ごしているような気持ちになるアルバム。もちろん決して悪い作品と言いたい訳ではなく、個人的にも生涯で好きな作品の一つであり、それ程の特別さを感じさせる作品である。
瑞々しいギターのサウンドが印象的で、粗い音色ではありつつもメロディが良く、一曲一曲がとても人懐っこい。楽曲の構成もシンプルで難しいものではないが、音楽面だけでも聞き応えがある。そんなポップ・ソングの中で歌われていることは、個人的なものでもあると同時に、万人が抱くだろう普遍的な悲しみや欲望、願望、憧れ、ある相手との関係で生まれる思いといったもの。各々異なる経験をして、感じる尺度もそれぞれ異なると思うが、個人的なことでもありつつ、でも似たような気持ちもわかるというような開かれた感じもある。この作品を聞くたびに、重みも感じるのだが、僅かばかりだが、なぜか気持ちが軽くなるような気がする。
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